テツ君の次は、お兄ちゃんのヨウ君(6年生)のレッスンでした。
今年は、初夏に発表会をしようと思っているので、
私はヨウ君に「今日は、発表会の曲を決めようね 」と言いました。
これから卒入学を控え、何かと気ぜわしくなるヨウ君には、
早めに、発表会の曲に取り組ませた方がよいと思ったのです。
5曲程弾いてあげた中で、ヨウ君が選んだのは、
大人っぽいロマンチックな曲でした。
「やっぱり、これを選ぶと思っていたよ~
この曲、ヨウ君にピッタリだもの」
と言うと、とても嬉しそうでした。
「この曲を弾く頃は、ヨウ君は中学生だね。
中学生の子は、中学生らしい曲を弾かないとね。
この曲を弾いたら、絶対かっこいいよね」
「はい。」
「頑張ろうね。」
「テツは、どんな曲を弾くのですか?」
兄弟の常として、ヨウ君は、どうしても弟のテツ君の曲が気になるのです。
「テツ君もかっこいい曲を弾くと思うけど~
でも、テツ君は発表会の時も、まだ4年生だからね~
やっぱり子どもっぽい曲になるよね。」
と言うと、ヨウ君は安心したようなお顔で笑ってくれました。
帰る時に、何時もより深くお辞儀をしてくれたのは、
喜びの表れかな~と思ったのでした