『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』
高野秀行×清水克行
『世界の辺境とハードボイルド室町時代』で
意気投合しまくったお二人の第二弾。
ただ対談するだけだと二匹目のドジョウにしかならぬ
ってことで、お互いのオススメ本をテーマにした
読書リレーゼミみたいな形式に。
なんでハードル上げていくのか笑
その姿勢が好きだけれども。
全8回の対談を3ヶ月ごとのペースで開催したそうです。
イブン・バットゥータ(全8巻)とか、
3ヶ月で読み込んで来いと言われても無理でしょ。
いやもう、ドMだよねえ笑
以下、読書メモ
『ゾミア 脱国家の世界史』
ゾミアは民族ではなく、エリアの呼称。
歴史的に政府に属さない(もしくは支配が難しい)山塊を指す
地理学用語。
ゾミアは、高野さん曰く「アジアの納豆地域」と重なっているそう。
納豆本、まだ読んでないわ。読まねば。
『世界史のなかの戦国日本』
中国銭は平地より山間部の方が普及が早かったそうです。
直感を裏切る良い事実。
山間部では共通交換ツールである「コメ」がなかったからとか。
銭の普及については網野先生の本にもあったけれど
現代の常識から考えると謎の動きをしていておもしろい。
また、非日常的なものほど、流通範囲が伸びるという話しも。
(ラッコの毛皮みたいな珍品は交易距離が長い)
(貨幣の役割も担うコメは消費されちゃうので短い)
この本、おもしろそうだな。読もう。
『大旅行記』
イブン・バットゥータによる30年の見聞記。
全8巻!!
こんな機会でもなければ通読しなかったと
高野さんも清水先生もポジティブに取り組んでいて
ほんと偉いなと思います笑
イブン・バットゥータの出身はマリーン朝(現モロッコ)。
14世紀のインド・トゥグルク朝にも8年滞在。
トゥグルク朝2代目のスルタン・ムハンマドに仕えた。
あれ?
この人、コテンラジオのインド史で言及されていた
「銅でつくった貨幣を「銀貨」って言おう!」
「地図を格子状に割って農地にしたら税金増える!」
「豊かな土地は税金20倍にしたろ!」
とか言ってた“どうかしてるぜ”王じゃないか。
イブン・バットゥータのインド出国経緯も
「あいつやべえ」みたいな感じだ笑
『将門記』
日本で最初に書かれた軍記物。平家物語よりも太平記よりも。
平将門は939年に関東を平定して「新皇」を名乗った人。
そして日本で始めて獄門晒し首になった人。
いろんな日本初をやらかしておる。
『ギケイキ』
これは町田康による小説。『義経記』の現代版。
『ピダハン』
ピダハンは数の概念がない。時間感覚も持たない。
「直接体験の法則」で自分が経験したことしか話さないので
儀式・口承が成り立たない。
そんなピダハンの集落に行った伝道師件言語学者が
信仰を捨てる話し笑
あと、小ネタで
「懈怠」は今日やることを明日やる
「懶惰」は明日やることを今日やる、
という怠け方だそうです。おもしろ〜。
ブリコラージュ(器用仕事)はレヴィ・ストロースがよく言うやつ。
有り合わせのもので適当に道具をつくること。
『列島創世記』
『日本語スタンダードの歴史』
鎌倉以前は地方ごとの連なりが緩かったので言語風俗に「訛り」がきつい。
室町時代に流通が発達したことで、「スタンダード」ができるという話し。
時代はもうちょい後ですが、
伊達政宗は濁点がみっつだったそうです。
「だ」を書く際に、「た」に点をみっつつけるってこと。
で、朝鮮出兵で日本各国の武将と交わり、
「濁点ってふたつなのがスタンダードかも?!」
と気づいちゃったそうです。
以降、伊達政宗も「だ」が点ふたつになったとか。
なんか勿体無いな。
と言う感じでめちゃくちゃ情報量が多くて
お得な一冊。
これ、続けてくださらないものか。大変そうだけど。
ちなみにですが、この対談って
「ゆる言語学ラジオ」の水野さんの「ゾミア」「ピダハン」語りの
種本だよねどこをどう見ても(そして初出の時期を見ても)。
他人が隠していた(わけではないかもしれないが)ネタ帳を
読んでしまったような気恥ずかしさがあった笑
高野秀行×清水克行
『世界の辺境とハードボイルド室町時代』で
意気投合しまくったお二人の第二弾。
ただ対談するだけだと二匹目のドジョウにしかならぬ
ってことで、お互いのオススメ本をテーマにした
読書リレーゼミみたいな形式に。
なんでハードル上げていくのか笑
その姿勢が好きだけれども。
全8回の対談を3ヶ月ごとのペースで開催したそうです。
イブン・バットゥータ(全8巻)とか、
3ヶ月で読み込んで来いと言われても無理でしょ。
いやもう、ドMだよねえ笑
以下、読書メモ
『ゾミア 脱国家の世界史』
ゾミアは民族ではなく、エリアの呼称。
歴史的に政府に属さない(もしくは支配が難しい)山塊を指す
地理学用語。
ゾミアは、高野さん曰く「アジアの納豆地域」と重なっているそう。
納豆本、まだ読んでないわ。読まねば。
『世界史のなかの戦国日本』
中国銭は平地より山間部の方が普及が早かったそうです。
直感を裏切る良い事実。
山間部では共通交換ツールである「コメ」がなかったからとか。
銭の普及については網野先生の本にもあったけれど
現代の常識から考えると謎の動きをしていておもしろい。
また、非日常的なものほど、流通範囲が伸びるという話しも。
(ラッコの毛皮みたいな珍品は交易距離が長い)
(貨幣の役割も担うコメは消費されちゃうので短い)
この本、おもしろそうだな。読もう。
『大旅行記』
イブン・バットゥータによる30年の見聞記。
全8巻!!
こんな機会でもなければ通読しなかったと
高野さんも清水先生もポジティブに取り組んでいて
ほんと偉いなと思います笑
イブン・バットゥータの出身はマリーン朝(現モロッコ)。
14世紀のインド・トゥグルク朝にも8年滞在。
トゥグルク朝2代目のスルタン・ムハンマドに仕えた。
あれ?
この人、コテンラジオのインド史で言及されていた
「銅でつくった貨幣を「銀貨」って言おう!」
「地図を格子状に割って農地にしたら税金増える!」
「豊かな土地は税金20倍にしたろ!」
とか言ってた“どうかしてるぜ”王じゃないか。
イブン・バットゥータのインド出国経緯も
「あいつやべえ」みたいな感じだ笑
『将門記』
日本で最初に書かれた軍記物。平家物語よりも太平記よりも。
平将門は939年に関東を平定して「新皇」を名乗った人。
そして日本で始めて獄門晒し首になった人。
いろんな日本初をやらかしておる。
『ギケイキ』
これは町田康による小説。『義経記』の現代版。
『ピダハン』
ピダハンは数の概念がない。時間感覚も持たない。
「直接体験の法則」で自分が経験したことしか話さないので
儀式・口承が成り立たない。
そんなピダハンの集落に行った伝道師件言語学者が
信仰を捨てる話し笑
あと、小ネタで
「懈怠」は今日やることを明日やる
「懶惰」は明日やることを今日やる、
という怠け方だそうです。おもしろ〜。
ブリコラージュ(器用仕事)はレヴィ・ストロースがよく言うやつ。
有り合わせのもので適当に道具をつくること。
『列島創世記』
『日本語スタンダードの歴史』
鎌倉以前は地方ごとの連なりが緩かったので言語風俗に「訛り」がきつい。
室町時代に流通が発達したことで、「スタンダード」ができるという話し。
時代はもうちょい後ですが、
伊達政宗は濁点がみっつだったそうです。
「だ」を書く際に、「た」に点をみっつつけるってこと。
で、朝鮮出兵で日本各国の武将と交わり、
「濁点ってふたつなのがスタンダードかも?!」
と気づいちゃったそうです。
以降、伊達政宗も「だ」が点ふたつになったとか。
なんか勿体無いな。
と言う感じでめちゃくちゃ情報量が多くて
お得な一冊。
これ、続けてくださらないものか。大変そうだけど。
ちなみにですが、この対談って
「ゆる言語学ラジオ」の水野さんの「ゾミア」「ピダハン」語りの
種本だよねどこをどう見ても(そして初出の時期を見ても)。
他人が隠していた(わけではないかもしれないが)ネタ帳を
読んでしまったような気恥ずかしさがあった笑