続・切腹ごっこ

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河井継之介

2005-12-28 | ★レビュー(映像)
「河井継之助・駆け抜けた蒼龍」を見た。

切腹シーンは無かった。
しようとしてた人は大勢に止められてたし。(止めないでよね‥)

前半は、全国を回って広めた見聞を生かし、藩政改革を推し進めるのを見ていて気持ちがよかった。
合間々に朋友達と議論するところを入れたのも継之助の考え方を視聴者に分からせるのに良かったと思う。

途中まではうまくいってるように見えたのに、どこからおかしくなったのか‥。

継之助は武士という枠、藩という枠の中で精一杯働いた。
藩の外の世界で見聞を広め、それを藩の中、藩のために生かそうとした。
それは当時の武士の考え方としては当たり前のことだったのだろう。
藩の中枢である継之助が立ち回る役目としては、主家と藩の体勢を保存することが第一になってしまった。
藩のことに深く関わらず脱藩していれば、もう一つの選択肢、坂本竜馬のような生き方もできただろう。
でも、それは継之助の望むところではなかった。

「民は国の本 吏は民の雇」という継之助の言葉が出てきたが、
本当に百姓領民のことを第一に考えていたんだろうか。
自藩の領民を路頭に迷わさないために、友藩との絆を鬼になって断ち切ることはできなかったのか。
その道を選んで新政府軍の攻勢をかわした藩もあるはず。
そうした藩は、後に新政府軍の尖兵となって友藩と戦うことにはなるんだが、領民に対する被害は抑えられたのではなかったか。 

「白虎隊」「五稜郭」「田原坂」に近い匂いがしたが、河井継之助の現実合理主義的な性格と、中村勘三郎の演技で必要以上に感傷的にならなくて済んだ。
物語のテンポもよく、2時間半にまとめてあったのも見やすかった。

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