(1)便利になったもので、パソコンになにか一つキー・ワードを入力すると、いろいろなことが出てきます。図書館でカードをめくって文献探しをしたことのある旧世代に属するものとしては、文字通り隔世のことです。でもね、その中にはなぜこんなものまで載せることにしたのだろうかと疑われるものまでありますね。検討が必要なのではないかと思います。
(2)たとえば、「若気の至り」と言いますか、若い時にそれなりに苦労してまとめ発表したけれども、今考えてみるとどうもあれは、というのがあります。
もちろん、書いたことは事実だし、誰に見られても、どう利用されても、文句を言うつもりはありません。しかし、昔からネット公開していたというならともかく、おまけにいまさら読んでもらう必要もないようなものを、なぜ全部公開するという徒労のような作業をするか不思議です。その作業にも人件費がかかっているだろうと思うとなおさらです。せいぜい目次とか内容紹介、それに所蔵先を載せておくくらいでよいのではないかと思うのですが・・・。
(3)話が変わりますが、そういう時代になって、いとも簡単にいろいろな文献や情報が手に入るようになったのに、相変わらず、具体性のない、あっちの事実とこっちの事実とを突き合せた程度で済ませている論文とか、珍しい資料を見つけて来ただけとか、というのをよく見ます。
今は情報公開法が制定されて、私のやっているような分野だと、明治天皇が直接手に取って見たかもしれないものまで閲覧請求書1通を出すだけでスイと出してもらえます。こういうものは、昔だとよほどの大学者でも見られなかったものですから、貴重なことは確かですが、それならもっと先を解明してみせるべきだと思うのですが、どうもそうはなっていないのではないかと思います。
ほかの省の公文書についてはわかりませんが、宮内省の御料局・帝室林野局のものなどはほとんど紙切れと言ってよいメモまで残されています。徹底して探索すれば必ず関連するものが見つかります。また、そういう迫り方をして公文書を探索することが必要だと思います。これは昔のカード検索に比べればはるかに有意義で楽しいものです。時間をかけた分だけ手掛かりが得られます。情報公開法が制定されて、研究スタイルが進化したのか、今一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?眼を細めて見ています。
(4)あまり具体的に書くと自分に跳ね返ることになるのでこの程度にしますが、月に行ける時代になってきているのに、送られてきた写真を見てあれこれ推測しているだけとか、天体望遠鏡で眺めてあれこれ言っているだけ、まだそういう感じがする研究を見ます。
【コレクション 154 ポンペイの壁画】
これは、図書館で実物を見てもらうのがよいでしょう。
大きさは、A4判6㌻です。A4判3枚分の横長の用紙を、最発に右から3分の1を折り込み、次に左から3分の1を折り込むとできます。
全体は、
1㌻ 下に掲載
2~4㌻ 刊行にあたって
編集にあたって
推薦文 弓削達 ポンペイ研究と鑑賞の決定版
辻邦生 ポンペイ遺跡を訪ねた頃
5㌻ 内容見本
6㌻ 本書の特色
刊行案内 体裁:B4判変形 第1巻342㌻ 第2巻286㌻
定価:42,000円 刊行:1991年3月 岩波書店
1㌻

以上です。
今日はここで。

曇りの日のロウバイ