あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: タンデム艇で大崎下島キャンプツーリング(1)

2008年09月15日 | 旅するシーカヤック
3連休の後半は、今年から社会人になった長男と大崎下島へのキャンプツーリング。 彼と一緒に漕ぐのは、祝島ビワ狩りツアー以来である。
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土曜日。 3連休初日は、妻と一緒に映画を見に行く。 ロードスターの幌を降ろし、バルト11へ。
今日のお目当ては、本日が公開初日となる『パコと魔法の絵本』
この映画は面白い! 好き嫌いはあるだろうが、妻と私のストライクゾーンにビシッと入る快作であった。
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映画から帰るとしばし休憩し、翌日から出発するキャンプツーリングの準備に取り掛かる。

大人二人がゆったりと寝る事ができるテント。 まだシュラフは要らないなあ、シルクのシーツとインナーシーツだけにしよう。
PFD、スプレースカートを2セット。 パドルは『アークティックウインド』を2セット準備する。 ツーリングには、なんといってもこのナローブレードで長いパドルが好いのだ! その長さは、270cm。

メニューを決めて近くのスーパーへ歩いて買い出しに行く。 ようし、準備完了。
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2008年9月14日(日)
朝起きてPCで天気予報をチェックすると、今日は晴れだが明日は雨とのこと。
雨とはいっても、それほど強く降るわけではなさそうだ。 波の高さも0.5mの予想。 うん、これならいいだろう。

蒲刈のいつもの浜で出発の準備。 シーカヤックを運び、荷物を運び、パッキング。
『ようし、じゃあ行こうか!』 今日は風もなく、海も穏やか。
『今日はだいたい2時間くらいの予定。 急がなくていいから、前に言ったように漕ぎ方に気をつけて。 ゆっくりと、でもしっかりと水をキャッチするように』

『今日は大潮だけど、今はちょうど潮止まり。 この辺りは潮流が複雑なんだ』 『正面が豊島。 その奥が大崎下島』
初めてこの辺りを漕ぐ彼に、このエリアの事を説明しながら漕ぎ進む。
『右に見えて来たのが斎島。 ここが呉市の最南端。 昔はアビ漁で有名だったんだよ』

ペダルの位置がなんだかフィットしないというので、途中の浜に一度シーカヤックを揚げ、ペダルを調整。
『どう、これくらいで』 『うん、好い感じ』
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以前は、タンデム艇で長男と漕ぐ時には『アークティックウインド』は使わせなかった。 細いが270cmもあるこのパドルは、キャッチがとても良いのだが、人によっては抜けるような感じがすると言って嫌う人も少なくない。

そのため、オーソドックスなワイドブレードパドルで漕がせていたのだが、今年の5月連休に日本海に行ったとき、試しにアークティックウインドで漕がせてみたら、彼はこの方が漕ぎやすいという。
スターンを漕ぐ私の方も、同じ長さのパドルだとピッチが合うので、パドリングのリズムが合わせやすいという大きなメリットもある。 それ以降、彼と漕ぐ時には、ペアでアークティックウインドを使う事にした。
今日も同じ長さのパドルを使う事で、自然に心地良いピッチで漕ぎ進む事ができる。 アークティックウインドは見た目も美しいし、うん、やっぱり好い感じだなあ。 タンデム艇にはこれである!
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『あそこの防波堤を回り込んだら今日のゴールだ』 予定通り、約2時間のパドリング。
荷物を揚げ、シーカヤックを揚げて、まずはお昼ご飯。 『ちょっと待ってて、ビール買ってくる』 『コーラがあったら一緒に買って来てよ』 『OK』
近くの商店でビールをコーラを買い込むと、ベンチに腰掛け、海を眺めながら買って来たお弁当を頬張る。

食後は御手洗の町を散策。 ここでは、古い町並みを歩いて楽しむことが観光のメインである。

夕方まで、ターップリと時間があるので、大長まで足を伸ばしてみた。 宇津神社にも参拝する。
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商店でジュースを買い、日陰となる雁木に腰掛け、大長の港を眺めながらしばし休憩。

『あそこに見える青い舟。 あれが農船って言って、ここの人たちが近くの島にミカンの出作に行く時に使う舟。 漁業用じゃなくて、農作業用の舟なんだ』
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のんびりまったり散策し、島時間を堪能。
キャンプ地に戻り、日陰でゴロリと転がった長男は、いつの間にやら気持ち良さそうな寝息を立てていた。
その横に私も転がり、海を眺めながらラジオを聞いたり、本を開いたり。 のんびり、まったり。

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夕方5時前。 そろそろ夕食の準備を始めるとするか。
彼にも手伝ってもらいながら、簡単な夕食をつくる。

ミートソースをかけたパスタ。 小さなステーキ。 ゆで卵。 そして冷や奴。 『どう、こんなもんでええか』
『うん、充分』 私はビール、彼は水で食事。 よく冷えたビールが、最高に『ウマい!』

ゆっくりと食事をしていると、岡村島の上に月が昇って来た。 そう、今日はお月見だ。

『きれいやのう』 『外でご飯を食べるのはいいねえ』 『たった2時間じゃけど、自分達の力で漕いで島に渡ってキャンプするちゅうのは、ええもんやろ』 『うん』

酔眼に、中秋の名月が美しい。 ビールがウマい、月がきれい、月光に照らされて妖しく光る海がなんとも美しい。
息子と過ごすキャンプツーリングの夜。 来て良かった。

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