先日の研究会で勉強した《入れ子点》の稽古をしました。
これは老人や子供用のお点前で、出入りが一回のものです。棗、柄杓や蓋置は棚に飾っておきます。
真っ新な曲げ建水の中に茶碗を入れて(ここが入れ子という名称の由来)持って入ります。
このお点前、小習ですが、外隅ねらいでします。
「どうして外隅ねらいなのでしょうか?」と生徒さんに問いかけました。「?」と、生徒さん。
小習で外隅ねらいに坐るのは貴人点・貴人清次点・四つの荘り物と、この入れ子点です。ちなみに真之行台子の流れからきたお点前が外隅ねらいになります。
「道具を全部飾っておいて、蓋置を持って身体を居前に向ける形が真之行台子に似ているからだと思うわ」と私。これは私自身の考え‥
このお点前 最後に水次で水指に水を入れることはしません。そこで「水次は省略させていただきます」という意味で帛紗を草にたたんで水指蓋上の飾ります。この時水指の蓋は塗り蓋がよい。
《総飾り点前》の時も最後棚に棗・茶碗・柄杓・蓋置をかざり、帛紗を草にたたんで水指の蓋上に飾り残します。入れ子点と同じ形になりますが、ここでは水次で水を足し、帛紗を
飾り残す意味が違います。
そして再度質問。「なぜ水指の蓋を塗り蓋にするのでしょう?」
生徒さん「共蓋の水指はその全体がその作家さんのアート、だから作家さんをリスペクト
して共蓋の上には何も載せない。帛紗で模様が邪魔されないよう・・」「塗り蓋ならば帛紗を載せても大丈夫。帛紗を飾り残す事が約束の点前だから塗り蓋にする」 等々。
若い生徒さんの答えに私は拍手を送りました。
共蓋の場合は草にたたんだ帛紗を水指前に置くと教則本には書いてありました。
いろいろと問いかけると真剣に考えて自分なりに答えを出して下さる生徒さんを「素晴らしい!!!」と思います。
昔の私でしたら考えもせず最初からgive upしたと思います。