「ニュー・シネマ・パラダイス」 「海の上のピアニスト」などの
ジュゼッペ・トルナトーレ監督最新作はミステリー。
美術品鑑定士であり、有名一流オークションを仕切るオークショニア、
潔癖性で、常に手袋をつけ、馴染みのレンストランでは自分専用の食器を使う程。
これまで結婚はおろか、女性と恋愛経験ゼロ。
数多くの名画を所有し、それをたまに愛でるのが趣味という変わった男ヴァージルを演じる
ジェフリー・ラッシュは、彼以外いないってほどハマり役。
実はその自分が仕切るオークションでは、画家に成り損ねた男、ビリーを
使い、高価な名作を安値で落札させるという詐欺も働く。
そんなことが可能なのか?とも思うケド 笑
ドナルド・サザーランド。
壁の中の謎の美女クレアに扮するのは、「ティラミス」という作品に出たのみの
シルヴィア・フークス。
ヴァージルの友人で、何でも修理してしまう女好き男ロバートに
ジム・スタージェス。
壁の中の依頼人に恋してしまったいい歳の老人の恋の指南も
途中までは長く感じる。
いきつけのバーの壁際でいつも何かを数えている謎の小さい女の存在が
ミステリアスさを一層増し、徐々に惹き込まれずにはいられなくなる。
7/10(74点)
ちょこっとネタバレあり
壁の中の美女が現れ、人と関わるのが苦手で殻に閉じこもってしまう
という自分と似たような境遇であったことに共鳴しあい
惹かれあっていくふたり。
ここまでは、 なーんだ老人が恋に目覚めた素晴らしさを描いたラブストーリーだったのか
とちょっとがっかりしてみていたら。
まぁ勘がいい人、疑いながら観ていたひとなら途中気付くんだろうけど
わたしは純粋にそういう風になにも考えないでみてた。
そして最後のほうになり、何かあるなとは思ってたけど
突然消えたクレア。
ロバートもいない。
探しまわって落ち着く絵画のなかの美女達を収集した部屋にいくと、、、、!
コレクションの絵画はすべてからっぽ。
詐欺で手に入れたりしたとはいえ、お金は払って集めたコレクション。
逃げられた女とコレクション、騙された思いと残される未練。
こりゃ可哀想、、、だけどある意味自業自得?
うまくいきすぎだろと思ったけどそんな簡単に若い美女の愛は手に入らないのよね。
ドナルド演じた画家志望だったおじいさんも、昔ヴァージルに
キミは画家にはなれないとなじられたのを根に持ってたのか
執念深い恨みと、財産狙いの犯罪と。
3人がグルだったことは明かされないが
建物からまったく出たこともないと話していたクレアが外に出た数、
ヴァージルが屋敷に訪れた回数までも細かく覚えてる小さいあの女の証言は
かなりのインパクトで怖い。ミステリアスで良かった。
しかし、せっかく恋した想い。
可哀想だとは思うけど、美術品じゃないんだから
恋する時は見た目の美しさばかりじゃなく、中身もよく吟味して好きにならないとね
まぁ、恋しちゃったら仕方ないけど(笑)
ラストが切ない。
謎解きというほどではないけど、役者たちのアンサンブル、
裏切られる快楽で楽しめる作品。
世界中の一流オークションを仕切るオークショニアであり美術品鑑定士のヴァージル・オールドマン。彼にクレア・イベットソンと名乗る資産家令嬢から、相続した絵画や家具を鑑定して欲しいという電話がかかってくる。ところが彼女は決して姿を現さない。廃墟同然の屋敷を見て回ったヴァージルは、床に転 がっていたネジのような部品に眼を留める。 それはもし本物なら大変な価値がある美術品の部品だった。ヴァージルはその部品と依頼人の正体を探るのだが…
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