2011年日本でも公開したドイツ映画で、
ちょっとおバカなヒューマンコメディ「ソウル・キッチン」のファティ・アキン監督作。
本作は第90回アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表
カンヌ映画祭ではパルムドールを争い、ダイアン・クルーガーが主演女優賞を獲得
移民排斥テロによって最愛の家族を奪われた女性が、
絶望と怒りの中で立ち向かう理不尽な現実とその顛末を描いた復讐サスペンスで
実際に起きたネオナチグループによる連続殺人事件をもとに人種差別やテロリズムを鮮烈に描く問題作。
カティヤに、ダイアン・クルーガー。
夫と息子、最愛の家族を突然、一瞬にして奪われた母親を演じたダイアンが素晴らしい。
この監督の映画って音楽もいつもよくて、
原題はアメリカのロックバンド、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの曲にちなんでいて
同ロックバンドのボーカル、ジョシュ・オムが手がける。
エンドロールでかかる曲も良くて歌詞が出てたので余計にしみた、、、
ドイツでの原題は「AUS DEM NICHTS」
1.家族
2.正義
3.海
という3部構成で テロ事件、法廷、海と舞台を移しながら描かれていく。
テロ事件はネオナチの若い夫婦の犯行だと推測され、
実行犯の男の実の父親の証言や、カティヤ自身が犯行当日その場で接触し顔も目撃していることから
友人の弁護士とともに戦い、法廷では有利かと思われたけど、はっきりした証拠がないのと
二人がギリシャのホテルにその日泊まっていたというアリバイを、ホテルの男がグルになって証言したことで
犯人夫婦は無罪になってしまう。
法廷で裁けなかった真実、残された母親の想いと復讐心はどこへ向かっていくのか。
8/10(82点)
その決断、辛すぎた
ラストは苦しくなって、涙が溢れてきた。
理不尽な判決から、被害者となった母親がさらなる苦しみが生まれるという展開、
そして若い犯人夫婦の悪びれもしない、解放されてからの言動に腹が立ち
復習するのは当たり前と感情移入しながら見入っていたんだけど
うわー、そうなってしまうか、、、、。
という彼女の決断が悲しすぎる。
世界各地でおさまることのない差別主義、テロ行為。
少しでもこういう悪の連鎖を生む行為が減って平和な世界になることを願わずにいられない。
ドイツ、ハンブルグ。トルコ移民のヌーリと結婚したカティヤは幸せな家庭を築いていたが、ある日、白昼に起こった爆発事件に巻き込まれ、ヌーリと息子のロッコが犠牲になってしまう。警察は当初、トルコ人同士の抗争を疑っていたが、やがて人種差別主義者のドイツ人によるテロであることが判明。愛する家族を奪われたカティヤは、憎しみと絶望を抱えてさまようが……。
AUS DEM NICHTS/IN THE FADE 2017年 ドイツ 106min
4月14日より、公開中〜
左、監督。
2017年カンヌ国際映画祭にて。
現、彼氏はノーマン・リーダス(ダリル〜)
そして、ダイアンと監督と弁護士役のデニス・モシットが先日来日してました