今日 早速に先日の茶事のお礼状が届きました。いろいろと感想も頂き、素晴らしい文面に若い方々の手紙力に感服し、嬉しく感じています。
茶事を終えて振り返るといろいろ反省することもありますが、完璧は無理です。
亭主の一生懸命さの「心」がお客様に通じれば成功としましょう。重要なことは「心」。
《茶事》といわゆる《日常のお客様へのおもてなし》とどう違うのかちょっと考えてみました。
日常でもお客様がみえるとなると掃除したり、部屋の飾りつけも気を遣い、お菓子や紅茶・果物など用意し、お皿やコーヒーカップなども素敵なものを用意。また食事まで用意するホームパーティではワインやお料理や食器にも気を遣います。
この点では同じようですね。
茶事では何かテーマを考え、設え・道具組等でテーマを語らせます。茶碗の絵柄であったり茶杓の銘であったり、お菓子であったり・・・。言葉で語るのでなく物に語らせる…そしてお客も想像力・感性を働かせて亭主の趣向を理解するよう考える。
濃茶を差し上げることが茶事の一番の目的。そのお濃茶を美味しく頂いてもらうために懐石があるのです。料理は二の次。また順序や規則がきっちり決まっていてその順に進みます。客であっても規則にのっとって行動します。全体の時間も決まっていて、亭主と客の間ではゆっくりおしゃべりを楽しむ時間はありません。感想や礼は後礼と言って手紙でします。
茶事の案内も返事も礼もすべて手紙でします。
以上の事々が茶事が非日常と言われる所以で、コミュニケーションを自由に楽しむホームパーティとは大分違います。
普段の茶道の稽古は、茶事のための稽古と言います。いろいろお点前を修練するうちに、段取り力・静かに手早くする力・集中力・もてなし力・茶道感性が培われるのだと思います。