更新遅くなってしまった
この春イチオシ。アカデミー賞作品賞と脚本賞のW受賞作品
ピューリッツァー賞も受賞したボストン・グローブ紙の調査報道の全貌と、
ジャーナリスト魂を貫いた記者たちの闘いを描いた実話に基づいた社会派ドラマ。
監督は、俳優から監督/脚本家としても転身したトム・マッカーシー。(「扉をたたく人」「靴職人と魔法のミシン」)
(どっちも)
ボストン・グローブ紙の記者たちが、カトリック教会の一大スキャンダルに立ち向かったメンバーはごく少人数の記者たち。
その彼らを演じたのは
マイケル・キートン、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズ。
リーヴ・シュレイバー演じるマーティは新編集局長。
ほかに、被害者側にひたすら手を差し伸べてきたスタンリー・トゥッチ。
こちらは儲け主義のもみ消し弁護士。ビリー・クラダップ。
いい人マークさんはじめ、チーム一丸となる姿。脇を含めキャストが全員、素晴らしい。
「サバイバー」と呼ばれる、被害者たちとの会話も興味深い。
訴えようにも、羞恥心と、相手がバチカンに属する神父たちであることで取り合ってもらえないというところから
泣き寝入りをしてきた人や、地道に訴え続けて来た人たち。
彼らが受けた過去の事実、トラウマ。それによる精神のダメージは計り知れない。
ザ・グローブ誌の記者たちは「スポットライト」という記事のコーナーに、神父による性的虐待と、
その事実を看過し続けたカトリック教会の共犯ともいえる関係を取り上げた。
それは教会で長く隠蔽されてきた衝撃的な歴史を暴き、社会でもっとも権力をふるう人物たちを失脚に追い込むことになる。
これは、記者生命を懸けた闘い。
8/10(85点)
60年代から問題は認識されていて、80年代には、すでに数々の訴えが起き声を上げていた人々がいたのに、
どうして問題はもみ消され続けてきたのか?
そこに踏み込んで描かれていくストーリーは、ひたすら記者たちが地道に被害者に会って話を聞いたりと
地味で淡々としていながらも実話ということで興味深くみせていく。
ヘタに映画的な盛り上がりを作ったり、誰か一人を英雄にすることなく
実際に「報道とはなにか。たとえ敵が教会であろうと、信念と正義を貫き暴こうと勇気を持って挑む」
記者たちの勇姿が見えてくる。
真実の追究こそが正義に繋がるというのをリアルにみせつけられる作品。
2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。
その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄「スポットライト」を手がける4人の記者たち。
デスクのウォルター“ロビー"ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。
やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続ける。
映画『スポットライト 世紀のスクープ』予告編
SPOTLIGHT 2015年 アメリカ 128min
4月15日より、公開中~
トロント映画祭にて
レイチェル・マクアダムス4/13に初来日
「それまで“声なき者”だった被害者に声をあげる勇気を与え、
影のヒーローである記者たちに文字通りスポットライトが当たったことは非常に大きな意義がある」