適当邦訳書評コレクション

相変わらず会社のリサイクル本棚から
通勤文庫を頂戴しているのですが。

邦訳ものを大量に寄付してくれた先輩がいるようで
立て続けに読みました。

海外の作家事情とか評判とかまったく知らず、
予備知識無しで読んだので
本当に個人的な感想と評価ですが
備忘録も兼ねて書いてみようかと。

★当たり★
トム・ロブ・スミス「チャイルド44」
ジェフリー・アーチャー「誇りと復讐」

この二作は本当に良かった！
誰かに薦めたくなる！
特にアーチャーは、私、なんで今まで読んでなかったの！
というくらい良いです好きです読んでスカッとします。
「チャイルド44」も、これがデビュー作だなんて、
恐ろしい子！という出来ですよ。
あとソ連、怖いよ寒いよ。
感想を書くと長くなりそうなので、おススメ！とだけ。

☆次点☆
ジェフリー・ディーヴァー「獣たちの庭園」

リンカーン・ライムシリーズの作者の歴史サスペンス。
ライムシリーズは「石の猿」と「ウォッチメイカー」を
読んだだけですが、総じて「そこそこ良い」という評価。
ですが、単発モノのこれは良かったです。
ナチスが台頭し始めたドイツのぴりぴりした緊張感。怖い。
ちなみに他の単発「眠れぬイヴのために」は全然ダメです。
訳も良くない。

デイヴィッド・ハンドラー「ブルー・ブラッド」

作者のメインシリーズではないらしいけど
（評判もサブと言った感じらしいけど）
おもしろかったです。
アメリカの現代風俗がたくさん出てくるので、
渡米経験のない私にはぴんと来ないことが多かったけれど、
それでも結構たのしめました。ミッチの人柄か。

・ふつう・
リー・チャイルド「前夜」

この主人公もシリーズものらしいので
他作品も読んでみたいなと思いますが、
これだけ読むと、ちょっと、この人が主人公で大丈夫かな、と。
性格とか背景とか全体のストーリーとか、おもしろのだけど、
「謎」の部分がおそろしいくらい単純で、
ふつーに考えたらわかるよ！なんでわかんないんだよ！というレベルなので
大丈夫？と。
いや、でも早計かも。他も読んでみよう、とは思う。

ジャン・パーク「汚れた翼」

これ、最初の章は要るの？プロット間違ってませんか？

×ハズレ×
アリスン・ブレナン「ザ・プレイ」

三部作の一作目らしいですが、無茶言うな！という感想です。
一冊読み切るのも苦痛だよ！と。
でも一応、読了した。太字がうざい。

グレッグ・アイルズ「血の記憶」

読み切ることすらできなかったよ！

シムズ「残虐なる月」

うーん、ハズレというほどでもないかもしれないけど、
うーん、うーん…。



はい、以上です。

ホントに予備知識無しで読み散らかして書き散らかしたので、
アイルズとかブレナンが、
本屋で平積みになっているような作家だったらどうしようぶるぶる。

犀川先生にもやっとした話し（古い）

はじめて森博嗣の本を読んだのは
高校1年くらいだったと思います。
兄が買った「すべてがFになる」を読んだのでした。

そのころすでに、自分の得意科目が数学と物理（のみ）であり
必然的に進路は理系だと自覚していたのですが
「すべてがFになる」を読んで、
理系の大学ってややこしいことばっかり考えて
大変そうなんだなあ…と感じたことを覚えています。

それはさておき。
私の中のイメージとして
犀川先生は、おっさんでした。

女子高生（当時の私ですよ）にとっては、
研究室を持っている助教授なんて想像のはるか彼方。
自分たちとは最もかけはなれた存在。
おっさん、です。

火曜サスペンスでよれよれのコート着てる
おっさん刑事みたいのを想像していました。
ちなみに私の脳内犀川先生にもっとも近いビジュアルは
小田扉のマンガ（名作！）「マル被警察24時」の赤山。
（わかる人、いますかね）

ともかくそういう第一印象だったので、
以来、犀川先生は一貫しておっさんのイメージで読んでいましたよ。

で、だ。

数年前にドラマ化されたらしいではないですか。
今さらな話題なのは重々承知ですが。
そのころに、本屋で、実写版のカバーを観たのです。
ついでにポスターも観たのです。

犀川先生、おっさんじゃなくね？
ていうかポスター、明らかに恋愛要素が入ってね？
え？そうなの？
そういうお話しだったの？！

私、シリーズ全部読んでいたはずなのに、
恋愛要素があったことに全然気づきませんでした！！！

確かに、萌絵のアプローチがちょこちょこありましたけど、
それって若気の至りというか、ファザコンの延長というか、
ストーリーのオマケかな、と思って完全無視してました。

だって、赤山（マル秘警察24時ね）ですよ！

って思ってましたから！

まさか犀川先生のビジュアルに綾野剛の可能性があるなんて
これっぽっちも想定していませんでしたから！！

ちなみに一作目での先生は32歳だそうです。

高校1年生にとってはおっさんですが、
今の私にとっては若者といって過言ではない年齢でした…。

でもやっぱり納得いかない。

犀川先生と萌絵に恋愛要素は無いんじゃなかろうか。

というか、そこじゃないな。

犀川先生のビジュアル、綾野剛ではないんじゃなかろうか。

これだ。
私の本屋で受けた衝撃と、その後のもやもやの正体。
犀川先生は、やっぱり、赤山です。