われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本(R3年度)

2021-07-28 08:39:39 | Weblog
 皆様こんにちは。いかがお過ごしですか。
 今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいります。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ絵本を選んだ理由や見どころなどを発表し合う、教員研修の一環としておこなっている取り組みです。そこで紹介された作品をぜひ皆様のご家庭にもお勧めしたいという願いから、毎年1・2学期末にこのような形で発表させていただいております。
 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、この夏はぜひ親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

『うろおぼえ一家のおかいもの』
出口かずみ 作  理論社
(青木涼香先生のレビュー)
あるところにあひるの家族がいました。この家族は何で早起きしたのかもうろおぼえのうろおぼえ一家なのです。そんな家族が買い物に出かけると、何を買いに行くのかもうろおぼえ…。確か四角いものだったような…、重いものだったような…。出会った友達にアイディアをもらいながら何とか買い物を終えましたが、本当に欲しかったものは買えたのでしょうか?
うろおぼえ過ぎて思わず突っ込みを入れたくなるお話です。
ぜひうろおぼえ一家が何を買いに来たのか一緒に考えながら読んでみてください。

『おなかがへった』
マメイケダ 作  WAVE出版
(本間愛梨先生のレビュー)
「いただきます」の挨拶から始まる私たちの食事。大人も子どもも最初は目からの視覚で食欲も増しますよね。ダイナミックな料理の絵と、場面に合った食べ物が登場する、楽しい絵本となっております。何回も繰り返し出てくる「いただきます」という、挨拶の大切さも感じられる絵本になっております。ぜひ手に取って読んでみてください!

『ひげらっぱ』
ザ・キャビンカンパニー 作   ひさかたチャイルド
(湯浅美咲先生のレビュー)
ある日、ふーたくんはへんてこなラッパを拾いました。せっかくなのでママに向かって吹いてみることにしました。すると、なんとママにぴよよ~ん♪とおひげが‼ ふーたくんはラッパを持って町へ出かけます。次は何にラッパを吹くのかな?大人も子どももなぜかクスッと笑ってしまうひげ。そんなひげが町の色々なところに生えている世界では楽しいことがたくさんありそうですよね。
私がもしひげラッパを手にしたらどこに吹くかな~と想像すると、とてもワクワクしてしまいます。
ラッパを吹く時の「ひげらっぱらっぱぷ~♪」の掛け声はぜひお子さんとひげらっぱを吹いているつもりで読んでみてください。きっとクスッと笑ってしまうはずです!

『ひっついた』
きどまや 作・絵   ひかりのくに
(猪俣愛先生のレビュー)
“もしはなにトカゲがひっついたら、キミならどないする?”朝起きたらトカゲがくっついていた姿が鏡に映っていた一匹の猫。お医者さんに診てもらうが処方されたのは「ノミトール」。もちろん取れず。取れないから隠すしかないと試行錯誤するも隠れてくれないトカゲ。そんな日々を過ごすうちに猫も世の中も慣れてきてトカゲがトレンドに!仲を深めた二匹が離れたときに気づいたこととは・・・?この作品には実際に猫の鼻にトカゲが嚙みついているモデルとなった写真があります。もし鼻にトカゲがひっついたらあなたはどうしますか?そんな想像をしながら読んでみてほしい一冊です。

『タコやん』
富安陽子 文   南 伸坊 絵   福音館書店
(鎌田千秋先生のレビュー)
夏のある日、しょうちゃんの家にやって来た“タコやん”。「あそびましょ」と強引に家の中へ入ってきてテレビゲームでハイスコアを出したり、公園ではサッカーで大活躍をしてすっかりしょうちゃんや友達と仲良くなっていきます。“ノタコラ ペタコラ”やって来て、“ノタコラ ペタコラ”と海へ帰っていった“タコやん”ですが、もしかしたら一人ぼっちのしょうちゃんを公園遊びの友達の中へと連れ出してくれたのでしょうか? 素朴な絵の雰囲気と“ヌルリンチョ”“ペタンチョ”などの擬態語の表現がタコやんのユーモラスな持ち味を一層優しく伝えてくれています。ぜひ夏休みにご家族でご覧ください。

『おむすびころりん はっけよい』
森 くま堂 作   ひろかわさえこ 絵  ブロンズ新社
(池田和先生のレビュー)
あるところに、さんかくおむすびのくにと、まんまるおむすびのくにがありました。
「さんかくおむすびなんかへなちょこやっちゅうねん」と、まんまるおむすびのとのさま。
「まんまるたちのようにだらしなくなっていけないぞ」と、さんかくおむすびのとのさま。お互いにいがみ合っていました。ある日、ふたつのくにの間にある広い畑で事件が起こり、とのさま同士の相撲で決着をつけることになりました。手に汗握る戦いはどちらに軍配が上がるのでしょうか?登場するおむすびは400個以上あり、読み進めていくとだんだんお腹が空いてきてしまいます。ぜひお手に取って読んで頂ければと思います。

『パパ、お月さまとって!』
エリックカール 作   森 比左志 訳  偕成社
(鈴木有咲先生のレビュー)
夜空に浮かぶ月に手を伸ばし、「お月さまと遊びたいな」と言う娘のためにお父さんが高いハシゴをかけてお月さまを取りに行きます。お父さんは無事にお月さまを持って帰ることができたのでしょうか・・・?この絵本は仕掛けがいくつかあり、ハシゴの長さやお月さまの大きさが仕掛けによって表現されているため、ものの長さや大きさ月の満ち欠けを感じることができます。大人でも「うわ~!」と、驚きの声をあげてしまうほど迫力満点の絵本です。ぜひ皆様もお手に取って読んでみてください!

『とうもろこしぬぐぞう』
はらしままみ 作  ポプラ社
(新保欣位先生のレビュー)
表紙にドンッ‼と座っているこのとうもろこし。筆で描かれたいい感じの筋肉に健康的な日焼け。まさに“ザ・日本男児”ならぬ、‘ザ・日本とうもろこし”。「おれはとうもろこしぬぐぞうだ!」そんな彼の堂々とした自己紹介からこのお話は始まります。ぬぐぞうという名前だけに、これからから彼がすることといえば・・・そう、脱ぐことです!このお話はカッコいいトウモロコシがただひたすらに自分の葉っぱを脱いでいくというお話です。べりべりぺりぺりといった気持ちの良い音と一緒に、皆さんもぬぐぞうさんと気持ちよくなれること間違いなしです。ぜひこの夏読んでみて下さい‼

『おむつのなか みせてみせて!』
ヒド・ファン・ヘネヒデン作 松永りえ訳  パイインターナショナル
(川﨑里紗先生のレビュー)
主人公は知りたがり屋のねずみくん。なんでもかんでも見たがります。穴があればつっついてみるし、ビンがあれば覗いてみちゃう。そんなねずみくんは動物のお友達のおむつの中が気になって仕方なくなってしまい、うさぎくんややぎさん、こいぬくんなどに、「おむつの中、見せて見せて」と聞いてみます。すると、それぞれのおむつの中にはいろんな形のうんちが!おむつの中を見ることができたねずみくんを見た動物さんたちは、今度はねずみくんのおむつの中が気になり、声をそろえて「ねずみくんのおむつの中も見せてよ!」と聞いてみます。さあ、ねずみくんのおむつの中はどうなっているのでしょうか?おむつが開ける仕掛け絵本になっていますので、お子さんと一緒に楽しめると思います。ぜひお手に取ってみて下さい‼

『カメレオンのかきごおりや』
谷口智則 作   アリス館
(佐藤美樹先生のレビュー)
旅するカメレオンのかき氷屋さんの自慢は、世界中で集めた色とりどりのシロップです。おすすめのシロップをかけたかき氷を一口食べたらたちまちお客さんは元気いっぱいに‼悩みだって吹き飛んでしまいます。ところが、かき氷と一緒に体がいろいろな色に変わっているうちに、自分が一体本当は何色なのか分からなくなって自信を失くしてしまうカメレオン。いつもみんなに元気を与えてくれていたカメレオンは、どうやって本当の自分を取り戻すのでしょうか?ページをめくるたびに鮮やかな色が目に飛び込んできて、目にも心にも癒しを運んできてくれる一冊です。今年の夏は、カメレオンのかき氷で涼しさと楽しさを一緒に味わってみませんか?

『お月さんのシャーベット』
ペク・ヒナ 作   長谷川義史 訳  ブロンズ新社
(伊藤美希先生のレビュー)
とてもとても暑い夜のお話。暑くて暑くて空に輝いているお月さんが溶け出した。その溶けたお月さんでシャーベットを作ってみんなで食べたり、溶けてなくなってしまったお月さん・・・月を家にしていたうさぎが困ってしまったり・・・。話の内容は慌ただしいですが、不思議な世界観で夜のように静かにゆっくり進んでいくお話です。ぜひ一度手に取って涼しんでください!

『なんでもモッテルさん』
竹下文子 文  アヤ井アキコ 絵  あかね書房
(園長のレビュー)
モッテルさんはお金持ちです。何でも買って何でも持っています。モッテルさんの奥さんも二人の子ども達も、何でも買って何でも持っています。丘の上のお屋敷は世界中から買い集めた色々なモノで溢れ返り、一つ買えばまた別の物が欲しくなり、もう一つ買うともっともっと欲しくなり、とにかく買っても買ってもキリがありません。そんなある晩、誰も見たことがないような大きな嵐がやって来て、モッテルさんのお屋敷ごとすべてを吹き飛ばしてしまいました。
あくる日、跡形もなく吹き飛ばされた後に残されたのは、お屋敷の壁と窓とドア、そしてモッテルさんとその家族だけ。あれほどたくさんの物を持っていたモッテルさん家族ですが、今は何一つ持っていません。が、しかしそこで初めて、モッテルさんたちは何かを得ることになるのですが、それが何であるかは本編を読んでのお楽しみ。人間にとって本当に大切なものは何かを、優しく楽しく伝えてくれる、深イイ話をぜひどうぞ!

『にんじんかりかりかじったら』
石津ちひろ 文  柴田ケイコ 絵   金の星社
(藤井遥先生のレビュー)
「オノマトペ」という言葉はご存知でしょうか?子どもと接していると自然に出てくる「ふわふわ」、「つるつる」なんて言葉もオノマトペ一つです。この絵本はそんなオノマトペがたくさん詰まった不思議な魅力のある絵本です。1ページにイラストが一つと、文が一つという非常にシンプルながらも、思わず「ふふっ」と微笑んでしまいます。
ユニークなどこかクセになるイラストと共に、同じ言葉でも全く違った表現ができるという言葉の面白さに気づくことのできる一冊です。子どもの心にもスッと入っていく不思議な力を持つオノマトペ。ぜひお気に入りの一文を見つけてください。

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さて、今回の先生方が選んだ絵本の紹介はいかがでしたか? 
真人幼稚園の子ども達は本当に絵本が大好きです。元気いっぱい遊ぶときは遊び、思い切り体を動かす。一方で、集中して絵本を読んだり、何かを作ったり、友だちや先生の話に耳を傾けたり、そういったこともとても得意です。その静と動、集中と発散のバランスが子どもの成長にはとても重要なのだと思います。そのような意味においても、心と体を鍛えるために絵本はとても大切なツールです。そしてなにより、お気に入りの特別な一冊があるということは、子ども達にとって何物にも代えがたい宝物であり、生涯にわたりその子どもを支えてくれる(時に本当に勇気づけてくれる)、大切な財産になるはずです。ぜひこれらのレビューをご参考になさって、本屋さんに親子で足をお運び頂き、お子さんと自分だけのお気に入りの一冊を探してみてはいかがでしょう。書棚の片隅で絵本たちは皆さんに発見されるのを待っています。
それでは皆様、9月にまたお会いいたしましょう!

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