幸せの深呼吸

幸せは自分の中にある。
幸せは自分が決める。

新型コロナの後遺症報告が相次ぐ!長期の発熱症状や不眠症、脱毛増加、腎不全、体の痛みなど 日本国内でも

2020-08-13 | 医療、健康

https://news.yahoo.co.jp/articles/f446be4df2a04ee212d30a9a1253935658495a42

 いまなお感染が拡大し続けている新型コロナウイルス。感染すると2割が重症、8割が軽症と言われているが、その一方で後遺症に悩まされるケースも多い。

 海外では新たな知見が続々と報告されている。英マンチェスター大学の聴覚学の専門家は8月2日までに、新型コロナウイルス感染症の後遺症として、聴力の悪化や耳鳴りが長期間続くことがあるという研究結果を公表した。

 退院から8週間経過した121人を調査したところ、8人が聴力の悪化、別の8人が耳鳴りの発生を認めたという。専門家は新型コロナが聴覚系システムの一部に問題を起こす可能性があると分析する。

 そのほかの欧米の研究では、退院後に頭がもやもやする「ブレイン・フォグ」やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病、不眠症、腎不全、気分障害、認知機能の低下などがみられた。

 そうした後遺症は数年先か、場合によっては一生続く可能性がある。また退院後は、医療費が自己負担になるというネックもある。

 パンデミックから続々と後遺症が報告されているだけに、今後も新たな症例が報告されるかもしれない。しかも、後遺症は、どのタイミングで爆発するかわからない“時限爆弾”のようなもの。現時点では、重症化の減った新型コロナ自体より大きなリスクかもしれない。

 なぜ新型コロナはさまざまな後遺症を生み出すのか。

 国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが指摘する。

「新型コロナウイルスには、血管の細胞を破壊する特徴があります。そのため多くの内臓や器官に栄養や酸素が行き届かなくなり、さまざまな合併症が起こります。また傷ついた血管を修復する過程でできた血栓や塞栓によって血管が詰まると、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします」

 4月上旬、新型コロナに感染した米国人ブロードウェイ俳優の右足に血栓ができて、右足切断を余儀なくされた。しかし、体調はよくならず筋萎縮によって寝たきり生活を続け、95日間の闘病もあえなく、7月にこの世を去った。

 漢方内科と耳鼻科感染症が専門で、新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんが推測するのは、免疫システムが過剰反応する「サイトカインストーム(免疫暴走)」の影響だ。

「感染すると、体内の免疫システムがウイルスという異物を撃退しようとしますが、その際に正常な細胞にまで障害を与えてしまい、体内のあちこちに不調が生じます。現在、新型コロナは全国的に感染拡大し、サイトカインストームの頻度も高くなると考えられますが、今後は後遺症の長期化が多発する恐れがあります。

 クリニックで感染疑いのある人を診察することもありますが、ほとんどは通常の風邪症状の患者さんです。しかし、確証はありませんが、こういう軽症のかたのなかにも感染者が少数とはいえ紛れていないとも限らず、のちのち後遺症が生じる可能性もあると危惧しています」(陣内さん)

 厚労省は実態解明のため、今月から来年3月まで約2000人を対象に、後遺症の調査を始めるという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff9eaa2114957780bf26ff120c38cc21d167aa1eコロナで重症化しなかった人々、様々な後遺症続き絶望の日々

「退院して2か月ほど経ちますが急に37℃前後の微熱が出たり、頭痛が続く毎日です。とても全快とは言えません」

 そう打ち明けるのは、都内在住の20代女性Aさんだ。

 国の緊急事態宣言が解除された後、新型コロナウイルスの陽性が確認された彼女は、入院中に下痢や頭痛が生じ、味覚や嗅覚も失った。幸い、重症化せず2週間で退院できたが、想像以上に長引いているのが「後遺症」だ。

「味覚は戻ったんですが、逆に過敏症状に悩まされています。塩味や辛味、濃い味に敏感になりました。ようやく社会復帰できたのに、いつまでこの後遺症が続くのかと絶望する毎日です」(Aさん)

 新型コロナ感染の再拡大とともに、Aさんのような人たちが急増している。

◆後遺症の組み合わせは多岐にわたる

 7月に米国の医学誌「JAMA」に掲載されたイタリア・ジェメッリ大学病院などの研究では、退院患者143人を追跡調査した。その結果、回復から平均2か月の段階で、87.4%の患者に後遺症があった。最も多い症状は疲労(53.1%)で、呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)が続き、3つ以上の後遺症が残った回復者が過半数を超えた。

 新型コロナはまず肺炎が心配されるが、調査結果が示すのは単なる呼吸器系の疾患ではなく、全身に影響が出ることだ。実際にその調査では、回復者の4割以上がQOL(生活の質)の低下を訴えた。

 具体的にどのような後遺症に苦しめられるのか──。

 都内在住で千葉の工場に勤務する20代男性Bさんは高熱や空咳が続き、PCR検査を受けると陽性。4月に都内病院に2週間入院した。

「その間に体重が5kg減少しました。退院後は歩くだけでしんどく、ご飯を作ろうとフライパンを持つだけでグッタリした。外出はもちろん洗濯物を干すことが難しくなり、ひとり暮らしが維持できず、近くに住む親に食事の支度を頼んでいました」(Bさん)

 体力には自信があったBさんは、あまりに何もできなくなったのがショックだった。

「体を動かすことが好きでボルダリングが趣味でしたが、退院後は少しでも動くと疲れて座り込んでいました。筋トレができる状態でもなく、マンションの階段を使って体力の回復をめざしたけど、最初はほとんど上れませんでした。退院から4か月ほど経ったいまは、ようやく倦怠感が薄れてきています」(Bさん)

 都内在住で、保険会社勤務の40代女性Cさんも4月に2週間入院。その間、4㎏やせたという。そのCさんがいまも悩まされるのは、「味とにおいの喪失」だ。

「退院から4か月近く経ちますが、まだ味覚と嗅覚が戻りません。食事の味付けが濃くなって塩分を摂りすぎることに注意していますが、本当に味覚と嗅覚が戻るのか、不安でなりません」(Cさん)

 5月に入退院した埼玉県在住の40代主婦Dさんは、退院してから3か月経った現在、あることに悩んでいる。

「急に抜け毛が目立つようになりました。シャワーで髪を洗うと大量の髪の毛が手について、毎回、ギョッとします。海外の記事で新型コロナの後遺症で抜け毛に悩まされる人が急増していることを知って、“自分もそうなのか”と恐ろしくなりました」(Dさん)

 6月中旬に都内病院に3週間入院した40代女性Eさんは、複数の後遺症に悩まされている。

「動悸で朝目覚め、微熱と頭痛は発症時からずっと続いています。脱水症状もなくならず30分に一度は水分補給が必要で、少し食べると胃もたれがひどく胃腸痛や下痢、胃のムカつきが続きます。発症前は1日にワイン1本飲んでいましたが、いまは缶酎ハイ1本でアルコールが回り、手に湿疹が出るようになりました。鼻から抜ける香りが失われたままで、柚子やレモン、わさびの香りがしません。料理関係の仕事なので、後遺症が仕事に支障をきたしています」(Eさん)

 4月に入院したモデルの逢沢しずか(年齢非公表)も7月24日、ツイッターに、

《後遺症かなり落ち着いたけど味覚は未だに完全に戻ってないし消化器官不良、超不眠症で薬飲んでるよ。生理も三ヶ月止まって最近やっときたの》

 と苦しい胸の内を投稿している。

 漢方内科と耳鼻科感染症が専門で、新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんは「後遺症の組み合わせは多岐にわたる」と指摘する。

「微熱、倦怠感、体の痛さ、息苦しさ、食欲不振などさまざまな症状が組み合わさり、4か月半も後遺症と思われる症状が続くケースもあります。症状が重なり、退院しても職場に復帰できず退職する人もいる。若い人では新型コロナは重症化しないからといって、決して軽く見てはいけません」

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6da6b6e50fab26adee99bfcdc7a71123aea0ddeコロナ後遺症 味覚・嗅覚障害のほか物忘れが進行する恐れも

新型コロナは感染力が強いうえ特効薬やワクチンがなく、重症化すると死のリスクが高くなる。

 一方で感染しても重症化せず、無症状や軽症で治るケースも数多く確認されている。感染しても30~50%は症状がないという報告もある。

 そうしたなか、愛知医科大学病院感染症科の三鴨廣繁医師は、「無症状や軽症で済んだ場合でも安心はできません」と指摘する。

「新型コロナは症状が回復してから、様々な後遺症が生じると報告されています。重症から回復した人はもちろんのこと、重症化する前に体内からウイルスが消えた人も油断は禁物です」

 今年7月、米国の医学誌『JAMA』に掲載されたイタリア・パドヴァ大学などの研究では、発症から4週間経過した軽症患者113人のうち、55人(48.7%)は味覚または嗅覚障害が完全に回復したが、46人(40.7%)は症状が改善したものの完全には良くならず、12人(10.6%)は症状が変化しないまたは悪化していた。

味覚障害や嗅覚障害の後遺症は、ウイルスが神経系にダメージを蓄積することで生じると考えられます。最近は、新型コロナが物忘れを進行させるとの指摘があり、高齢の患者は後遺症として認知症が進み、中年層でも認知障害が進行する怖れがあります」(三鴨医師)

https://www.news-postseven.com/archives/20200729_1581268.html?DETAILウィズコロナの日々「後遺症のようなもの」に悩まされる人も

https://www.news-postseven.com/archives/20200613_1569640.html?DETAIL新型コロナの注目すべき後遺症 気分障害、血栓、急性心不全

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ごみの山が“無限のエネルギー源”になる:米国で動き出した水素革命の潜在力

2020-08-13 | 徒然なるままに

https://news.yahoo.co.jp/articles/0bad5ce0d625665cb00282dd4fc47deafd538579

カリフォルニア州イースト・ロサンジェルスの丘にそびえる巨大な“聖塔(ジッグラト)”。1億3,000万トンのごみからなるこの神殿は、米国民の過剰な消費生活を象徴する記念碑のように屹立し、周囲の丘をも圧迫している。

“空飛ぶクルマ”のエネルギーには水素が最適?

ここプエンテヒルズごみ投棄場は、この10年ほど新たなごみを受け入れていない。だが、いまだにごみの量が全米一であることに変わりはない。

さらにこの投棄場からは、毎分30,000立法フィート(約85万リットル)の埋立地ガスが発生している。埋立地ガスは、二酸化炭素とメタンが混ざった有毒なガスで、ごみに含まれる有機物が微生物に食べられて発生する。

プエンテヒルズごみ投棄場では、この温室効果ガスの大部分を地中に張り巡らせたパイプによって回収し、そこからクリーンな電気をつくり出して70,000世帯に供給している。だが、Ways2Hの最高経営責任者(CEO)で創業者のジャン・ルイ・キンドラーに言わせると、この利用法は廃棄物がもつポテンシャルを生かしきれていないという。

ごみから水素を抽出

キンドラーいわく、彼のアイデアが実現されれば、プエンテヒルズのようなごみ投棄場は必要なくなるという。キンドラーは世界中の廃棄物を原料に水素を製造し、安定して無限に供給できる「未来の燃料」として、家庭や飛行機、自動車、空飛ぶクルマなどに利用できるようにしたいと考えているのだ。

「プラスティックや都市廃棄物、医療廃棄物など、廃棄物は大量に手に入ります」とキンドラーは言う。「処理に困るやっかいものですが、そのすべてに水素が含まれているんです」

フランス出身のキンドラーは、長年アジアでクリーンエネルギー技術の開発に取り組んできたが、近年はプエンテヒルズごみ投棄場からクルマで南に1時間ほどのロングビーチを拠点にしている。そこにキンドラーが興したWays2Hの本社があるからだ。

彼は20年ほど前に、日本のジャパンブルーエナジーとのパートナーシップのもと、廃棄物から水素ガスを製造する技術を世界に先駆けて開発した。Ways2Hは、この技術を商業化するための会社だ。

彼が開発した技術を使えば、下水汚泥から古タイヤまで、ほとんどの種類の廃棄物から水素を抽出できる。今年の6月にはあるエンジニアリング企業と提携し、廃棄物から水素ガスを製造する初の民営の処理施設をカリフォルニア中部に建設すると発表した。

廃棄物をエネルギーに

米国の各所にはすでに、廃棄物をエネルギーに転換するガス化施設が存在している。Ways2Hの処理システムは、そのガス化施設に類似しているが、いくつか重要な違いもある。

Ways2Hのシステムでは、まず廃棄物から炭素や水素を含まない物質(ガラスや金属など)を除外し、残りを乾燥させて小片に粉砕する。次に、粉砕した廃棄物を気化室で約540℃に熱し、水素とメタン、二酸化炭素の混合物である合成ガスを発生させる。

次は合成ガスの精製だ。合成ガスを水蒸気と混合し、水素濃度を上昇させる。水蒸気と混合すると、合成ガスは水素と二酸化炭素が半々のガスに変化する。最後にこのガスを、二酸化炭素を吸収する吸収剤で満たした商用のPSAシステム(Pressure Swing Adsorption:圧力スイング吸着)のタンクに入れて二酸化炭素を取り除けば、水素だけが抽出できる仕組みだ。

このシステムのすべてが、およそ7階建ての高さのタワーに収まっている。

「グリーンな水素」を

「ガス化の反応は、石炭や木材チップといった素性が知れている原料を使えば非常にうまくいきます」と、キンドラーは言う。「しかし、原料が都市廃棄物のように複雑で不明なときは、反応が予想しづらく、反応炉の中の温度を制御することも非常に難しくなるのです」

ここに画期的な工夫がある、とキンドラーは言う。Ways2Hでは温度を調整するため、気化室に廃棄物を投入する際にセラミックの小球を加える。これが“熱媒体”の働きをして、反応炉内の温度を一定に保つために役立ち、おかげで投入する廃棄物の種類を気にせずに作業できるという。「炭素と水素を含んでいれば、どんなごみでも利用できます」

Ways2Hの試験施設では、廃棄物1トンあたり100ポンド(およそ45kg)の水素が抽出できる。また、水素を抽出する過程で主な副生成物として二酸化炭素が発生するが、原料となる廃棄物に含まれる二酸化炭素と発生する二酸化炭素の量は等しく、相殺される。このためこのプロセスは、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる)とみなされる。すなわち「グリーンな水素」である。

だがWays2Hは、この問題に真っ向から取り組み、カーボンポジティヴ(二酸化炭素の吸収量のほうが排出量より多い)にすべく、二酸化炭素の回収・貯留システムを施設に導入する予定だとキンドラーは言う。

キンドラーは施設を年内に完成させ、2021年の初めには顧客に対する水素の供給を開始する予定だという。Ways2Hの事業が成功すれば、廃棄物から水素を製造するこの種の施設としては、米国初となる。

水素と硫黄を同時に回収する技術も

だが、この事業を興そうとしているのはもちろんキンドラーだけではない。同じくカリフォルニア州では、SGH2という企業が同様のガス化システムを用いて、廃棄物から超高純度のグリーンな水素を製造する施設を建設中だ。ほかにもフロリダ拠点のスタートアップであるスタンダード・ハイドロジェン(Standard Hydrogen)など、化学反応を使ってクリーンな水素をつくる手法を模索している企業もある。

スタンダード・ハイドロジェンは今年初め、硫化水素から水素を抽出する反応炉の卓上型試作機を初公開した。硫化水素は石油や天然ガスを精製する際に出る極めて毒性の強い副生成物だ。この反応炉は、硫化水素から硫黄を回収する100年前からあるクラウス反応という技術を応用している(回収した硫黄の大半は硫酸をつくるために用いられ、硫酸は染料や爆薬の製造など、幅広い用途に用いられる)。

通常のクラウス反応では反応炉内で水素は酸素と反応して水になり、失われてしまう。だがスタンダード・ハイドロジェンは反応炉内の酸素を排除することで、水素と硫黄、両方の回収を可能にした。

スタンダード・ハイドロジェンは当初、石油の精製によって生じた硫化水素から水素を抽出することを目的としていた。CEOのアラン・ミンツァーによると、この反応炉であれば、硫化水素以外にもたいていの廃棄物から水素を抽出できるという。

手順としては、まず廃棄物に液体の硫黄を混ぜる。すると、廃棄物中の水素と硫黄が反応して硫化水素が発生する。ミンツァーの説明によると、硫黄は炭素やその他の化合物とも反応するが、それらの副生成物は概して毒性がなく、処理も容易だという。

硫化水素が硫黄と水素に分解されたら、水素だけを取り出し、硫黄は再び廃棄物の分解に利用する。「廃棄物を次々に投入し、水素を抽出する。その間を硫黄がぐるぐる回っているんです」と、ミンツァーは言う。

いまのところスタンダード・ハイドロジェンの反応炉は、消火器ほどのサイズの円筒状の試作機しか存在しない。だが、ミンツァーによると、廃棄物の処理や水素の製造のためにこの反応炉に興味をもつ企業が複数あり、現在それらの企業と事業提携を交渉している段階だという。

交渉が順調に進めば、2021年の初頭には初のパイロットプラントが操業を開始する。「この技術はすでに実現可能性を検討する段階でも、化学反応が成功するか確かめる段階でもありません」と、ミンツァーは言う。「これは現実です。実在する技術なんです」

“自由市場”という最大の関門

技術上は問題ないのかもしれない。だが、世界中のごみをクリーンな水素に変えようと競い合っているスタートアップは、このあと最後の関門を越えなければならない。すなわち、自由市場だ。

この数十年間、グリーンな水素を実用的な規模で製造する壁となっていたのは、技術面ではなく、主に経済・政治面だった。21世紀初頭の米国では、水素は海外から輸入する石油への依存度を下げる手段としてもてはやされていた。

ブッシュ政権は、水素を「自由の燃料」と呼んだ。しかし、水圧破砕法(フラッキング)で原油と天然ガスを大量に採掘できるようになった米国のフラッキング革命[編註:これまで採掘できなかったシェール層から抽出が可能になったことで「シェール革命」とも呼ばれる]によって、安価な天然ガスが過剰に供給されるようになり、国内で水素を製造する計画は、開始するチャンスを得る以前に立ち消えてしまった。

「水素を巡るエネルギー安全保障の議論は、もはやあまり意味がありません」と、米国エネルギー省(DOE)のエネルギー効率化・再生可能エネルギー局次官補ダニエル・シモンズは言う。「しかし、水素はさまざまな原料からつくりだせる、非常に融通が利く燃料なのです。その融通性は今日では非常に魅力的です」

コストという切実な問題

現在米国で製造されている水素は、ほぼすべてが天然ガスなどの化石燃料からつくられた、いわゆる「グレーな水素」だ。それ以外は電気分解(水電解)、すなわち水分子を電気によって酸素と水素に分解してつくられる。この水素は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーから得た電力を使えばカーボンニュートラルになりうるが、いまのところはまだコストが高く、グレーな水素の最大5倍かかってしまう。

「コストの削減は切実な問題です」とシモンズは言う。「コストカットを実現する方法のひとつが、非常に規模の大きいプロジェクトです」

今年の初頭、DOEは規模拡大が可能なグリーンな水素の研究開発を目的としたプログラム「H2@Scale」の一環として、6,400万ドル[67億9,000万円]の資金投入を発表した。プログラムのなかでDOEは、水素用貯蔵タンクの製造技術や大型車用燃料電池の開発など、6つの研究分野に焦点を当てて資金提供を公募した。しかし、肝心の水素の製造法については、主として水電解技術の改良に注力されている。

「水電解装置は、すでに配置済みです」とDOEの水素・燃料電池技術局局長スニータ・サチャパルは言う。「水素の製造にかかるコストはほとんどが電気代ですから、コスト削減のためには効率をアップさせる必要もあります」

サチャパルによると、水電解装置の効率は現在のところ約60パーセントだが、DOEはそれを70パーセント以上にする方法を見つけてほしいと要望している。また、グレーな水素や天然ガスに対するコスト競争力を確保するには、水電解装置の寿命を延ばす必要があることから、連続で稼働させたときの平均寿命を、現在の倍の10年ほどに延ばしたいと考えているところだ。

廃棄物の需要が供給を上回る?

DOEは水素製造の規模を拡大させる近道として水電解を重視していようだが、廃棄物から水素をつくる技術など、その他の技術にも投資している。昨年はオレゴン州立大学の研究グループに100万ドルの資金を提供した。このグループは微生物を用いて、食品廃棄物や木材チップなどのバイオマスから水素をつくる反応炉を開発している。

「廃棄物から水素をつくる方法は、原料となる廃棄物の種類と量に左右されることから、地域ごとに独自のものになると考えられます」と、シモンズは言う。「これは水電解とは対照的です。水電解の主な原料は、たいていの場所で入手可能な水ですから。それでも、廃棄物を原料とする方法は、地域の廃棄物を再活用できるという意味では興味深いです」

米国でグリーンな水素の製造量を増やしていくうえで、廃棄物から水素を製造する技術はあまり役に立たないだろうと考える人もいる。非営利のクリーンエネルギー研究機関であるロッキーマウンテン研究所で重量物輸送アナリストを務めるトーマス・コッホ・ブランクは、廃棄物の供給量が主な障壁になるだろうと話す。

コッホは、スウェーデンとノルウェーでは廃棄物から水素を製造するシステムに重点的に投資したが、すぐに廃棄物の需要が供給を上回ってしまい、ごみ不足問題に陥ったと指摘する。この2国は現在は欧州から廃棄物を輸入して利用している。

「この考えが悪いと言っているわけではありません」とコッホは言う。「廃棄物に建設的な再利用法があるのはいいことです。しかし広い視野で見たら、水素の製造を拡大させるうえでどの製造方法が適切かということは、さほど重要だとはわたしには思えないのです」

キンドラーもミンツァーも、廃棄物から水素を製造する技術では、拡大する水素の需要に応えられるとは思っていない。この技術は深刻化する廃棄物処理問題に対処する上では役立つが、それ以外の方法と併用すべきだと、ふたりは考えている。

「米国は切実に水素を必要としています。それと同時に、山積していく廃棄物も処理しなければならないのです」と、キンドラーは言う。「廃棄物から水素を製造すれば、水電解だけでは足りない水素を補うことができます。水素の製造に関しては、さまざまな方法を併用すべきなのです」

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ツイートから8月13日の1 新型コロナ、高齢ほど皮膚症状の出現頻度が高い&千葉で持病ない50代男性が死亡&ロシアのヴォルゴグラードで大規模なガス爆発 他

2020-08-13 | 医療、健康

ロシアのヴォルゴグラードで大規模なガス爆発。世界各地で爆発事故が相次ぐ。


ロシアのワクチンはまだ治験が終わっていない・・・
第3相試験は今日から開始予定。
すさまじいフライングですwww
ロシアのコロナワクチンに疑念 治験未完で発表https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/afpbb/world/afpbb-3298681

日本のように新型コロナの死亡者数が欧州やアメリカ大陸に比べて低く抑えられてる国の最大問題は軽傷者・無症状者の長引く後遺症の問題。肺活量減少、心筋炎、脳梗塞リスクなどをひょっとしたら一生抱えるかもしれない人々を今後コンスタントに生み出すことになる。2・3年で終わる保証はどこにもない。

コロナは風邪、経済回せ、の人たちが「東京の重症は少ない。昨日も2人さらに減った」って言ってましたけど、その2人は亡くなられた2人なので

China reports coronavirus being found on frozen seafood packaging


フランスで患者急増。
感染者数が1日で倍増したと。
解除予定だった集会禁止を延長。
フランスで感染者また急増 「間違った方向に」進んでいると首相」」

そのフランスで反マスク運動
SNSを通じてデモが呼びかけられていると。
屋外でのマスク義務化に反発広がる パリhttps://topics.smt.docomo.ne.jp/article/ntv_news24/world/ntv_news24-698521


NZが同一世帯4人の感染者が判明。
なんとこの時点で、オークランドでのロックダウン実施を発表。
不要不急の外出自粛、レストラン・バーの閉鎖、学校閉鎖、集会禁止。
「go hard, and go early(厳格に、早期に)」戦略だと。


早期発見の機会を失っている例があるはずです。
COVID-19の影響は遅れてやってくるものもありそうです。
パンデミック中の米国、がん診断数がほぼ半減


ビクトリア州は感染者急増で、先週より夜間外出禁止を含む制限強化中。
感染はまだ沈静化せず、1日の死亡者数も過去最高になったと。
豪ビクトリア州、新型コロナの1日当たり死者が過去最高


持病のない50代男性の死亡例の報道。
「高齢でなく持病もなしなら重症化しない」は真実ではないという事かと。
最近の議論を見ていると、この既知の事実が忘れ去られてきているような気がします。
千葉県で19人感染 持病ない50代男性が死亡


 本日の全国の感染数
大阪184人、愛知86人、福岡77人、神奈川66人、沖縄65人
その他、兵庫36人、埼玉35人、千葉34人、京都25人、三重10人、静岡10人、熊本10人
8月12日 新たに確認された感染者数(NHKまとめ)https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/…

感染者の年代層
昨日は60代以上が全体の21.8%(149/682)https://newsdigest.jp/pages/coronavirus/


モノクローナル抗体による感染予防の臨床試験が開始
→NIAIDがスポンサーとなって、米国で2つの試験が行われるようです。
ワクチンが利用可能になるまでのつなぎになりうると。
2つのモノクローナル抗体のカクテルであるREGN-COV-2と、回復期患者から分離したモノクローナル抗体LY-CoV555の2種です。
Clinical trials of monoclonal antibodies to prevent COVID-19 now enrolling
モノクローナル抗体でSARS-CoV-2感染を予防できるかを検討する2つの第3相RCTが米国で行われる。
・モノクローナル抗体投与による短期的な予防効果が証明できれば、ワクチンが利用可能になるまでの間、COVID-19パンデミック対応の重要な武器となりうる。


帯状疱疹に見える症例もあり、COVID-19本来の症状と二次的に起こった病変を見ている可能性もありそうです。
Cutaneous manifestations in hospitalized patients diagnosed as COVID ‐19


・入院患者210例の皮膚所見を検討。52例で罹病期間中に皮膚症状が認められた。
・病変は紅斑性皮疹 (32.7%)、斑状丘疹状皮疹 (23%)、蕁麻疹 (13.5%)、点状出血/紫斑 (7.7%)、壊死 (7.7%)、粘膜疹 (5.8%)、水疱 (5.8%)、凍瘡 (1.9%)、痒疹 (1.9%)に分類された。


・皮膚病変は年齢により頻度が異なり、54-65歳、65-74歳では他の年齢層よりも有意に高頻度だった。性差は見られなかった。
・併存疾患があると、皮膚症状の出現頻度は増加した。
・ICU患者では皮膚症状の頻度が高かった。
----
・高齢ほど皮膚症状の出現頻度が高い傾向あり


・Graphical Abstractを貼り付けます。
 流行株は急速かつほぼ完全にD614G株に置き換わっています。
 D614G株は野生株よりもin vitroでの増殖能が高いと。

D614株とG614株の上気道ウイルス量(左)と重症度(右)
 2種のPCRのCt値で比較すると、G614株がウイルス量が有意に多い(p=0.037)
 外来、入院、ICU管理率で重症度を比較すると両株に差なし(p=0.66)


・D614あるはG614のspike proteinを発現させたVSV pseudovirusを3種の細胞で増殖
 いずれの細胞でも、G614が有意に高い増殖能を示してます。


6例の回復期血漿を用いた中和活性試験
 G614株は野生株と同様に中和され、どちらかというと野生株よりも感染が阻害されています。

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