「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

炉心溶融を起こしていた福島原発、早くも工程表の「想定外」に

2011-05-12 23:19:00 | ノンジャンル
昨日「1号機へのアプローチについては進展が報道されている」と書いたが、早速今日は1号機でさえ炉心溶融を起こしており大量の汚染水が漏れ、行程表で想定していた冷却手順の見直しが必至になったことが明らかにされた。
元々甘い想定での工程表。おそらく、年末はおろか震災から1年後にあっても終息とはならないだろう。
それでも事態を深刻に見せないのは国民の不安を和らげるためなのだろうが、要は政治家や役人から見て、国民が真実に耐えうると信用されていないということだ。
もっとも、政治家と役人だけではなくマスコミも同様。
今日の新聞で昨日の茶葉やシラスからの放射能検出について報じたのは一部で、扱っても小さなものだった。
一方で公務員以外の人との話題ではお茶の話から出て(汚染が最も心配される)魚や海藻の検査はなぜしないのかということまで心配は拡大している。

検査しなければ放射能が計測されないのは当然であり、検出されないから安全と言われても普通、納得できないだろう。

最近空港問題について筆が進まない。というのも、このような国難と見える事態の中では、家の外で銃撃戦をやっている中で今日の夕飯のおかずについて議論するように感じるからだ。
先日開示を受けた予算書の中には、県自身が空港連絡バスの赤字補てん額の積算根拠として1便当たり1.8人(島田~静岡空港線)などと昨年実績を基に赤字垂れ流しを続けているのだが、アクセスバス委託費が約1億となっても今の震災の「兆」というレベルの話の中ではかすんでしまう。

震災と人災によって大きな国富が失われた。
直近の経済の成長力も危ぶまれる中では、いくら直接の補償者が東電であろうが、また、政府や他の電力会社が支援しようが、ゼロサム的に考えれば被災していない地域の人々から被災地に財が移転するのは間違いない。
その覚悟を国民が共有できるような政府の復興シナリオなければエゴとエゴのぶつかり合いの泥沼に陥るのであるが、共有の前提たる信頼関係が情報操作ともいえる行為によって崩壊しつつある。誠に残念というより不幸なことであるが、それゆえに国や県は権限に執着せず、被災地の町長など住民の信頼のもとにあるリーダーに権限や財源を大きく委ねることが必須なのである。