新型コロナの感染が初めて確認されてから3年が過ぎ、人口の約4分の1が感染者となり、死者は6万人をこえました。感染が報じられて3年間、町内では老人クラブの会員120名のうち14名が亡くなりました。
この間に会員がコロナに感染して亡くなったかどうかは不明ですが、これらの人たちは帰って来ません。コロナは命を奪っただけでなく、家族との見舞いや最後の別れにも制約を課し、病室で遺体と対面できないことや、火葬場に入れないなどの例もあったようです。
その後、遺体からの感染リスクは極めて低いと確認され、遺体を包む袋の使用を不要とするなど、緩和は進んだものの、コロナ感染ではない人も同じように、葬儀も参列する人も感染防止のため訃報を知りながら、参列を控えてきました。
毎日のように、同じ公園でグランドゴルフの練習をした仲間の突然の死にも、最後の別れが出来なかったのです。基本的には亡くなった仲間も、感染した人と同じ対応になったのです。
葬儀は「故人を見送る」「故人の死を知らせる」「親族との縁をつなぎ続ける」「愛情や友情、感謝」など、それぞれの思いを胸に集う儀式で、「生きること」は当たり前ではないということを実感でき、「命の大切さを知る」など、残された人にとっても重要な意味があると思うのです。
高齢者は、コロナ感染だけでこの世を去るわけではないのです。それが、この3年間はコロナによって別れを邪魔されてきたのです。