算術が得意で頭でっかちな若き尾張藩士、榊原小四郎が主人公。
江戸藩邸で育ったものの、亡父の悪友トリオ「三べえ」の不始末に
巻き込まれて、「御松茸同心」として尾張の山奥に左遷されます。
たったの19歳で。
小四郎は才気煥発なものの、何かと上役や周囲の人間をバカにして
人間関係を築けないような未熟な性格です。
舞台となる尾張藩は、財政難が続くし、藩士の士気は低いし、
特産品のはずの松茸は不作つづきで
役所が堂々と産地偽装をしているし、という有り様。
というわけで、青臭い若者の成長物語です。
お勉強ばかりやっていた小四郎が、
山の生活に触れて、理屈では説明できない松茸の生態や
自然との共生生活を経て成長していく過程は、
共感しちゃったり、温かく見守りたくなったり。
時代設定がまったく違うけど、瀬尾まいこの『天国はまだ遠く』や
三浦しをんの『神去なあなあ日常』を思い出しました。
まあ、とはいえ、私が読み始めに予想した「劇的成長!」や
「劇的サクセス!」は、この小説にはないんですよね。
松茸の栽培って現代でもできてないみたいで、
とても難しいようですが、
小説内でも山の手入れをこつこつ10年続けて、
ゆるやかに収穫量が上向きになった、みたいな。
ふんわりした感じ。
尾張藩の財政も、小四郎の立場も、同様で、
なんとなく一歩を踏み出したかな?どうかな?という。
それが地続きな物語ということなのかもしれません。
ベースの文章や登場人物のやりとりが軽快でサクサク進むので、
気楽に読めるのは良いと思います。
個人的には、もうちょっと、ドラマチックな展開があっても
良かったかなあと思いました。
江戸藩邸で育ったものの、亡父の悪友トリオ「三べえ」の不始末に
巻き込まれて、「御松茸同心」として尾張の山奥に左遷されます。
たったの19歳で。
小四郎は才気煥発なものの、何かと上役や周囲の人間をバカにして
人間関係を築けないような未熟な性格です。
舞台となる尾張藩は、財政難が続くし、藩士の士気は低いし、
特産品のはずの松茸は不作つづきで
役所が堂々と産地偽装をしているし、という有り様。
というわけで、青臭い若者の成長物語です。
お勉強ばかりやっていた小四郎が、
山の生活に触れて、理屈では説明できない松茸の生態や
自然との共生生活を経て成長していく過程は、
共感しちゃったり、温かく見守りたくなったり。
時代設定がまったく違うけど、瀬尾まいこの『天国はまだ遠く』や
三浦しをんの『神去なあなあ日常』を思い出しました。
まあ、とはいえ、私が読み始めに予想した「劇的成長!」や
「劇的サクセス!」は、この小説にはないんですよね。
松茸の栽培って現代でもできてないみたいで、
とても難しいようですが、
小説内でも山の手入れをこつこつ10年続けて、
ゆるやかに収穫量が上向きになった、みたいな。
ふんわりした感じ。
尾張藩の財政も、小四郎の立場も、同様で、
なんとなく一歩を踏み出したかな?どうかな?という。
それが地続きな物語ということなのかもしれません。
ベースの文章や登場人物のやりとりが軽快でサクサク進むので、
気楽に読めるのは良いと思います。
個人的には、もうちょっと、ドラマチックな展開があっても
良かったかなあと思いました。