A whiSper Of memOrieS

☬Murmure de mémoire☬

Ota-2

2016-02-16 | Tokyo
何か新しいことを学び始めたときの人って、その道のプロからしたらまるで赤子のように見えるものです。初心者なんだから当然といえば当然です。何かを学ぶときのもどかしさについてはほとんどの人が身を以って体験しているはずです。一方で、あまり意識されないのが、教える立場の人間が「一国一城の主」であることに胡坐をかいて、学ぶ者の戸惑いやジレンマを理解する感性を失ってしまうことの危うさです。人間は肩書きが備わると、途端に自分が偉くなったかのように勘違いしがちです。よって、仕事でも学問でも教える側の者こそ、自分の専門外の分野で興味のあることを見つけ、師を仰ぎ、実際に学ぶことで、教わる側の視点を確保しておいた方がよいような気がします。   個人的には、誰かにほめられたときも、誰かをほめるときも、もっと思慮深くありたいです。 BGB:岡潔 『風蘭』(角川文庫,2016) . . . 本文を読む
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Ota-1

2016-02-14 | Tokyo
幼少時代から何十年にも渡り、常に「お得感」にさらされ、馴らされるというのは、私たちの心を貧相にしてるんじゃないか、と考えだしたら止まらなくなってきた。買い物のときだけならいざ知らず、普通の人間関係や普段の生活においても、ふとした拍子に「得してやろう」という気持ちが慣性のように働いてしまうんではないだろうか。私は、その場に知り合いのいない赤の他人同士が、偶然、同じ空間にしばらく居合わせるような場面でそういうことを感じることがある。と言いつつも、自分が利己的な振る舞いをする(した)可能性が全くないとも言い切れない。 とにかく、長い間、「得してやろう」、「サービスされて当たり前」という感覚でいると、自分本位で、卑しい大人になるのではないかな。ひとは、歳をとればとるほど経験が豊かになり賢くなるというよりは、そのひとが長年慣れ親しんだ環境や「個人的常識」にしたがい、柔軟性を狭めながら、パターン化した行動を取ることが多くなるのではないか。 よって、「割引クーポン」や「お得です」といった誘惑に心ときめいたりするのはほどほどにした方がよさそう。そのほうが懐にも、心にもやさしそうだ。  BGB: 大岡淳編著『21世紀のマダム・エドワルダ』(光文社,2015) . . . 本文を読む
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