(1)野坂昭如に『火垂るの墓ーほたるのはかー』〔新潮文庫)という作品があります。文庫本でも30㌻もない短編で、一度読むと忘れられない作品です。すでに多くの人に読まれているようで、絵本(や絵本仕立て)にもなっています。
内容は、私が驚いたくらいの繊細な作品ですから、ご存じの方も多いでしょうし、まだ読んでないという人にはぜひ読んでみていただきたいと思いますから、いま、内容紹介はしませんが、ひとことだけ言えば、野坂氏が描いたのは、直接的には、あの戦争〔第2次大戦〕によってある兄妹の上に起こった理不尽な悲劇でしたが、これはさらに、こどもが大人の世界のために苦しめられる境遇を描いた身につまされる作品と敷衍することができるでしょう。
もっといえば、ウクライナやガザのような世界の戦争や出来事の裏で苦しむこどものことをもっと想像してみる必要があると思います。
(2)じつは私は、若いことからこの作者の野坂昭如という人のことがあまり好きではありませんでした。好きでないというよりも、いっぷう変わった人と思っていたといった方がよいかもしれません。
テレビなどで登場すると、大声で口をとがらせて持論をしゃべる。それでも、話し方は決して流暢とはいえず、トツトツとしている。内容を理路整然と説明・説得するでもなく、聴いていると一方的に怒られているような気がする。なんとなく後味が良くない・・・。こんな感じです。
(3)いまでも、その印象は変わっていませんが、しかし、『火垂るの墓』を読んで、これが野坂昭如作と知ったとき、野坂氏のことを信じようと思いました。
もっとも、「何をか」というとまだ判然とせず、うまく言い表わせませんが、無頼漢のように感じさせるものの裏腹にある人生の悲哀といえばよいでしょうか。それが野坂氏の人間性なんだろうと思います。
(4)そういいながらも、まだ『火垂るの墓』が野坂昭如作であることに違和感を感じたままです。
いま思うと、昔はああいう人がけっこう居たなあ・・・。本当はいい人なんだろうけど、でも、当人はうまく自分を表現できず、まわりは厄介払いみたいにして関わろうとしない・・・そのためうまく理解されずに、さみしく遠慮される人・・・。 私の野坂評は、なんとなくそういう感じです。

緋寒桜がほころび始めました:むこうに北桔橋門が見えます。
【こうレクション 183 21世紀子ども地図館】
こどもが元気なのはいい社会だ!
「正義」がドラマで公然と言われていた昭和30~40年代、そのころの少年は今どうしているだろうか?
「一人はここにおるぞ!」
「だれ?」
「うん、わし!」
「じゃあ、あとは?」
「敬老席か?」
「そいつァ~淋しいねぇ!」
このパンフレットの大きさはA4判8㌻で、A4判4枚分の横長の用紙を、最初に左右から4分の1を折り込み、できたものを二つ折りしてできています。
全体の体裁は、いろいろあって楽しすぎて説明しにくいので、1・3・8㌻を載せましたから、図書館で覗いてみてください。これはと思うものがみつかったら、飛び出すのだよ!
1㌻ 下に掲載
2・7㌻ イメージ画
推薦文 寺田登 文部省調査官 好奇心と学ぶ力を育てるのに最適の1冊
羽仁進 映画監督 大切なのは、まず、地球を知ること
立松和平 作家 地図を入口に、広がれ!子供たちの夢
安藤和津 エッセイスト 次代を担う子供たちにぜひ読んでほしい!
3~6㌻ 内容紹介
3㌻は下に掲載。4㌻は歴史分野 5㌻は世界地理 6㌻は日本地理
8㌻ 下に掲載 刊行案内
1㌻

どこにハシゴを立てている? イメージ貧困!
3㌻

8㌻

以上です。
今日はここで。
大船渡、ここはキバレ、天祐を生かせ!
ウクライナ、がんばれ! 戦争犯罪人と加担者を許すな!

アケビにできた水玉