思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2015年12月 ③ 他2冊

2022-02-21 17:00:56 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年12月 ③>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『獣たちの庭園』ジェフリー・ディーヴァー
<リンカーン・ライム>シリーズの作者が書いた歴史サスペンス。
ナチスが台頭し始めた1936年のドイツ。
ライムシリーズはそんなに評価してないけど、これは面白い。
訳文もいい。
ポール・シューマンがかっこいい。
こういうタフで職人気質な主人公の物語は、
バッドエンド/グッドエンドどちらも良い感じになるから、
そういう意味でオチが読めなくて、さらにおもしろかった。
遠く離れたアメリカでお金を確保してくれたゴードンは
いい上司である。うらやましい。
ヴィリ・コールとその家族が無事出国できるといいな。
本当に、戦争こわい。


(ナチスが台頭しているドイツ。
 しかもベルリンオリンピックが舞台。
 で、ナチス高官を暗殺するためにアメリカから送り込まれた
 殺し屋が主人公です。
 そりゃハラハラしっぱなしだわ!という設定で、
 おまけにディーヴァーなんだから期待通りハラハラしっぱなしです。
 週刊文春ミステリーベスト10、 このミステリーがすごい!
 どちらも第5位に入った作品(2005))



『大盗禅師』司馬遼太郎
大阪落城から三十年後、
徳川家の転覆を目指す軍学師・由比正雪と
明帝国の復興を目指す鄭成功。
この二人の企てを、浪人・浦安仙八を中心に据えて描いた幻想小説。
本人が全集に入れることを拒否し、長らく刊行されていなかったらしい。
主人公の仙八がまた、茫洋とした人なんだけど、
中国にいる間だけ生き生きと活躍している。
そして大盗禅師はあまり出てこない。活躍もしない。
なんか、変な小説だなあと思いつつ、意外と面白く読めた。
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【読書メモ】2015年12月 ② 『有頂天家族』2回目

2022-02-14 09:47:06 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年12月 ②>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『有頂天家族』森見登美彦
2009年3月に図書館で借りて初読。
好きすぎるので、文庫を買い置きしておいた。
仕事で青葉台まで行くので電車内読書で、再読。
好きすぎてつらい。ふはふは!毛玉!
続編がハードカバーで出ているらしい。
でもぶ厚いらしい。重いのか…。
でも買おうかな…。

(初読はここですね。
 何かと図書館を使う私ですが、
 森見作品は結局、全作購入しています。
 というか頭ポンコツだから、うっかり2冊買っちゃったりしてる。
 後悔はない。
 ちなみに続編は『2代目の帰朝
 3作目、まだかなあ。

 余談ですが、友人の実家が哲学の道のすぐそばらしいのです。
 試しに『太陽の塔』の下宿近辺の描写をメールで送ったら
 「私の小学校時代の通学路だよ」と。
 なにそれ超うらやましい!!!実家、遊びにいかせて!!!
 大変、興奮いたしました)
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【読書メモ】2015年12月 ① クライシスノベル?

2022-02-09 16:59:26 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年12月 ①>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。

『M8(エムエイト)』高嶋哲夫
東京直下型大地震がテーマの小説。
クライシスノベルというらしい。
当然というべきか、東日本大震災を思い出すけれど、
この小説の初版は2004年だ。すごいな。
2011年の大震災のとき、私は都内のオフィスビルにいたし
危機感も漠然としていたのだけれど、
こういう本を読むと改めて怖いと思う。
前半の瀬戸口くんがシミュレーション予測を信じてもらえない!
というパートはすこし冗長なのだけど、
地震の後のいろんな人の視点から被災シーンを切り取る後半戦は
ぐいぐい読める。そして怖い。

(これは東日本大震災前に書かれた小説なのですが、
 95年の淡路大震災を経験した3人が主人公のお話し。
 作者も神戸に住んでいたことがあるようです。
 市井に生きるひとりの人間の、震災からの学びがすごくリアル。
 そして学閥やら政治家やらの腰の重さもリアル笑

 それはさておき、
 「クライシスノベルというらしい」って、
 誰に聞いたんでしょうね、当時の私は。
 あまり調べても出てこないし、定義も曖昧っぽいのだけれど
 ”『日本沈没』を思い出す小説”といえば当たらずとも遠からずか。
 とはいえ最近だとパンデミック系の小説を指すのかも。
 
 と考えると、この作者の『首都感染』(2010)も
 いわゆるクライシスノベルなのか。
 現在のコロナ禍を連想させる作品らしいので、読んでみようかな)
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【読書メモ】2015年11月 ④ 陰陽師

2022-01-31 15:12:18 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年11月 ④>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。

『陰陽師 飛天ノ巻』夢枕獏
シリーズ二冊目だが、一話完結の短編集なので問題無し。
ずいぶん昔に岡野玲子のマンガを読んだことがあったが、
こんなにマンガと原作のイメージが近いってのも珍しい。
博雅のキャラが特にいい。
「好い漢(おとこ)」なのである。
安倍晴明との会話ものんびりしててすごくいい。
「のもう」「のむか」「うむ」「うむ」みたいな。
というかいつも酒(ささ)のんでるな。
いいなあ平安貴族。
読みながら『家守奇譚』を思い出したけれど、
毎回、庭の植物のことに言及しているからかな。
シリーズが結構出ているみたいなので、通して読んでみようかと。
ちなみに漫画家の岡野玲子の夫は手塚眞。メモ。


(夢枕獏の<陰陽師>シリーズ、この時まで読んだことなかったんですよね。
 自分で自分に、意外だわあ、と言いたい。
 学生時代に岡野玲子さんが漫画化した『陰陽師』を何冊が読んでいて
 すごい好きだったんですよ。原作読まなくちゃって思ったんですよ。
 でも、すぐ忘れる笑
 10年以上を経て、ようやく読んだね!私!

 と言いつつ、一話完結、且つ、図書館に結構ある、という
 「いつでも読める感」に油断してしまい
 ぜんぜん読み進めてない…。
 現在、文庫で17巻まであるそうです。
 そろそろ本腰入れて、読もう。

 でも、読み切っちゃうの勿体ないってのもある。
 難しいな…)
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【読書メモ】2015年11月 ③ 『ZOKU』森博嗣

2021-12-16 18:42:10 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年11月 ③>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『ZOKU』森博嗣
すごく久しぶりの森博嗣(2010年のスカイクロラ以来だった)。
文学的教養がある文章の上手い作家が
本気でふざけた物語を書いている可笑しみがある。
京極の「どすこい」とか奥泉の「クワコー」みたいな
(後者はいまいち好きじゃないけど)。
私は、ののちゃんよりロミ品川だな。
だいぶ年増扱いされてたけど。

(ヘンテコな悪の組織「ZOKU」と、
 ヘナチョコな正義の組織「TAI」の闘いを描く
 連作短編集です。
 なんだそれ笑

 『スカイクロラ』から間をおかずに『ZOKU』を読んだとしたら
 高低差で耳がキーンってやつになりますね。

 「ZOKU」は”犯罪未満の壮大な悪戯を目的とする”非営利団体。
 非営利なのかよ笑

 京極氏や奥泉氏の「書いてる自分が楽しい」系作品も連想するけれど、
 何よりも、吉田戦車『サマータンク』が思い出されるな。
 「暑いの嫌いだからすべての季節を冬にしたい」悪の組織みたいな笑
 『ちくちくウニウニ』では甘党の悪党が海に砂糖入れてましたよね。
 悪の組織って、意外と地味なことやってるし、
 やることが「金持ちの道楽」っぽいんだよなあいいなあうらやましいです!!
 私も不労所得でZOKUみたいな組織のボスになりたいです!!)
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