神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.387 朴葉 

2025-01-21 23:46:56 | 余録
(1)昨日の大岳山からの降り、ケーブル・カーに乗らずに参道を歩いたことを書きました。
 昨年12月3日にこの参道を歩いて日ノ出山に上がった時は、山影だったのと、まだ陽が射し込むも時間になっていなかったのとで、おもしろい景色に出会えませんでした。もちろん、ときどきは休んで呼吸を整えながら周りを見わたしましたが、だいたいは下を向いて喘いでいたせいでしょう、よい景色に気付きませんでした。しかし、昨日は、参道沿いに立ち並ぶ800本もの杉の大木の間に傾いてきた陽の光が差し込む絶好の時間帯だったのもあって、おもしろい写真も撮れました。これはどこかで載せることにしましょう。

(2)しかし、参道の終わりにくると、そこはもう谷間です。幻想的な光景が見えなくなったばかりか、陽もわずかに山の端を照らすだけになって、寂しくなりました。
 そのころ、下の方にケーブル駅の駐車場が見えてきたので急いでいると、上から大きな葉が落ちてきました。見ると朴葉でした。
 朴は私の思い出の木ですから、「どこにあるんだろう?」と探すと、下の写真の光景が目に入りました。左右の杉の大木の向こうに何本も朴の木が見えます。そして、そこから落ちた葉が、風で吹き飛ばされたり吹き寄せられたりということもなく、そのまま、敷き詰めたように広がっています。凄いですね。一面の朴葉です。 

 里山を歩いていると、朴葉が群がって落ちているのを見ることがありますが、これほどのすごいのは見たことがありません。

(3)ここは、私の聖地になりそうです。4~5月には、きっと、風を誘って悠然と揺れる朴の花を見ることはできるはずです。
 興味のあるかたはぜひどうぞ。場所は、ケーブルの滝本駅から参道を入って100mくらい歩いたところ、駐車場のすぐ上にあるカーブの付近です。
 〽は~るよ来い!は~やく来い!

【コレクション 147 毎日新聞】
 1970年は70年安保でにぎやかでした。友人に誘われて、代々木公園から青山通りを抜けて国会をへて新橋あたりまでたどるというデモ行進に何度か参加しました。青山通りを歩いたこはありません?が、デモ行進のときに車道から青山を見たことはあります。
 その年の冬のこと、東京の飯田橋の赤ちょうちんで友人とテーブルをはさんで向かい合って飲んでいると、相席となった隣の二人が毎日新聞の人でした。
 そのときの話の筋は覚えていませんが、「もっと批判的な記事を書け」と批判めいたことをいったところ、ソ連びいきと思われたのか、「プラウダとイズベスチャの違いを知ってる」と言い出して、ケムに巻かれたことだけを覚えています。
 もう何年も竹橋で降りて宮内公文書館に閲覧で通ってきましたが、改札口を出ると右が毎日新聞社です。そちらへ向かう人を見ながら、あの頃を思い出すことがあります。

 このパンフレットは、毎日新聞の元になった『横浜毎日新聞』の復刻を知らせるものですが、右上に「93.3.24」とメモされていますから、32年前に収集したことになります。
 大きさは、A4判、4㌻です。A3判の用紙を二つ折りしてできています。
 全体は、1~2㌻を下に載せました。ご覧ください。
 このほか、
 3㌻は第1期配本の概要。
 4㌻は第2期配本概要。刊行案内。
    体裁は、A4判、17000㌻。価格:第1期87万円、第2期123万4千円
    刊行:1992年~。不二出版 
        1㌻

       2㌻


 以上です。
 今日はここで。
 明日は、調査の準備のため、休みます。

   雨の後のロウバイ
   

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No.386 大岳山からの下り

2025-01-21 00:40:37 | 
(1)山岳小説家で知られた新田次郎の作品『山が見ていた』(1961年、文春文庫)に大岳山が出て来ることをご存じの方もあるでしょう。詳しくは読んでいただくとして、およその話の筋は次のようなことです。
 主人公は仕事の途中で子供をはねてしまいます。当然、救助すべきところですが、怖さのあまりにその場から逃げ去ってしまいます。しかし、それを負い目に感じ、自責の念から死のうとして大岳山に来ます。ところが、山中で道に迷った5人の子どもを助けたことから、死に場所を失うという話です。
 
(2)新田作品は60年以上前のものです。大岳山の雰囲気も今とだいぶ違うでしょう。
 今の大岳山のコースからはここを死に場所に選ぶなどということは想像もできません。ちょっと途中を紹介しましょう。
 1.日当たりがよく、平坦な所
   
 
 2.やや日陰で、石ころがある所
   
 
 3.少し険しいところ。もっと険しいところもあります
   

(3)しかし、18日に登ったサルギ尾根のように人通りの少ない「通常のコース外のコース」や、整備されたコースを外れたところで具合が悪くなったり、ケガで動けなくなったときは、誰にも見つけてもらえないということがあり得ます。スマホなどを持っていても、電池が切れてしまっていたり、電波が届かない範囲に入ってしまうと、不幸なことになり得ます。

(4)とはいえ、天気の良い日なら、特別な装備などなくてもチョイと登れます。
 実際、1月4日には、御嶽神社で受けたお札だけを持って登って来た人を見ました。ケーブルに乗って参拝に来たところ、天気も良いから行ってみるかと思い立ったのでしょうけれど、散歩がてらではやはり危険です。遭難も多いのです。
 また、18日には、外国人10人くらいの集団が、街歩きの服装(ジャンバーに運動靴ばき、リュックを背負っていないどころか水も持たない)で、手ぶらで登って来ました。
 驚いたのはそれだけではありません。この時、時刻はすでに午後1時半を回っていて、まだ頂上まで1時間ほどかかるところでした。この調子だと、おそらく、頂上に着くのは早くて2時過ぎです。少し景色を見て2時半に降り始めたとすると、ケーブル駅に戻った頃はもう4時近くでしょう。そうすると、途中の杉林の近くでは真っ暗ということもあったでしょう。
 山は、陽が落ちると視界が悪くなり、急に寒くなります。夏なら雷雨もあります。それを考えると、彼らは本当に無防備な山知らずの人たちといわなければなりません。

(5)それだけではありません。新田次郎の作品の主人公のように死にに来たわけではないと思いますが、上の外国人グループだけでなく、山登りの装備をしているとはいえ頂上に着いたら2時を過ぎるだろうと心配される人をずいぶん見ました。高齢の夫婦?3組、中年の日本人と外国人のペア?、それから単独行の20代前半の女性です。

(6)私は、上の外国人に「It takes one hour.」と言い、それぞれに「これからですか?」と声をかけました。上の小屋に宿泊するならともかく、明らかに危険と思われたからです。
 とくに、単独行の若い女性には「帰りは暗くなりますよ」とも言いました。すると、「ライトを持っています」と答えました。もちろん私も持っていますが、それは非常用です。何か目的があるというならともかく、暗くなることを承知で出てきていることがわかり、驚きました。仕方ないので、「ちょっと先にご夫婦が上がっていきましたから、追いかけて一緒に行動するように」といって別れました。
 山の怖さを知らない「都会人」には驚かされます。

(7)長くなりました。
 私は14:20にビジターセンター前に着きました。コースタイムでは下までは40分ですから、15時頃にはバス停に着けると読んで歩くことにしました。
 1.少し歩くと、ケーブル・カーの線路をくぐります。実際はもっと明るくて、雰囲気の良いところです。この付近で、若い二人連れの青年が追い越していきました。
    

 2. 道がつづら折れになっていて、しばらく降るとケーブル・カーの線路脇に出ました。その時ちょうどケーブルが上がって来ました。
    

 3.ケーブル・カーはここの少し上で登りと下りが交換します。待っていると、下りが来ました。
    
 
 4.さらに降ると、思い出の場所にきました。
 もうかれこれ40年前のことになりますが、娘と息子がまだ小学生の頃、家族4人でここを上がったことがあります。その時に二人がこの中に入って雨宿りの真似をしたのです。たぶん子供は皆そんなことをするでしょうね。
    

 5.バス停につきました。少し遠くの山を眺めていると、なんと、日ノ出山北尾根が夕陽に照らし出されているではありませんか。少し拡大して撮りました。
 木が伐採されていて尾根筋がよく見えます。まだ取っ付きのところですが、ここをぐいぐいと上がっていく登りは、高度感もあり格別です。
   

 6.バスで青梅線の御岳駅前に着きました。駅前はT字路になっていて、信号脇に東峯園というラーメン店があります。メニューの一番上には「みそラーメン」などがありますが、ここの昔からのお勧めは、メニューの一番下に小さく書いてある「みたけラーメン」です。「通」を気取るわけではありませんが、シンプルな味でオススメです。でも、昨今の野菜価格高騰のためでしょうか、野菜がやや少なくなったように思いました。昔は、野菜をかなり食べてからでないと麺にたどり着けなかったのではないかと思います。そういう記憶を書いている本もあります。

 今日はここで。
 【コレクション】はタイムオーバーにつき、明日に。
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