神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.394 便利な時代だから 

2025-01-29 23:05:53 | 雑評
(1)便利になったもので、パソコンになにか一つキー・ワードを入力すると、いろいろなことが出てきます。図書館でカードをめくって文献探しをしたことのある旧世代に属するものとしては、文字通り隔世のことです。でもね、その中にはなぜこんなものまで載せることにしたのだろうかと疑われるものまでありますね。検討が必要なのではないかと思います。

(2)たとえば、「若気の至り」と言いますか、若い時にそれなりに苦労してまとめ発表したけれども、今考えてみるとどうもあれは、というのがあります。
 もちろん、書いたことは事実だし、誰に見られても、どう利用されても、文句を言うつもりはありません。しかし、昔からネット公開していたというならともかく、おまけにいまさら読んでもらう必要もないようなものを、なぜ全部公開するという徒労のような作業をするか不思議です。その作業にも人件費がかかっているだろうと思うとなおさらです。せいぜい目次とか内容紹介、それに所蔵先を載せておくくらいでよいのではないかと思うのですが・・・。

(3)話が変わりますが、そういう時代になって、いとも簡単にいろいろな文献や情報が手に入るようになったのに、相変わらず、具体性のない、あっちの事実とこっちの事実とを突き合せた程度で済ませている論文とか、珍しい資料を見つけて来ただけとか、というのをよく見ます。
 今は情報公開法が制定されて、私のやっているような分野だと、明治天皇が直接手に取って見たかもしれないものまで閲覧請求書1通を出すだけでスイと出してもらえます。こういうものは、昔だとよほどの大学者でも見られなかったものですから、貴重なことは確かですが、それならもっと先を解明してみせるべきだと思うのですが、どうもそうはなっていないのではないかと思います。
 ほかの省の公文書についてはわかりませんが、宮内省の御料局・帝室林野局のものなどはほとんど紙切れと言ってよいメモまで残されています。徹底して探索すれば必ず関連するものが見つかります。また、そういう迫り方をして公文書を探索することが必要だと思います。これは昔のカード検索に比べればはるかに有意義で楽しいものです。時間をかけた分だけ手掛かりが得られます。情報公開法が制定されて、研究スタイルが進化したのか、今一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?眼を細めて見ています。

(4)あまり具体的に書くと自分に跳ね返ることになるのでこの程度にしますが、月に行ける時代になってきているのに、送られてきた写真を見てあれこれ推測しているだけとか、天体望遠鏡で眺めてあれこれ言っているだけ、まだそういう感じがする研究を見ます。

【コレクション 154 ポンペイの壁画】
 これは、図書館で実物を見てもらうのがよいでしょう。
 大きさは、A4判6㌻です。A4判3枚分の横長の用紙を、最発に右から3分の1を折り込み、次に左から3分の1を折り込むとできます。
 全体は、
 1㌻ 下に掲載
 2~4㌻ 刊行にあたって 
      編集にあたって
      推薦文 弓削達 ポンペイ研究と鑑賞の決定版
          辻邦生 ポンペイ遺跡を訪ねた頃
 5㌻ 内容見本
 6㌻ 本書の特色
    刊行案内 体裁:B4判変形 第1巻342㌻ 第2巻286㌻ 
    定価:42,000円 刊行:1991年3月 岩波書店 

        1㌻

   
 以上です。
 今日はここで。

    
     曇りの日のロウバイ
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No.393 大宝

2025-01-29 01:08:14 | 御料地
*今日はパソコンの動きが鈍く手間どっています。

(1)2~3日前「鉄道ひとり旅」という番組を見ていたところ「大宝(だいほう)」というところが出てきました。歴史で出て来る「大宝律令」は「たいほう」と読んだと思いますが、ここは「だいほう」と濁音になるようです。これを見ていて、ここが御猟場だったこと、その現場を見るために大分前にここを回ったことを思い出しました。テレビでは、御猟場のことは出てきませんでしたが、ちょっと紹介します。

(2)場所は下の地図をご覧ください。古い地図ですが、場所は茨城県です。
 地図の右に筑波町〔現つくば市〕と筑波山が見えます。大宝は、筑波町から西〔左〕へ進んで下妻市〔しもづまし〕に至り、南北に走る関東鉄道常総線で北上した最初の駅です。
 ちょっと先に全体を説明します。
 大宝から北へそのまま進むと下館市〔しもだてし〕に着きます。下館駅で乗り換えて西に行くと結城市〔ゆうきし〕を経て栃木県小山市〔おやまし〕、北へ進むと栃木県真岡市方向になります。


(3)私は、2010年10月に国立公文書館つくば分館に文書閲覧に行きました。資料については今日は触れませんが、行きは秋葉原からつくばエクスプレスに乗り、その際ミニサイクルを持っていって、帰りはミニサイクルで少し見て廻りました。

(4)明治の頃のことですが、大宝駅の西側(私が手書きしたところ)にY字形の大宝沼がありました。現在は干拓されて広い農地になっています。私が見た限りでは、もう当時の形跡はわかりませんでした。
 そして、この沼を中心とした周囲を赤く縁取りしておきましたが、ここが「鬼怒川筋御猟場」でした。御猟場というのは、漁労・接待・遊興などのために設けられていたもので、30ほどありました。
 『公文類聚第12篇 明治21年 第7巻』という文書が国立公文書館にありますが、この中の32番目の文書にここの編入のことが出てきます。編入後、明治期に9回使われた記録が出てきますが、詳しいことはわかりません。そしてその後は払い下げられて農地にされました。
 それから、「鬼怒川筋」という名前の理由は、この一帯の西の縁に沿って鬼怒川が流下しているところだからです。

(5)それから、上の地図の下館から北の真岡市から栃木県大田原市にかけては御料農地が広がっていました。この一帯の水利と農地経営についてはまたいずれ書くことにしたいと思いますが、ここは地形を確かめながら歩いた懐かしいところです。

【コレクション 153 人物20世紀】
 これは楽しいパンフです。
 大きさは縦280✕横225mmの変形です。この用紙4枚分の横長の用紙を左右から4分の1ずつを折り込み、さらに二つ折りした8㌻のパンフです。
 右から
 1㌻ 下に載せました。
 2・7㌻ 内容紹介
 3~6㌻ 代表的人物のピックアップ紹介
 8㌻ 刊行案内 体裁:A4変形 定価:15,000円 講談社刊 1998年
    

 
 以上です。
 今日はここまでです。
 パソコンがへそを曲げて、もうタイヘン。

   
    さざんか

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