A whiSper Of memOrieS

☬Murmure de mémoire☬

Urayasu-418

2021-07-20 | Urayasu
ここ数日で、社会一般での知名度は高くなく、むしろ地味な存在だった「小山田圭吾(Cornelius)」の名前が悪名として一気に国内を駆け巡り、海外にまで届いてしまった。Corneliusの名前はここでも何度か取り上げており、ファンとしてほとんどの音源を聴き、ライブにもそれなりに行ってきた者として、何かしら発言せずにはいられなくなった。|雑誌に関しては、彼の特集が組まれた『サンレコ』や『ミュージックマガジン』などは買っていたが、掲載誌『QJ』は購入していなかった。音楽以外の部分に興味がなかったからだが、もし読んでいたら嫌悪感を催していたに違いない。ただ、彼の楽曲、奏法やアレンジはいまでも好き。だが、やらかしたいじめの数々は最低のクズとしか言いようがない。そして、過去の所業を一顧だにせず、安直にオリパラの音楽担当を引き受けたことにも自己愛的傲慢さが窺える。|因みに、最初に白羽の矢が立ったといわれる坂本龍一氏は、以前からオリンピックの存在意義に疑問を呈するなど、考え方が全く異なる。自分の才能が権力に悪用されることにも敏感で、それを嫌悪し、忌避している。かつて、イチローがそうだったように。(将来、オータニにも必ず官邸からラブコールがくるはずなので、イチローさんをぜひ見習ってほしい。)|なお、外野がいじめを「当時の時代の空気」などと、まるで昔は流行っていたかのように言い立てたり、被害者でない人間が、「いまさら過去のことを蒸し返すな」などと宣うのは、全くのナンセンス。残酷ないじめは身体障害者であるか否かに関わらず一生のトラウマとなる。ようはもう取り返しがつかない。これは殺人事件に時効が成立し、被害者家族が二重の苦しみから抜け出せなくなることに違和感を感じるのと同じ感覚。この件では、被害者が亡くなったわけではないが、何十年か経ったのだからチャラにしていいというような質のいじめではない。|さて、8月にはMetafiveファン待望の新譜がリリースされ、ライブもあり、今月中にサンレコから特集号も出る。大病から奇跡的に復帰された幸宏御大は慈悲深い方であろうから、きっと当人に慰めの言葉を掛けるか、そっとしておくに違いない。もちろん、それは当事者同士の問題。しかし、結果的に、御大の復帰に冷や水を浴びせることになってしまった。プロバンドは社会的存在であり、ファン、リスナー、音楽業界、マーケットあっての物種だ。よって、本件はMetafiveにも暗い影を落とさざるを得ない。Metafiveファンとしては、御大の前線復帰に感極まりつつも、小山田氏のうまいとは言えないVocalや切れ味鋭いオブリガートを聴くたびにいじめのイメージがちらつく、要は真っ新な気持ちでは楽しめない新譜になりそう。|ただし、ピエール瀧氏の電グルの時のように、作品を発禁にするような過ちはもう繰り返さないでほしい。Metafiveにまさか文科省の予算は付いていないだろうが、彼らこそまさに「Cool Japan」の体現者。YMOからMetafiveへと脈々と連なる歴史も知らず、作者と作品の区別も曖昧な人間が「他罰主義」的に、この、世界に誇るべき作品を毀損してはいけない。
コメント    この記事についてブログを書く
« Urayasu-417 | トップ | Urayasu-419 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。