「もう終わりかけなんやけど」と恐縮しながら、近所の人が庭の“ロウバイ”を切ってくれた。もらって帰り玄関に置くと とても甘い匂いが立ちこめた。

恥ずかしい話だが、今の今まで私の脳は“ロウバイ”に“老梅”という漢字をあてていた。そして、「梅の古い品種」だと思い込んでいた。
「人間は老いたら加齢臭なんていやな言い方されるけど、梅は老いてもいい匂いやな」と言っても、何か会話がかみ合わなかった。そこで、ちょっと調べてみると、自分がとんでもない勘違いをしていたことがわかった。



ロウバイ
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ロウバイ
Chimonanthus praecox
ロウバイ(中心部の花弁が暗紫色)
分類
界 : 植物界
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 : クスノキ目 Laurales
科 : ロウバイ科 Calycanthaceae
属 : ロウバイ属 Chimonanthus
種 : ロウバイ C. praecox
学名
Chimonanthus praecox
(L.) Link 1822
和名
ロウバイ
ロウバイ(蝋梅、蠟梅、臘梅、唐梅、Chimonanthus praecox)は名前に梅がついているためバラ科サクラ属と誤解されやすいが、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。1月から2月にかけて黄色い花を付ける落葉広葉低木である。花の香りは強い。
ソシンロウバイ(素心蝋梅)、マンゲツロウバイ(満月蝋梅)、トウロウバイ(唐蝋梅)などの栽培品種がある。よく栽培されているのはソシンロウバイで花全体が黄色である。ロウバイの基本種は、花の中心部は暗紫色で、その周囲が黄色である。
唐の国から来たこともあり唐梅とも呼ばれ、中国名も蝋梅であったことにちなむ。本草綱目によれば、花弁が蝋のような色であり、且つ臘月(ろうげつ、旧暦12月)に咲くからこの名がついた。
花やつぼみから抽出した蝋梅油(ろうばいゆ)を薬として使用する。

おかげさまで、また1つ賢くなった。そもそも梅ではないのである。英名は“ウインター・スゥイート”たしかに芳香で包んでくれる。花言葉は《深い慈愛心》納得である。もう1つ《先導》もある。春の訪れをいち早く告げてくれる冬の花ということだろう。
この後、梅のたよりを聞くようになり、2月中旬から本格的な梅のシーズンに入る。町内で梅の木を植えている家が結構あるので楽しめる。そして、桃の花から桜となり、春を迎える。 どの花が好き?と尋ねられたら、私は『梅』と答える。
それじゃ、勘違いしていた“老梅”というのはないのかと調べてみたらありました。

真言宗山階派の大本山勧修寺には、江戸時代にこの寺に移植されたという「臥龍の老梅」の名を持つ梅の名木があります。すでに幹は枯れていますが、根が生きているのでしょう、新しい枝が生じ、早春には枯れ幹の上に花が咲きます。山高の神代桜と同じく世代の交代中なのでしょうか。最後の力をふりしぼって、新しい生命を生み出している姿を眺めていると、なぜかしら人の心をうつ梅の老木です
老梅の幹の雅称は“鉄幹”だそうだが、水戸偕楽園のホームページを見ると、それにふさわしい老木が数多くあるみたいだ。その中には杖を頼りにしながらも樹皮のみで生きて、巡り来る早春には必ず花を咲かせ、やがてみずみずしい実をたわわにつけるものもあるそうだ。

見る人に生命力を感じさせるたくましさがある。
山村 暮鳥の詩

こんな老木になっても
春だけは忘れないんだ
御覧よ
まあ、紅梅だよ