宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

茶道を稽古していて良いこと

2018-09-30 15:19:55 | 茶道

”茶道ってなんだろう”と時々考えてしまいます。
稽古をしていて何か形のある作品が出来るわけでなし、役に立つ技術が習得できるわけでなし、学問とは言えないし、身体を鍛えるものでもなし。趣味とも言い難い気がします。
しかしずっと稽古を続けます。お茶名が頂けたところで一応区切りはつきますが、その後も延々と稽古を、エンドレスな稽古事と言えます。

では、茶道は何の役にも立たない稽古事なのでしょうか?否、違います。

茶道を稽古してきてよかったことは沢山あります。

1)軸の文言から日常にも役立つ禅の哲学的な思考が学べます。
2)人前でお点前をすることから集中力・非日常の緊張感を味わえます。
3)季節感に敏感になります。
4)人をもてなしすること、もてなされ方を知ります。
5)相手の気持ちを読み取る、気働きができるようになります。
6)お道具等から文藝・美術等を学べます。
7)正客と亭主の会話などから教養ある会話術を学べます。
8)自然に対し謙虚に、人に対しても謙虚になっていきます。
9)美的センスが養われます。
10)物の扱いが丁寧になる

茶の根本思想「和敬清寂」の感性が養われることになり、これらは一朝一夕には得られませんが、長く稽古をしていくうちにだんだん培われていくのだと思います。
眼には見えない人間磨き。
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中秋の名月

2018-09-24 20:21:25 | 日記
今晩は中秋の名月。
夜ウオーキングの時に皓皓たる名月が見られました。
周りには雲もあり、途中で雲隠れ。しかし帰り途ではまたまん丸い名月を見ることが出来ました。
ウォーキングから帰ると主人が「名月見えた?」と聞き、「見たい」というので寝間着姿の主人とまた外へ。丁度 皓皓たる名月が出ていました。
カメラで写そうかと言っている間に、もう雲に覆われてしまいました。
主人も名月が見られてよかったです。

ところで、茶道の侘び感として村田珠光は”月も雲間のなきはいやに候”と言って隠れた中に慎ましやかに美をひそめている。完全な美より不完全な美に侘びの真義を見出すとしました。

また兼好法師の《徒然草》では”花は盛に月はくまなきを見るものかは、望月のくまなきを、千里の外までながめたるよりも、うちしぐれたる村雲がくれのほど、またなくあわれなり”と書かれています。

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横山崋山展 @東京ステーションギャラリー

2018-09-23 19:47:36 | 美術

渡辺崋山なら知っていましたが、横山崋山という画家は知りませんでした。
忘れ去られてしまった江戸後期の絵師です。ところがこの絵師の絵は本当に素晴らしいです!
何しろ9歳の時に書いたという《牛若弁慶図》・・・ピカソも子供の時に描いた絵があり、見たことがありますが 崋山の方が信じられないくらい上手です。天才絵師!
蕭白、岸駒に師事し、奇怪な《寒山拾得図》や《柿に猿図》など描いています。しかしだんだん自由に崋山風の絵になります。唐子がいろいろな遊びをしている《唐子遊戯図屏風》はユーモアがあります。
《四季耕作図》や《紅花屏風》は細部まで手を抜かず精密に繊細に描かれている風俗画です。
そしてして圧巻は《祇園祭礼図》2巻です。上下あわせて30メートルもの長い巻物が全部そのまま見られます。長い長いガラスのケースに入っていて間近に見えるように展示されていてステーションギャラリーに感謝です。
その描写の細かさ正確さが見事です。色彩も見事です。山鉾が約30基ほど、そしてそれを引いたり担いだりしている人々が何百人、それらの一人一人の表情、動きなどが臨場感たっぷりで実にリアルです。
山鉾は記録絵のように正確に書かれていたので、幕末のごたごたで焼失した山鉾もいくつかあったようですが、この巻物から再建したものもあるとか‥。
一人でこのような長ーい巻物2巻を描き上げたことは驚異的です。天才というほかありません。
平成の時代に、この忘れ去られた絵師、渡辺崋山の素晴らしい作品を見られて大感激の展覧会でした。
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精神のための栄養は?

2018-09-20 10:43:35 | 茶道

朝方早く目を覚ますのでNHKラジオ深夜便を時々聴いています。
19日に美輪明宏氏が4:00am「明日への言葉」で語っておられました。

その中で私が印象に残った言葉は「身体には食物を、精神のための食べ物は文化」というものです。
精神のための食べ物・・精神にとって栄養になる食べ物が文化というお話でした。
文化とは芸術・スポーツ・芸能・文学・音楽・・等でしょうか。
今ネットやスマホの普及で精神への栄養が足りてない人が増えて、いろいろな問題を起こしているとも云われていました。
イライラ、ストレスを収めてくれるのが文化ということでしょうか。確かにそう思いました。

茶道も文化の一つです。

長年、茶道を続けてきていますが、確かに精神の栄養になっていると思います。
日常で不安・ストレスがあっても茶道に励んでいる間は忘れることが出来ます。そして知らない間にその不安等が薄まります。茶道のお陰で今までいろいろ救われたことがあります。
美術館で絵画を鑑賞したり、音楽を聴いたり、映画を見たり、文学に接したりすると精神が穏やかになります。
ネットやスマホはほどほどにして、精神にはこういう栄養をどんどん与えていかなければならないと思いました。


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幸運の女神の後ろ姿は禿げ頭

2018-09-19 15:44:12 | 茶道

チャンスが巡ってくることが人生で何回かあります。
それをチャンスと見るか、気が付かないで過ぎてしまうかはその人それぞれです。
折角チャンスが来たのに見過ごしてしまえば後で後悔となります。

主人はよく「”幸運の女神の後姿は禿げ頭”だよ」と言います。

その言葉を《全くその通りだった》と思うこの頃です。

去年 茶友から「お茶会をしませんか?」と声をかけていただきました。場所がちょっと気の張るところだったので、最初は尻込みしました。しかし社中の方々に背中を押されお茶会をすることが出来ました。

またその少し後、お茶道具屋さんから「お茶会しませんか?」と声がかかりました。
私は気の張るお茶会をしたばかりであったのでまた躊躇しました。しかし「立礼席はどうですか」とのお話に「やってみよう」と決心しました。

お茶会が出来たことは私にとって大変幸せなことでしたし、社中の方々にとっても、良い経験ができたと思います

その後 社中の方々でご主人が外国や国内遠くに転勤とのことで辞められ、またある方はお二人目の赤ちゃんが授かったということでお辞めになられました。

また、猛暑をなんとか乗り越えた主人も今体調が少し落ちてきています。

今から考えるとお茶会をした時期が生徒さんが一番多くいらした時で、主人も体調がよい時期でした。

本当に思い切ってやって良かったとつくづく思います。
やれる時にやる!出来る時にやる!チャンスを逃さなくてよかったです。





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