「アモーレス・ペロス」 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が、
実話を基に”復讐のためだけに過酷な状況を生き抜く、決して諦めない男”を描く。
原題のレヴェナントには、「帰ってきた人」という意味があり、死から蘇った男を意味する。
原作は2002年に発表されたマイケル・パンク氏のノンフィクション小説をもとに、
イニャリトゥ監督と、マーク・Lスミスによる共同脚本作。
本作で、アカデミー賞主演男優賞をついに獲得したレオの名演は今に始まったことじゃないけど本当に素晴らしかった
狩猟チームのメンバーの1人でグラスに理不尽な憎悪を募らせているトム・ハーディ演じるフィッツジェラルド。
フツウのオッサンに見えたわすごい変わりよう。さすが。
隊長のヘンリーにはドーナル・グリーソン。
出演シーン、時間にするとそんなにないけど本作の彼、凄く良かった。
ハリポタシリーズでロンのお兄ちゃんビル・ウィーズリーを経て
「アバウト・タイム」(←の主演も良かったけど)「FRANK」「スターウォーズ フォースの覚醒」
そして今年注目作の「エクスマキナ」「ブルックリン」にも出演
やさ男風だったのがヒゲが似合うのか、南部の男に見える、ちょっといい男になった。
そして、狩猟チームのメンバーの1人で、グラスの息子ホーク、フィッツジェラルドとともに、グラスを看取るために森の中に留まる
ブリジャー演じたのはウィル・ポールター。
2007年の「リトル・ランボーズ」がデビューで、以来「なんちゃって家族」「メイズ・ランナー」に出演。
復讐劇と自然との戦い=サバイバル を描く映画、大好物。
かなり楽しみだったので、早速初日に鑑賞。
先に簡単にあらすじを。
ハンターのヒューグラスは、狩猟チームのメンバーたちとの狩の途中、先住部族の待ち伏せに会い川を伝って逃走していた際、母親熊に襲われ瀕死の重傷を負う。隊長は、グラスを即席の担架に乗せて連れていくよう指示するが、メンバーの一人フィッツジェ ラルドは足手まといのグラスに止めを刺すよう迫る。グラスを殺すことができないヘンリーは、代わりにグラスの息子ホーク、フィッツジェラルドとブリジャーの3人に、グラスの最期を看取るよう頼み、わかれる。
普段からグラスを目の敵にしていたフィッツジェラルドは、チームが行ってしまうとグラスの口を塞いで殺そうとするが、ホークに見つかり阻止される。
が、フィッツジェラルドはホークを刺し殺してしまう。
その場にいなかったブリジャーはホークがいないことに気付くが、 フィッツジェラルドはいなくなったと嘘をつき、
敵が来て自分たちもやられてしまうとグラスに土をかけ置き去りにする。
最愛の息子の殺害現場の一部始終を目撃していたグラスは土から這い出し、フィッツジェラルドへの復讐を誓う。
そこから大自然との戦いがはじまる。
いや~、もうフツウに数えただけでレオ様最低10回は死んでるから
9/10(90点)
思わず数えちゃった。死んでるだろう!と思えた場面の回数。笑
面白かったので2時間半の上映時間もあっという間。
息をのむ死闘。クマとの冒頭での戦いがすごいリアルで凄まじい!
ストーリーは意外と単純といったらおかしいけど、死に直面した男が、復讐のために自らの生命力で蘇る。
でも、最終的には復讐しても死んだ息子は還らない。では、復讐することに意味はあるのか。を問う物語だけど
その過酷な状況下で生き延びるためのサバイバルに目が離せない。
母親クマとの戦いのほかにも極寒の大自然の中で、食べ物もなく、クサを食べたり冷たい川に入って生きた魚捕まえてそのまま食いちぎったり、
バイソンの生肉(レバー)を食べたり、寒さを凌ぐために、死んでしまった馬の臓物全部出して中に入って眠ったり、
そもそもマイナス27度での演技は身体を張っている。
火を起こしたり、どんな状況下においても知識と知恵は大事
そんな中でも、先住民、ポーニー族の男と出会い、ほんの数日一緒にいるシーンはすごく和んで
可愛いシーンだった。口をあけて降ってくる雪を食べるシーン。
その後、あんなことになるなんて。
クマの毛皮のコートがあって良かったね。ってつくづく思ったわ。
この大自然の中で繰り広げられる復讐物語はぜひ大画面で見て欲しい
撮影には、本作でもアカデミー賞撮影賞受賞。
近年ではオスカー常連のカメラマンとなった、エマニュエル・ルベツキが自然光のみで撮り上げたという臨場感ある映像も
リアルさを生み出して、見どころのひとつとして特筆すべきところ。
最終対決は、やっぱり銃で一息というのじゃつまらないし、格闘することが見せ場。
そして、最後には 自分の運命は「神のみぞ知る」、、、、というのもなるほどね、と思えるラスト。
イニャリトゥ監督作品は父親と息子がテーマになったものが多い。
生後数日で息子を失ったという経験をしたイニャリトゥだからこそなんだね。
去年アカデミー賞作品賞受賞の「バードマン」よりわたしは断然こちらの方が好みだったな。
次回作にも、期待
19世紀アメリカの広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラスは、狩猟チームメンバーの一人、ジョン・ フィッツジェラルドに見捨てられ置き去りにされてしまうばかりか、愛する息子を殺されてしまう…。“生きる”という純然たる意志だけを武器に、グラスは大 自然の脅威のなか、厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃を交わし、フィッツジェラルドに復讐を果たすため、300キロに及ぶ容赦ない旅を生き延びなければならない――。
映画『レヴェナント:蘇えりし者』予告編
イニャリトゥ監督は、アカデミー賞監督賞受賞で
2年連続で監督賞を受賞した人物として、ジョン・フォード監督、ジョセフ・L・マンキウィッツ監督と並んだ。
フォード監督は1940年と41年に「怒りの葡萄」と「わが谷は緑なりき」で、
マンキウィッツ監督は1949年と50年に「三人の妻への手紙」と「イヴの総て」で受賞を果たしている。
イニャリトゥ監督は、アカデミー賞の夜のスピーチで感激の涙でレオに感謝の意を述べた。「レオ、君こそが“レヴェナン ト”だ。ありがとう。君は、君の魂、優れた能力、人生のすべてを捧げてくれた。トム・ハーディ、すべてのネイティブ・アメリカンのキャストたち、すべての アメリカ人のキャスト……皆さんの信頼と才能に感謝します」。
イニャリトゥ監督は、プロデューサーのメアリー・ペアレントとスティーヴ・ゴリンに加え、
撮影のエマニュエル・ルベツキに対しても、「この旅路に光をもたらしてくれた」と感謝を述べた。
音楽は、カーステン・ニコライと、坂本龍一。
THE REVENANT 2015年 アメリカ 157min
4月22日より、公開中~
来日のレオ。