中島京子のデビュー作。
新人にしては文章がめちゃくちゃうまいな!という感想です。
タイトルや裏表紙の概要からもわかりますが、
田山花袋の『蒲団』がベースにあるお話。
と言いつつ、私はぜんぜん気づかなかった。
裏表紙の「花袋研究家デイブ…」という記述も
「はなぶくろけんきゅうか?
なんか、縮緬とか紬とか、伝統工芸系の何かかな?」
とかふんわり考えてスルー。
タイトル「ふとん」と読みつつ、まったくもって「かたい」と読まない私。
頑固なくらい融通効かない脳みそで、
なんでですかね、ちょっと誇らしいくらいです。
で、内容ですが、おもしろいです。
物語の中心人物デイブと20歳以上年下のエミ、
タツゾウおじいちゃんの40歳前後の頃とツタ子、
『蒲団』の竹中時雄と芳子。
いろんな「中年の恋」が重なっていておもしろい。
教科書でも見かける『蒲団』は、私もデイブの元妻と同じく
きもいおっさんが蒲団の匂いを嗅ぐ話、
としか認識しておらず(あながち間違ってもいないようだけど)、
未読なんだけど、デイブが「キュートじゃないか」と言って
友人を呆れさせるシーンが特におもしろかったです。
読んでみようかな!って思えました。
ですが、一方で、うーん、やっぱりデビュー作という感じもある。
ちょっと気負ってるというか、探ってるというか。
小説内小説『蒲団の打ち直し』が、ちょっと内容の割に
量が多くて徐に配されていて、気が散るというか。
いや、でも、私が敬愛する現在の中島京子さんの
デビュー作と考えると、
「さすがです!」と言いたい。
ほんと、中島京子さんの良さがピンと来なかった
10年前の私をぶん殴りたい。
でもまあ、生きてるうちに気付けてよかった。
まだ読めるからね!
新人にしては文章がめちゃくちゃうまいな!という感想です。
タイトルや裏表紙の概要からもわかりますが、
田山花袋の『蒲団』がベースにあるお話。
と言いつつ、私はぜんぜん気づかなかった。
裏表紙の「花袋研究家デイブ…」という記述も
「はなぶくろけんきゅうか?
なんか、縮緬とか紬とか、伝統工芸系の何かかな?」
とかふんわり考えてスルー。
タイトル「ふとん」と読みつつ、まったくもって「かたい」と読まない私。
頑固なくらい融通効かない脳みそで、
なんでですかね、ちょっと誇らしいくらいです。
で、内容ですが、おもしろいです。
物語の中心人物デイブと20歳以上年下のエミ、
タツゾウおじいちゃんの40歳前後の頃とツタ子、
『蒲団』の竹中時雄と芳子。
いろんな「中年の恋」が重なっていておもしろい。
教科書でも見かける『蒲団』は、私もデイブの元妻と同じく
きもいおっさんが蒲団の匂いを嗅ぐ話、
としか認識しておらず(あながち間違ってもいないようだけど)、
未読なんだけど、デイブが「キュートじゃないか」と言って
友人を呆れさせるシーンが特におもしろかったです。
読んでみようかな!って思えました。
ですが、一方で、うーん、やっぱりデビュー作という感じもある。
ちょっと気負ってるというか、探ってるというか。
小説内小説『蒲団の打ち直し』が、ちょっと内容の割に
量が多くて徐に配されていて、気が散るというか。
いや、でも、私が敬愛する現在の中島京子さんの
デビュー作と考えると、
「さすがです!」と言いたい。
ほんと、中島京子さんの良さがピンと来なかった
10年前の私をぶん殴りたい。
でもまあ、生きてるうちに気付けてよかった。
まだ読めるからね!