宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

茶の湯展 東京国立博物館平成館

2017-04-30 20:56:13 | 茶道
37年ぶりの大規模《茶の湯》展。



第1章 足利将軍家の唐物・唐絵からスタートです。いわゆる東山御物(ごもつ)です。

国宝《曜変天目》《油滴天目》《青磁下蕪花入》はじめ、重要文化財級の天目茶碗がぞろぞろ。
天目茶碗は概して小ぶりです。今までに何回も見たことのある茶碗も見るたびに発見があります。
曜変天目も照明の具合で中の斑文の青の色が微妙に違って見えます。

唐絵では牧谿の三幅対の《観音猿鶴図》、真ん中に白衣観音、右は猿、左は鶴の画が描かれています。
玉潤、馬麟、趙昌の唐絵も展示されています。


第2章は侘茶の心にかなうもの。

いくつかの灰被天目、唐物茶入とともに、国宝《大井戸 喜左衛門》はじめ、小井戸茶碗、雨漏り手茶碗、斗々屋茶碗等朝鮮の焼き物が登場です。

書では一休の《一夜落花雨満城流水香》・・・仏教の教えは秘かに伝えられても一夜の雨に落ちた花が街全体の流水を香らせるように広まっていく・・の意。なかなか文学的です。

虚堂智愚など高僧の尺牘・偈頌もありました。

第3章は千利休時代

長谷川等伯筆の《千利休像》・・唯一の生前の利休の像とのこと。若くふくよかなお顔に野心あふれるしっかりとした見据えた目、多分全盛のころの利休のように感じました。

道具に関しての利休の消息が何点かあり、利休の目で選ばれた道具、例えば花入れ《顔回》・・・質素な生活を旨とした孔子の弟子の名から取った名前だそうです。長次郎の楽茶碗《無一物むいちもつ》《ムキ栗》《俊寛》など、利休作茶杓・・華奢で蟻腰の《ゆがみ》、志野焼《卯の花墻》はじめ瀬戸、伊賀、備前、美濃、唐津等、国焼きの茶碗や茶入、水指、竹の花入が登場します。
この三章の道具が一番多かったようです。

第4章は小堀遠州・松平不昧の茶道具。

中国の景徳鎮で焼かれた《祥瑞 蜜柑水指》と小さな香合、朝鮮の三島、粉引茶碗、それに日本から朝鮮に注文で作ってもらった御本茶碗、国焼の瀬戸の茶入、そして仁清が登場。遠州は和歌を好み《古今和歌集関戸本》の軸もありました。
ここで印象に残ったのは粉引茶碗《三好粉引》・・刀の切先のような模様を釉を掛けないで残したもの、すごいデザイン力!


第5章は近代数寄者の目

明治時代の鈍翁・三渓・香雪などの数寄者の眼から見た茶道具


全部で259点物もの茶道に関する絵画、書、お道具の優品を時代順に鑑賞でき素晴らしい展覧会でした。道具を通じて茶道の歴史も勉強でき、なかなかこれほどたくさんの唐物・唐絵・国宝茶碗・優品茶道具が同時に見られたのも東博の展覧会ならではでしょう。

中でも私が印象に残ったのは長谷川等伯の若かりし頃の《千利休像》です。
今まで見てきた利休肖像画は黒の服装で頭巾を被り、ちょっと気難しい渋い表情の茶聖としての利休像でしたので、今回のような若々しい像は初めてでした。
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新緑茶会へ

2017-04-29 18:10:20 | 茶道
新緑が美しい今日、O茶寮でのお茶会に行ってきました。
港区のビルに囲まれた中にこんな場所があるかと思われる程静かで緑豊かな場所です。最近文化財となったそうです。
淡々斎が昔ここで茶道を教えられていたという裏千家に由緒ある場所です。

濃茶席は如庵写しのうろこ板、暦張り壁の、2畳半台目の席。
今日のお茶会は参加者が多くなく、ゆったりとお濃茶を頂けました。

軸は清巌宗渭の円相、花入れは鳳凰耳付青磁で芍薬が入れられていました。4月29日は天長節なので香合は染付の冠型。

席主の方は89歳、若々しくお茶が本当にお好きで、一日中お茶室に坐って外の緑を楽しんだり、夜は突き上げ窓から月を眺めたり…なんとも優雅なお茶三昧の茶仙人のようなご生活をされていらっしゃるようで羨ましい限りです。若い時は美術館へ足しげく通われたそうです。お濃茶も美味しく、お道具も素晴らしかったのですが、それに勝る席主の方のお話が何よりの御馳走でした。お話を伺ってとても刺激になり、私もずっと元気にお茶を楽しめる生活ができるよう精進努力しなければと思い、何か良い道しるべを頂いたよう感じました。

薄茶席は茶友がもたれました。

花筏の茶桶、蒔絵の高坏、風炉先も春霞を思わせる淡いグラデーション、雅で華やかなお席。お客様それぞれ違った名碗でお薄を頂きました。
この茶友の方も落ち着いた語り口で、お嬢様もお孫さん(男)も茶道を好み、ちゃんと後継者を育てていらっしゃる尊敬している方です。

お茶会に参加することは、美味しいお濃茶・お薄を頂き、大切なお道具を拝見できる機会と思っていますが、今回は席主の方のお話しぶり、考え方などその方の人間味が伺え、とても印象に残るものになりました。お道具についてはいずれ多分忘れてしまうでしょうが、席主の方のお話はきっとずっと心に残ると思います。

今回は本当にゆったりとしたお茶会で、点心も素晴らしく非日常感たっぷりの大満足の一日でした。
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真の稽古

2017-04-15 15:01:02 | 茶道
今日は特別稽古で真の稽古をしました。
床には花園天皇の御宸翰を、そして唐銅の花入れにカイドウとウツギを入れました。

まず真の初炭、炭斗も炭の組み方のいつもとは違います。ちなみに炭斗はボール紙の箱を墨で塗った手製で代用しました。灰器の灰は11回に分けてすべて使い、初掃き・中掃き・後掃きの扱いもいつもとは違います。



お菓子は七種。

まず、大円真点前をしました。
炉の時季は水指や柄杓を動かして乱れかざりに。茶入・茶杓など古帛紗の三方捌きで清めます。天目茶碗は仕覆に入っているのでその扱い、釜の蓋を開ける時には蓋上を清めてから開けるなど真ならではの丁寧さ。

次に裏千家で最高の点前とされる真の行台子点前をしました。
大円真点前と似ているところが多いですが微妙に違うところもあって、二つの点前を一時にすると違いが分かるということもありますが、かえってややこしくなることもあります。



両点前は かれこれ小一時間かかります。

一年で炉と風炉の真の稽古を一回ずつは稽古できたらなと思います。

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孫の入学式

2017-04-07 18:02:31 | 日記


昨日一番小さい孫の入学式でした。

この頃は学校行事に父親も参加するようで、近所から3人入学の子供がいますが皆父親参加です。
新しいランドセルをしょって、きれいな洋服を着てルンルン気分で出かけていきました。次女なのであまり緊張感は孫も両親もありません。長女の時とは違ったようです。
20人クラスで二組あるそうです。
教科書も見せてもらいました。
主人は昔の小学校1年の国語は「さいた さいた さくらがさいた」だったと孫に言っていました。。
天気にも恵まれ良かったです。
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浮世絵動物園 @太田記念美術館

2017-04-06 17:42:47 | 美術


多彩な動物が登場する浮世絵約160点が展示されています。
ペットとした犬、猫の他、兎、雀、象、虎、龍、蟹、鶴などが浮世絵の中に登場しています。
擬人化した雀の遊郭、蛙の合戦など、また着物の柄にも金魚やタコが描かれていました。
犬はその頃の流行りか狆です。象や鳥がやはり擬人的にいろいろな演技をしているものもありました。
原宿にある美術館なので界隈は春休みでもあり若い人々、外国観光客も多かったです。
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