あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: ロードスターで沖家室島へ一泊旅行(2)

2008年09月27日 | 旅するシーカヤック
2008年9月21日(日) 沖家室の民宿、『鯛の里』でおいしい魚料理を堪能した翌朝。
今日は、ボランティアガイドの方に東和町の案内をお願いすることになっている。

朝から、雨が降ったり止んだり。 あがってくれると良いのだが。
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鯛の里を辞し、周防大島文化交流センターへと向かう。
途中、ふと思いついて片添の浜に降りてみた。 するとそこには、見た事のある車とトレーラーが。
そう、この週末は、ダイドックの周防大島キャンプツアーがあるとHPに出ていたので、もしやと思ってこの浜に寄って見たのである。

だが浜にテントが無い。 ケータイで電話をかけてみると、前夜は近くの島でキャンプして、浜に戻って来ている途中との事。
9時からガイドの方をお願いしているので、『じゃあまた、気をつけて!』
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周防大島文化交流センターの駐車場で、今日ガイドをして下さるTさんとお会いした。
『おはようございます』 挨拶を交わし、興味のあるテーマや見てみたい場所についてお話しして、Tさんがルートを決めて下さった。
『天気が良ければ白木山に行ってみるんですが、今日はこの天気。 上がっても景色が見えないので、まずは下田八幡宮に行きましょう』 『はい、よろしくお願いします』
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車に同乗させていただき、下田八幡宮へ。
『こんな近くにあったんですね。 いつもこの前の道はクルマで通っているんですが、気が付きませんでした』

お話を伺うと、昔はこの鳥居の前は遠浅の浜だったそうだ。 今は埋め立てられて、当時の面影は無い。
階段を登り、そこで昔の様子を聞かせていただく。
『ここは、昔は広い場所だったんですよ。 近くの学校の運動会をやったりもしていたんです』 『ここには小高い丘もあったんですが、近くの池を埋め立てるのにその土を使って平らになりました』

宮本常一も遊び場にしていたと言う、下田八幡宮の昔を想う。

『本の中に、ドングリ合戦というのが出て来るんです。 でもね、そのドングリというのは、実は松ボックリのことなんですよ』
『この神社は、近くの大工さんが細工をしてるんです』『それって、長州大工ですよね』 『ええ、そうです』 『以前、沖家室の泊清寺さんで、立派な細工がされているのを見せていただいた事があります。 あれは凄いですねえ』
***
境内をグルリと巡りながら、お話を伺う。
ふと、なんだかいつもと違う感じを受けた。 『あの、こちらが表ですか?』 『はい』
そう、ここは、下の道から鳥居をくぐり、階段を登っていくと、神社の裏手になるのである。 これは珍しい!

『いやあ、海に近い他の神社では、海側から参拝するようになっているのが多いと思うんですが、ここは逆なんですね』 『そう、こちらが表ですね』
『このあたりは、もしかして漁師さんは少ないんですか?』 『ええ、ほとんどは農業や養蚕、大工さんだったようです』
『なるほど。 漁師さんが多い集落なら、おそらく海から参拝できるようになっていたはずですよね』 『そうですね。 気が付かれたように、この神社の南側にある集落の人々がお参りした神社なんです』
***
クルマでその付近を案内していただいた後、服部屋敷に近い真宮島へ。
少し雨が落ち始めたが、『ちょっと行ってみますか?』 『はい、ぜひお願いします』
『今日は、ちょうど干潮の時間なので、沖の島まで歩いて行けると思いますよ』
島へとつながる道を歩きながら、昔の様子や、真珠養殖を行われていた頃のお話を聞かせていただく。

『ここです。 宮本常一の写真で、おばあさんが孫を連れて薪を取りに行ったのが向こうの島です』
『いやあ、やっぱりクルマを降りて歩いてみると、いろいろ見れて好いですねえ。 いつもは周防大島にカヌーを漕ぎに来るんで、なかなかゆっくり歩いて廻る機会がないんですよ。 今日は良かったです』
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きれいな海を眺めながら四方山話。
『私たちは、特に決めたルートはないんです。 お客さんの希望に合わせて案内しています』 『あの、この近くに村上水軍の墓があると聞いているんですが』 『ええ、ありますよ。 行ってみますか?』
『いいんですか?』 『ええ、まだ時間はありますから。 せっかくだから行きましょう』
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移動の車中で、村上水軍の話しを聞かせていただく。 それにしても、よく勉強されているなあ。 感心しきりである。
クルマを停め、少し歩くと村上武吉の墓のあるお寺に到着。 『いやあ、ここは案内していただかないと、なかなか分かりませんね』

お寺はちょうど改修中。 ご好意で中も拝見させていただき、村上武吉の仏壇も見せていただいた。 また、お墓も立派である。

少し離れた所にある、村上家の別のお墓も訪問し、Tさんから様々なお話を伺った。
『じゃあ、これで帰りますか』 『はい。 本当にお世話になりました。 周防大島にカヌーを漕ぎにくる時は、なかなか町を歩いてみる事が少ないんで、今日はとても良かったです。 ありがとうございました』
***
沖家室の民宿でおいしい魚料理を堪能し、また宮本常一と村上水軍の足跡を巡った周防大島ドライブの旅。 大満足。
また遊びに来たいなあ。

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