
私の実家では、毎年真夏に、どじょう汁を食べていた。夏ばて予防にと、嫌がる私達に無理やり食べさせた。
今年の猛暑に、少々疲れ気味だったので、実家のことを思い出して、木綿豆腐と、どじょうを買い求めた。
小柄などじょうだったが、生きが良くて、ぱちぱち飛び跳ねていた。それをなべに入れ、木綿豆腐と一緒に煮た。味噌を入れようと思い蓋を取ると、白いお腹を上にして浮かんでいた。思わず蓋を閉めてしまった。
夏ばてしないように、夫にだけそおっとよそって、私は食さなかった。
流しをみると一匹だけ生き残っていた。捕まえようとしても、にょろにょろ、ぴょんぴょん動いて捕まえられない。
其の生命力に感嘆。生きたい、と言う叫びを聞いたよう気がした。
水槽に水を張って入れた。夫も私も、毎朝水槽を覗くのが楽しみになっている。大分大きくなったね。もう、野川に返してあげよう。などと言いながら未だ返さないでいる。
なんだか、すごく愛着が湧いてきた。でも、考えてみると、親兄弟をみんな食べられちゃった、敵の家でしょ。どうしよう。ごめんね。きっと、寂しいよね。怒ってるよね。
明日は必ず、川に返してあげるね。と、また、水槽を覗いている私です。