歴史上、〈絶対悪〉であるヒトラーが現代に甦り、
モノマネ芸人と誤解されて引っ張り出されたテレビの世界で大スターに
という小説が2012年にドイツで出版。
絶賛と非難ありの中、国内で200万部を売り上げて、日本を含む世界41カ国で翻訳!
タイムズのベストセラーリストでも堂々NO.1に輝いた小説が、まさかの映画化。
監督はドイツの新鋭デヴィッド・ヴェンド。
時は1945年。ヒトラー死亡──のはずがなぜか目覚めたヒトラーが起き上がると、そこは2014年のベルリンだった
街を歩き回ると、道行く人々は、ヒトラーのコスプレをしたモノマネ芸人だと思って笑った。
場所は変わり、リストラされたTVディレクターのザヴァツキは、カメラに偶然映り込んだそのヒトラーそっくり芸人を見て、
彼を売り込んで自らも復帰しようと思いつく。
原題にはどこにも「ヒトラー」とは入ってないのね。
そっくりさんが演じることの多い、ヒトラー役を今回演じたのは、舞台俳優のオリヴァー・マスッチ。
実は普通に若く渋いイケメン。
撮影期間中は毎日2時間かけて、人工の鼻、口周りのしわや口ひげが特殊メイクで施されたらしい。
プロットからして面白いので楽しみにしてました〜。
どんな歴史上の人物が現代に甦っても、それは面白いコメディが作れそうだとは思うけど、
それがあのヒトラーというところがやはりポイントなんだよね。
あれだけの恐ろしい事をしてきた、憎むべき独裁者。
6/10(67点)
珍しく予告編も劇場で見てしまってたんだけど、
この予告編うまく出来すぎてて、見どころ面白いシーン全部見せちゃってる。
本編は、ヒトラーが現代になぜか来てしまい、街の中歩き回って人々と交流のシーンが
TVディレクターとのロードムービー風に見せるので、だらだらと長すぎて途中で飽きて眠くなった。
リストラされた男がヒトラーを使って再起を図ろうとして絡んできて
実家に連れてったらおばあちゃんが本物だと見破るところが秀逸でした。
そりゃ憎きヒトラーが家になんてきたら憎悪で酷いだろうね。
実際は痙攣起こしたり、言葉も出ないほどになると思う。
(本当にそっくり)、という設定だから、芸人として人気が出るのも無理もないけど
その力強い扇動で再び民衆の支持を集めてしまうというのはやっぱりシニカルで、
ヒトラーがヒトラーである所以。
認めたくもないけど、それだけヒトラーが民衆の心をつかむ何かを心得ていたとも言える。
ちょっと可愛くも感じてしまうが実際は絶対そんなことはないので!! 笑
民衆の前で発言をする時、総統時代からヒトラーは
あえて沈黙を挟むことにより、後に発言する言葉に重みをもたせる。
彼の民衆の心をつかむため為のテクニックを心得ていた。
右傾化する現代社会の危険性や、民主主義の脆さを危惧しながら、シニカルコメディとして見せた
ということへの賞賛が多いのだと思う。
映画として完成度関係なく、そこまで引き込まれる感じがないので面白さで言えばわたしはそうでもなかったかな。
前半はイマイチつまらなく、後半よかった。
現代でも再び国民権を得たヒトラーは、やはり再びドイツを暗黒の時代へ導いていく、、、、というラストがよかった。
かつて彼を指導者に押し上げたのは民衆であり、でも現代になっても、それは同じ。
アメリカで作られた映画だったら皮肉ったコメディで終わっていたところを
ドイツが作った映画ということで、意味があるんだと感じた。
ナチス・ドイツを率いて世界を震撼させた独裁者アドルフ・ヒトラーが、現代によみがえる。そのうち、ヒトラーそっくり芸人としてバラエティ番組でドイツ政府に対して痛烈な“ツッコミ”を披露したヒトラーに視聴者は大喝采、モノマネ芸人として大ブレイク、熱狂的な支持を得て大スターとなる。そう、皆気づいていなかった。彼がタイムスリップしてきたホンモノで、69年前と全く変わっていないことを。そして、天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを。
『帰ってきたヒトラー』予告編
ER IST WIEDER DA/LOOK WHO'S BACK 2015年 ドイツ 116min
6月17日より、公開中〜
プレミアにて