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その柿右衛門様式の器、お皿、香炉、壺が展示されています。
柿右衛門窯がそんなに古くからあったとは私の認識不足でした。早くも江戸初期には有田から【柿右衛門様式】の伊万里焼の磁器が西欧に輸出されていたのです。
西欧では東洋に匹敵するような磁器がまだありませんでした。【柿右衛門様式】の優品に驚き、ドイツのザクセン選帝侯はさっそくマイセンに王立磁器製作所を設立。そして【柿右衛門様式】の伊万里焼を模して花鳥文、竹虎文、甕割人物文・・など盛んに写されました。
それらの絵皿もいくつか展示されてましたが、白地を背景に細かく梅や鳥がそっくりに模写されていました。
濁し手の白の部分をたくさん残してそこに細かく5色で花鳥など繊細に描く【柿右衛門様式】は 華美ではなく、楚々とした控えめの美です。
18世紀にはこの【柿右衛門様式】が途絶えてしまいましたが、いろいろ制作方法の記録が残っており、昭和28年に250年ぶりに濁し手が12代と13代の柿右衛門によって甦りました。
昭和46年には「柿右衛門 濁し手」として 重要無形文化財の指定を受け、現代まで受け継がれています。
余談ですが、主人の実家から来た道具の中に、今回美術館で見た「竹虎梅樹文」ととても良く似たお皿があります。大きさも縁の感じも、虎の形も、梅も色合いが良く似ています。しかも裏には小さな目土が3個付いているのも似ています。
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