納屋の段ボールや紙を整理したり、朝顔やきゅうりのためのネット張りや父親の絵の整頓などをしていると1日はすぐ終わる。18時30分過ぎに実家を出る。帰りは新名神まわりを使うことが多いが東名阪が大規模なリフレッシュ工事をしているため関と四日市間で渋滞が発生していたので西名阪から木津まわりで帰った。30分ほど余分にかかるが気分的にはリラックスできる。昨夜の『らぬきの殺意』について考えた。
以前見た脚色されたものは「正しい日本語」をものすごい勢いで浸食しつつある‟ら抜き言葉”や標準語と方言にスポットを絞った仕立てられていたが、原作はもっと広く、深く、言葉について掘り下げていた。中でも男言葉・女言葉のことについては考えさせられた。
平田オリザさんが「わからないことから」の中で、日本では『対話』の言葉が作られてこなかった。という認識が大切でその確立が課題であるということを書かれていることともリンクした。
平田さんは『対話』の言葉が作られてこなかったために近代日本語に「対等な関係における褒め言葉」が極めて少ない。ということに続けて女性からの指示語が定着していない。と指摘する。
・・・たとえば、いまは女性の上司ー男性の部下という関係は珍しくなくなったが、女性の上司が男性の部下に命令するきちんとした日本語というのは、いまだ定着していない。
女性が管理職に就くと、その地位に慣れるまで、昔ならば「男勝り」と言われたような周囲がきつく感じてしまう言葉遣いか、あるいは過度に丁寧な言葉遣いになってしまう傾向がある。
このあたりのことを実に巧みに劇の中に取り入れているのである。見ている時は涙が出るくらい笑わせてくれるのだが、後になって考えると笑えない深刻な問題が提起されていると気づく。1997年につくられたものであるが、10数年経た今でもまだ課題のままである。
特典映像として収録されている永井愛さんへのインタビューもなかなか味わい深い内容であった。井上ひさしさんとは少し違う切り口で言葉というものを料理してくれる。大阪方面の公演が少ないのが残念なこと。
以前見た脚色されたものは「正しい日本語」をものすごい勢いで浸食しつつある‟ら抜き言葉”や標準語と方言にスポットを絞った仕立てられていたが、原作はもっと広く、深く、言葉について掘り下げていた。中でも男言葉・女言葉のことについては考えさせられた。
平田オリザさんが「わからないことから」の中で、日本では『対話』の言葉が作られてこなかった。という認識が大切でその確立が課題であるということを書かれていることともリンクした。
平田さんは『対話』の言葉が作られてこなかったために近代日本語に「対等な関係における褒め言葉」が極めて少ない。ということに続けて女性からの指示語が定着していない。と指摘する。
・・・たとえば、いまは女性の上司ー男性の部下という関係は珍しくなくなったが、女性の上司が男性の部下に命令するきちんとした日本語というのは、いまだ定着していない。
女性が管理職に就くと、その地位に慣れるまで、昔ならば「男勝り」と言われたような周囲がきつく感じてしまう言葉遣いか、あるいは過度に丁寧な言葉遣いになってしまう傾向がある。
このあたりのことを実に巧みに劇の中に取り入れているのである。見ている時は涙が出るくらい笑わせてくれるのだが、後になって考えると笑えない深刻な問題が提起されていると気づく。1997年につくられたものであるが、10数年経た今でもまだ課題のままである。
特典映像として収録されている永井愛さんへのインタビューもなかなか味わい深い内容であった。井上ひさしさんとは少し違う切り口で言葉というものを料理してくれる。大阪方面の公演が少ないのが残念なこと。