あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 夏のシーカヤック教室_秋の瀬戸内海堪能、2013年〆の島渡りツーリング

2013年09月29日 | 旅するシーカヤック
2013年9月29日(日) 金曜日に有休を取って、金曜土曜で 三次~広島~江田島~呉の輪行ツーリング を楽しんだ翌日の今日は、延び延びになっていた今年のシーカヤック教室の〆となる島渡りの日。

朝起きると、まずはPCで今日の天気予報をチェックし、風の状況を確認し、ライブカメラで海の状況を観る。
この夏のシーカヤック教室の〆となる大事なツーリング。 いつもの自分だけのツーリングとは違って、予報や海況の確認にも力が入る。

『これならなんとか実行できそうだな』

***

10時前、カヤックを運び、体操を終え、伴走船の準備も完了して、出発前のミーティング。
今日は、いつもの島渡りの時のようにベテランシーカヤッカーのYさんもサポートしていただけるので心強い。

朝、家で印刷して来た天気予報、潮流情報、地図を見せながら、実践版シーカヤックアカデミーと同様の情報共有と安全確保のための注意事項の伝達。
すると、6年生の女の子が、『よく調べてますねえ』 俺は、『海に出るときは、いつもそうなんだよ』

子供たちと一緒でのツーリングとはいえ、ちゃんと自分達がこれから過ごす時間や向かう目的地、そこまで行くまでの様々な情報を共有化しておく事は重要だと思っており、お客さんとして海に連れて行かれるのではなく、自主的に海で遊ぶためには欠かせない大事な時間だと信じている。

『じゃあ、パドルを持って、ライフジャケットがちゃんと着れているかチェックしようか』
『あれ? これって前に来ていたPFDとは違うんじゃないか? ちょっと大きいよ。 あそこのやつと替えよう』 『うん、このベルトは股のところをちゃんと通しているね。 OK』
この安全確認こそが、俺が夏のシーカヤック教室に携わらせていただいている最大の役目。 疎かにはできない。

『ようし、じゃあ出発しようか』

各自、パドルを持って浜へ。

『じゃあ、伴走船の後に○○先生のタンデムカヤックを。 その後にシングル艇の6年生二人。 そして、○○先生のタンデムカヤック。 最後に、俺たちが出ますから』

今日は、風も落ちて最高の秋晴れ。

『港を出る時は、Yさんのカヤックの所に集まって固まろう。 そして、他の船が来ていないかしっかり音を聴いて、周りを見て、何かあったら声に出して伝えるんだよ』









最高の秋晴れの下、穏やかな瀬戸内海を漕ぎ、いつもの島へ。

『おお、ここまで自分達で漕いで来たねえ。 凄いなあ』

***

一旦島に上陸した後は、伴走船で釣りに行くグループ、カヤックで島の裏側まで探検に行くグループ、お昼ご飯を作る準備に取りかかるグループに分かれる。

俺は、Yさんと一緒に、島の裏側までカヤックで探検に行くグループに。

途中、ちいさな洞窟の探検をしたりしながら、パドリングを楽しむ。

『今日は空がきれいだね』 『雲がフワフワ』
『あー、あそこに飛行機が』 『あんなに近くで飛行機を見たのは初めてかも』 『前にね、飛行機で東京に行った事があるんだ。 ああ、もう一回飛行機に乗りたいなあ』


途中、海が大好きで、釣りも好きで、シーカヤックも好きだと言う6年生の女の子に、俺が愛用しているアークティックウインドを渡してみた。

『このパドルで漕いでみたら』
渡してみると『えー、このパドル重いですね』 『棒みたいな細長い変なパドルだけど、漕いでみてよ』

『へえ、意外と漕げますね』 『いやあ、それかっこ好いよ。 漕ぎ方も完全にシーカヤッカーだ。 やっぱり○○ちゃんは海が大好きな”うみおんな”だし、大きくなったら本物のシーカヤッカーになれるよ』

普段、自分でアークティックウインドを漕いでいる姿を見ることは無いのだが、こうして人が漕いでいるのを見ると、アークティックウインドってカッコええなあ!

***

浜に戻ると、カレーの支度が後半戦。

綺麗な景色を楽しみながら、みんなでワイワイガヤガヤ楽しい準備。

持参して来たゴムボールで、子供たちと半分海に浸かってのキャッチボール。 『ほーら』 『はい、大丈夫ですよ。 私、キャッチボールって得意なんです』
『ほんとだねえ。 上手い上手い』

昼食の準備も整い、カヤックで渡った島で、カレーの昼ご飯。

最高の景色を眺めながらのカレーは、美味しくない訳が無い!

『いただきまーす』

『カレー、美味しいね』 『○○先生、ご飯美味しく炊けてるよ』 『お替わりちょうだい』 『あー、美味しかった』

***

食後は、再び貝探しや釣り、カヤックなどでそれぞれ楽しむ。

出発前にはあまりの暑さに子供たちと海へ。 『ドボーン』

『あー、気持ちええなあ』

『じゃあ、そろそろ戻ろうか』

帰りは、遊び疲れた子供が二人居たので、伴走船に乗るメンバーを見直し、船割りも変更し、カヤック一艇を俺たちがトーイングして戻る事に。
『こんな時は、どうやったらみんなが一番楽に、そして安全に戻れるかを考えて船割りを決めるんだ』

帰りは、朝よりさらに穏やかな海況。







最高の秋晴れの中、無事に戻って来た。

『お疲れさまでした』

最後は、みんなで挨拶。
先生が、『これで、今年のシーカヤック部の活動は終りです』と言うと、子供たちは『えー、そうなの?』 『冬は漕がないの?』などなど、嬉しい反応が。

その後、一人一人がこの夏のシーカヤック教室と今日のツーリングを振り返っての感想を一言ずつ伝えてくれた。
嬉しい限り。 まさに感無量。

『本当に楽しかったね。 また来年、一緒に漕ごうよ!』

***

秋晴れに恵まれ、最高に楽しかった、夏のシーカヤック教室の〆となる島渡りツーリング。

これまで俺も様々な事に志を持ってチャレンジしてきたが、大きな感銘を受けた実践版イベントが思わぬ方向性の変更で参加できなくなったり、誠心誠意取り組んで来たイベントがこれまた思いもかけぬアクシデントで挫折したり。
だが、今年で4年目となった夏のシーカヤック教室だけはまだ続けることができている。

約50年生きてきて今更ながらではあるが、様々な挫折や失敗を通じて、人生って本当に思い通りにならないものだということを、改めて思い知らされている。

とは言え、いちいち文句を言い続けても何にもならないので、しばらくは落ち込んだり悔やんだりするのだが、結局は失敗から何かを学び、それを糧にして、地面に這いつくばってでも/何かにしがみついてでもしてなんとか乗り越え、上手くいかないのが人生なのだと達観して前向きに生きて行くしかないのだと、50歳からの第二の人生を眼の前に自戒するだけ。

本当に、俺にとって、とても大切なライフワークとなりつつあるこのシーカヤック教室。
少しでも子供たちの想い出になるなら、そして少しでも俺が役に立つことがあるのなら、これだけは大切に大切に続けて行きたいと思っている。

『また来年も楽しもうな!』 今年最高の週末であった。 感涙。

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