素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

ウグイスの鳴き声を今年初めて!

2012年02月29日 | 日記
  ジム帰り ホーホケキョウの 初声に 見知らぬひとと 笑顔をかわす

 ジムの前にある灌漑用水のための久保池沿いに“季節のうつろいを感じる路”と勝手に名づけている歩道がある。少しづつではあるがたくさんの種類の花が植えられていて四季折々楽しませてくれる。池とその奥にある裏山は野鳥の住家としてはうってつけである。ジムの行き帰り通るのだが五感で季節を感じることができるのでとても気に入っている。

 帰り道、少々へたばって歩いていたが、今年初めて聞くウグイスの鳴き声が響いた。思わず顔を上げてあたりを見渡した。ちょうど向こうから歩いて来た人も立ち止まり同じように山のほうへ目をやった。

 姿は見えないが、グッドタイミングで♪ホーホケキョウ♪ともう一声。「春やな」という思いからか、お互い顔がゆるむ。2本ある梅の木も七分咲きといったところ。

 今日の歴史秘話ヒストリアは“ヘレンケラー”と日本との関わりについてだった。「負けんとき」ともつながる部分がありとても興味深かった。
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やっとこさ三寒四温使えそう

2012年02月28日 | 日記
 先週後半あたりから今週、来週にかけての天気の様子は“三寒四温”という言葉を使ってもいいなと思えるものである。春が近づいて来たと感じることができる。

 朝から定期購読している“和時計をつくる”の26号を受け取りにTSUTAYAに自転車を走らせた。少々風は冷たかったが、久しぶりの自転車だったので気持ちが良かった。店内を見てまわってもう1冊買うということをしてきた。無理に買う気はないが、たいがい目に留まる1冊はあるものである。
 
 今日は、雑誌コーナーにあった。MONOQLOプライムという情報誌。  「江戸の街道を辿る~旅の原点は神様に会いに行くことから始まった~」という特集に引かれた。梅のたよりが聞こえてきて、春のきざしを感じるようになると“ぶらりと歩きたい”という思いも芽吹いてくる。

 五街道をはじめ、日本各地の主な街道も20余り紹介されていて、情報誌としてはなかなか充実している。歌川広重の「東海道五十三次」の作品をもとに、各地の妖怪を登場させて描いた「妖怪道五十三次」誌上展覧会や葛飾北斎の描いた「東海道鳥瞰図」などもよかった。2号なので、すぐにバックナンバーの初刊号を取り寄せることにした。この手の情報誌、新鮮で充実した企画を継続していくのはむずかしいものだがしばらくは楽しむことができるだろう。

 午後からは、外のランニングにちょうど良い気候になったので、いつもの10kmコースを走った。1時間6分であった。調子はキープできている。
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玉岡かおる著『負けんとき~ヴォーリズ満喜子の種まく日々~』《下巻》読み終わる

2012年02月27日 | 日記
 《上巻》以上のスピードで《下巻》は読み終えた。我ながら驚くべき集中力であった。よく調べ、しっかり構成し平易な美しい言葉で読みごたえのある物語が集中力を引き出してくれた。“おわりに”を読んで納得。2年間、足を使って夫妻の足跡を丹念にたどり、イメージをふくらませていった結果のことである。

 示唆に富むことが数え切れないほど詰まっている。今だからこそ、多くの人に読んでもらいたい本だと思った。

 1748年に出版されたモンテスキューの『法の精神』によって、立法、司法、行政の三権分立という概念が打ち立てられた。1787年に制定されたアメリカ合衆国憲法や1789年のフランス人権宣言などに反映され、近代国家の背骨、指標となっている。

 しかし、たかだか250年余りの歴史しかない。長い歴史の中で出来上がってきたそれぞれの国の制度の中で、どのように生案回かしていくのかは模索の段階といえる。アフリカ、中東での動き、ロシアの政治情勢などはこのことを物語っている。それらを鏡として三権分立についてもう一度深く考えていきたい。

 なぜなら日本の場合も戦後発布された日本国憲法によって初めて制度化されたものであり、充分機能しているとは言いがたい。昨今の“リーダーの強い指導力”待望論の中には、三権分立を否定するものもひそんでいるからである。基本的には権力の分散、相互監視が要であるので、見方によってはまどろっこしいからである。

 昔、立法・司法・行政にプラスして教育も入れ四権分立をいった人もいる。『負けんとき』を読みながら思い出した。

 
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第6回『大腸がん 死亡ゼロを目指して』に

2012年02月26日 | 日記
 毎日新聞社が主催している関係で招待状をもらった。会場の南御堂・御堂会館大ホールは800人を越える人でほぼ満員。
 最初に、二十数年にわたって大腸がん検診の普及につとめられてきた医療法人健正会理事長の濱崎寛氏の『大腸がん検診について』の話。60歳から大腸がんになる率は急増するとのこと。そのため年1回の便潜血検査と3~4年に1回の内視鏡検査による早期発見・早期治療を繰り返し強調されていた。

 次に、大阪医科大学第二内科教授で消化管疾患の病態生理、内視鏡的治療、カプセル内視鏡などが専門分野である樋口和秀氏の『内視鏡検査の進歩~ここまで進んだカプセル内視鏡』の話。大腸がん検診を受ける率が日本では極端に低い現状がある。その要因の一つに内視鏡検査の苦痛もある。私も経験者の話を聞いたことがあるが、積極的に受けてみようと思わなかったのが正直なところ。小腸を見るカプセル内視鏡の映像を見ながら、技術開発の現状を興味深く聞かせてもらった。大腸用のカプセル内視鏡は3年後ぐらいには実用化されるであろうということ。

 最後に登場した、大阪医科大学一般・消化器外科准教授 奥田準二氏の『大腸がんに対する外科治療の進歩』は写真と実際の手術映像を見ながらの話でインパクトがあった。大腸がんなどの内視鏡治療や外科治療を専門とし、とくに腹腔鏡下大腸手術と直腸がんに対する肛門温存術のスペシャリストとして国内外できわめて評価が高い。と紹介されていたが、素人目にも手術の手際とわかりやすい説明には、職人技を感じた。

 3人のそれぞれの立場からの話の後は、おなじみの毎日新聞専門編集委員である近藤勝重氏の司会進行で3人によるパネルディスカッション。

 むずかしい話に疲れた頭を♪デュークエイセス・スペシャルコンサート♪でほぐしてもらった。昭和30年結成。57年のキャリアをいかんなく発揮された40分であった。

 分野こそ違え“精進する”ことの素晴らしさを感じた半日となった。

 ただ、行き帰りの電車で読んでいたのは中村仁一さんの『大往生したけりゃ医療とかかわるな~「自然死」のすすめ』(幻冬舎新書)という真逆の本。私流のバランスのとり方。いろいろな立場からの話を聞く中に、見えてくるものがある。それを大切にしたい。
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「留年」

2012年02月25日 | 日記
 東京ディズニーランドに行ってきた孫が土産をもってきてくれた。「もうすぐ2年生やな」ということから“留年”のことが話題になった。上の娘が「高校生ならまだしも、小学生にはどうかと思うは」と言うと、社会の動きに無頓着な下の娘は「どういうこと?」というので橋下市長が学力のついていない生徒に対しては留年という処置でしっかり学力をつけさせることも必要では。と語ったことに対して文部科学省の副大臣、大臣が是認するようなコメントを出したことを説明。「え~勉強ばっかりが学校と違うのにな」と一言。

 長女のほうは、孫の1年生のクラスを頭に描いて、授業中じっとしていられないあの子なんかどうなんやろという。その子の対応に追われて担任の先生は大変でクラスが落ち着かない。クラス替えを目前に保護者の中からも苦情がたくさん出ている。「こんな時“留年”ということが認められたら、その子を進級させるなということを言い出す親も出てくると思うわ、“1年生で身につけるべきことがついていないのになぜ?”と詰め寄られたら学校はどう説明するんやろ。」保護者会のたびにえげつないやりとりを聞いて来た娘は心配する。「中1の時、めちゃめちゃやった子が3年でしっかりする子もおったしな、めちゃめちゃのままもあるから判断はむずかしいのと違う?」とは下の娘。

 “できない子を救う”というのは建前の論理で、実際は“排除のシステム”として機能していくのではないかと二人の話を聞いていて感じた。「退学」でもそう。ルールを守れない者はやめてもらう。ということが義務教育でも認められたら教師のストレスはずいぶん軽減されるだろう。しかし、「退学」という排除のシステムができてしまったら教育の大事なものが失われていくのではないか。

 今の社会の風潮は、さまざまなものを抱えながら悪戦苦闘することより、合理的なシステムに乗っからないものを排斥していくことに傾きつつあるように思えてならない。その行き着く先に怖さを感じる。
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