いま園庭では年長組の子どもたちが毎年クラスごとに制作している手作り鯉のぼりが今年も掲げられ、気持ちよさそうに風に泳いでいます。(写真)大人にとってはなんということもない鯉のぼりですが、子どもたちにとってはきわめて重要な意味の込められた大切な鯉のぼりであります。それは言わば、年長であることの証(あかし)のようなものといえるからです。あるいは、しんじんの子どもとしてここで暮らす彼らが一年、二年とステップを踏み、しかるべき時を経て最上級学年になったということを象徴しているのです。ですから年長児たちにとってはそれはまさしく誇りそのものであり、後輩の年中・年少児にとってはあこがれの的であるといえるのです。私たちは実際にきちんと言葉にして子どもたちにそう伝えています。「ほら見てごらん、あれが年長組のお兄さんお姉さんが作った鯉のぼりだよ。みんなも立派な年長さんにならなきゃだめだよ」と。確かに初めは何のことかわからない子どももたくさんいるわけですが、伝統として脈々と受け継がれていくそういうひとつひとつの事柄(しんじんイズム)をまるで空気みたいにみんなで吸い込んでいるうちに、心と体の隅々にまでたっぷりと染み込んで、やがて「いつかは自分たちも」と大きな目標にしていくようになります。
そんなわけで、今年も誇り高き年長児たちの鯉のぼりがひとりひとりの願いを乗せて、五月の空を泳いでいます。どうぞ園へおいでの際にぜひ一度ごらんになってください。
そんなわけで、今年も誇り高き年長児たちの鯉のぼりがひとりひとりの願いを乗せて、五月の空を泳いでいます。どうぞ園へおいでの際にぜひ一度ごらんになってください。