37年ぶりの大規模《茶の湯》展。
第1章 足利将軍家の唐物・唐絵からスタートです。いわゆる東山御物(ごもつ)です。
国宝《曜変天目》《油滴天目》《青磁下蕪花入》はじめ、重要文化財級の天目茶碗がぞろぞろ。
天目茶碗は概して小ぶりです。今までに何回も見たことのある茶碗も見るたびに発見があります。
曜変天目も照明の具合で中の斑文の青の色が微妙に違って見えます。
唐絵では牧谿の三幅対の《観音猿鶴図》、真ん中に白衣観音、右は猿、左は鶴の画が描かれています。
玉潤、馬麟、趙昌の唐絵も展示されています。
第2章は侘茶の心にかなうもの。
いくつかの灰被天目、唐物茶入とともに、国宝《大井戸 喜左衛門》はじめ、小井戸茶碗、雨漏り手茶碗、斗々屋茶碗等朝鮮の焼き物が登場です。
書では一休の《一夜落花雨満城流水香》・・・仏教の教えは秘かに伝えられても一夜の雨に落ちた花が街全体の流水を香らせるように広まっていく・・の意。なかなか文学的です。
虚堂智愚など高僧の尺牘・偈頌もありました。
第3章は千利休時代
長谷川等伯筆の《千利休像》・・唯一の生前の利休の像とのこと。若くふくよかなお顔に野心あふれるしっかりとした見据えた目、多分全盛のころの利休のように感じました。
道具に関しての利休の消息が何点かあり、利休の目で選ばれた道具、例えば花入れ《顔回》・・・質素な生活を旨とした孔子の弟子の名から取った名前だそうです。長次郎の楽茶碗《無一物むいちもつ》《ムキ栗》《俊寛》など、利休作茶杓・・華奢で蟻腰の《ゆがみ》、志野焼《卯の花墻》はじめ瀬戸、伊賀、備前、美濃、唐津等、国焼きの茶碗や茶入、水指、竹の花入が登場します。
この三章の道具が一番多かったようです。
第4章は小堀遠州・松平不昧の茶道具。
中国の景徳鎮で焼かれた《祥瑞 蜜柑水指》と小さな香合、朝鮮の三島、粉引茶碗、それに日本から朝鮮に注文で作ってもらった御本茶碗、国焼の瀬戸の茶入、そして仁清が登場。遠州は和歌を好み《古今和歌集関戸本》の軸もありました。
ここで印象に残ったのは粉引茶碗《三好粉引》・・刀の切先のような模様を釉を掛けないで残したもの、すごいデザイン力!
第5章は近代数寄者の目
明治時代の鈍翁・三渓・香雪などの数寄者の眼から見た茶道具
全部で259点物もの茶道に関する絵画、書、お道具の優品を時代順に鑑賞でき素晴らしい展覧会でした。道具を通じて茶道の歴史も勉強でき、なかなかこれほどたくさんの唐物・唐絵・国宝茶碗・優品茶道具が同時に見られたのも東博の展覧会ならではでしょう。
中でも私が印象に残ったのは長谷川等伯の若かりし頃の《千利休像》です。
今まで見てきた利休肖像画は黒の服装で頭巾を被り、ちょっと気難しい渋い表情の茶聖としての利休像でしたので、今回のような若々しい像は初めてでした。
第1章 足利将軍家の唐物・唐絵からスタートです。いわゆる東山御物(ごもつ)です。
国宝《曜変天目》《油滴天目》《青磁下蕪花入》はじめ、重要文化財級の天目茶碗がぞろぞろ。
天目茶碗は概して小ぶりです。今までに何回も見たことのある茶碗も見るたびに発見があります。
曜変天目も照明の具合で中の斑文の青の色が微妙に違って見えます。
唐絵では牧谿の三幅対の《観音猿鶴図》、真ん中に白衣観音、右は猿、左は鶴の画が描かれています。
玉潤、馬麟、趙昌の唐絵も展示されています。
第2章は侘茶の心にかなうもの。
いくつかの灰被天目、唐物茶入とともに、国宝《大井戸 喜左衛門》はじめ、小井戸茶碗、雨漏り手茶碗、斗々屋茶碗等朝鮮の焼き物が登場です。
書では一休の《一夜落花雨満城流水香》・・・仏教の教えは秘かに伝えられても一夜の雨に落ちた花が街全体の流水を香らせるように広まっていく・・の意。なかなか文学的です。
虚堂智愚など高僧の尺牘・偈頌もありました。
第3章は千利休時代
長谷川等伯筆の《千利休像》・・唯一の生前の利休の像とのこと。若くふくよかなお顔に野心あふれるしっかりとした見据えた目、多分全盛のころの利休のように感じました。
道具に関しての利休の消息が何点かあり、利休の目で選ばれた道具、例えば花入れ《顔回》・・・質素な生活を旨とした孔子の弟子の名から取った名前だそうです。長次郎の楽茶碗《無一物むいちもつ》《ムキ栗》《俊寛》など、利休作茶杓・・華奢で蟻腰の《ゆがみ》、志野焼《卯の花墻》はじめ瀬戸、伊賀、備前、美濃、唐津等、国焼きの茶碗や茶入、水指、竹の花入が登場します。
この三章の道具が一番多かったようです。
第4章は小堀遠州・松平不昧の茶道具。
中国の景徳鎮で焼かれた《祥瑞 蜜柑水指》と小さな香合、朝鮮の三島、粉引茶碗、それに日本から朝鮮に注文で作ってもらった御本茶碗、国焼の瀬戸の茶入、そして仁清が登場。遠州は和歌を好み《古今和歌集関戸本》の軸もありました。
ここで印象に残ったのは粉引茶碗《三好粉引》・・刀の切先のような模様を釉を掛けないで残したもの、すごいデザイン力!
第5章は近代数寄者の目
明治時代の鈍翁・三渓・香雪などの数寄者の眼から見た茶道具
全部で259点物もの茶道に関する絵画、書、お道具の優品を時代順に鑑賞でき素晴らしい展覧会でした。道具を通じて茶道の歴史も勉強でき、なかなかこれほどたくさんの唐物・唐絵・国宝茶碗・優品茶道具が同時に見られたのも東博の展覧会ならではでしょう。
中でも私が印象に残ったのは長谷川等伯の若かりし頃の《千利休像》です。
今まで見てきた利休肖像画は黒の服装で頭巾を被り、ちょっと気難しい渋い表情の茶聖としての利休像でしたので、今回のような若々しい像は初めてでした。