天気の回復も今日一日だけという予報だったので、午前中に以前からマークしていた道の下調べという感じで行くことにした。
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家から奈良方面に自転車で行きたいとかなり前から思っていた。生駒山系を越えなければならないので簡単ではない。車であれば清滝か磐船街道だが、自転車では交通量が多い上、道幅も余裕がないのでかなり危険である。自分がドライバーであれば、自転車の通行に対しては腹立たしく感じるので使いたくない。地図を見ていて興味を持ったのが、“かいがけの道”の隣にあるピンクの道である。
地図で一番わかりにくいのが道の高低の状態。等高線で大まかな予想はできるが、やはり現地を体験しないとダメである。河内森の駅から森南の住宅を抜けていくのだが、500mほどだらだら続く坂道を上っていくと人家がなくなり、別世界になる。
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人の気配の全然ない、山の中の道(車1台通るのがやっとである)をひたすら上るのである。思っていたより厳しく、何度も自転車を降りて息を整えないといけなかった。岩山を切り取ってつくられた道を抜けると、元気な若者の声が聞こえてきた。“かいがけ(峡崖)の道”を歩いて来た人たちである。舗装路とかいがけの道の交差するところに“傍示の里”の集落がある。水田と数軒の民家があるだけである。
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室町時代に伊丹城主であった伊丹氏が、織田信長傘下の荒木村重との戦に敗れてこの地に落ち延び、谷間を拓いて水田とし永住したとされている。
この集落の中に、八葉蓮華寺がある。ここに少ない檀家で守ってきた本尊の阿弥陀如来像がある。1983年の文化財調査の結果、鎌倉時代の仏師快慶の作と鑑定された。
家を出てから45分で到着できた。この先はもう一つ峠越えがあるみたいなので、とりあえず今日はここまでにして帰ることにした。30分近くかけて上ってきた道だが、帰りは5分で一気に下った。歩きと自転車の違いはここだろうと思う。
明日は、ミシガンの乗船券が当たったので、琵琶湖ホテルに1泊することにしている。台風の進路と影響を心配しているが、出たとこ勝負と開き直っている面もある。「よりにもよって」である。