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D君は、4歳の可愛い男の子です。
3週間に1度を目安に、ピアノの導入レッスンをしています。
D君はお喋りも上手で、理解力もあるのですが、
手指の力が弱いので、まだ本格的なレッスンは行っていません。
今は、ルービックキューブで遊ばせたり、塗り絵をさせたりして、
なんとか手指に筋肉を付けさせたいな~と思っているところです。
先週のレッスンの時は、積み木を使って遊びました。
くもんの このサイコロ積み木は、小さい子にピッタリなサイズで、
積んだり並べたりするのに好都合です。
先日のレッスンでは、この60個の積み木を使って、色々なことをやりました。
この積み木は、6面体の1面だけに、可愛い挿絵が描かれています。
私は「この積み木を、ぜ~んぶ、絵を上に向けて並べてね。」と言いました。
すると、D君は小さな手をクルンと曲げたり伸ばしたりして、積み木の向きを変え、
全ての積み木を、絵を上に向けて並べてくれました。
「D君、凄いね 積み木を全部、きれいに並べてくれてありがとう。」
私がそう言うと、D君は、得意そうなお顔で笑ってくれました。
大人にとっては簡単なこんな動作も、小さい子や、筋力の弱い子には難しい動作なのです。
そして、この様な動作は、手指の感覚を養い、
それと同時に筋力を付けるトレーニングになると思います。
全ての積み木を並べ終えた、D君の満足そうなお顔が忘れられません
期末試験が、間近に迫っています。
私は、そのことに気がつかず、
いえ、気がついてはいたのですが、遊んでばかりいました。
試験前の定番、本を読み出したのです。
読み始めると、もう、止まりません。
最後まで読んでしまいます。
そしてとうとう、「試験は明後日」という日になり。。。
数学の範囲を、1ページも勉強していない事に、改めて気付くのです。
あ~ もう、間に合わないな~数学は捨てようかなぁ?
それとも、世界史を捨てて、数学を少しでも勉強しようか?
さんざん迷った挙げ句、数学も、世界史も、全く手に付かず
結局、ノー勉のまま当日を迎え。。。
もう、終わったな。。。
。。。と思った途端、目が覚めました ああ~良かった。。。
あれっ?これって、練習ゼロでやって来る、生徒さんの気持ちかな?
読書をゲームに置き換えてみると、まさにこんな感じ?
そんなことを考えた、今朝の夢でした。
先日、主人の従姉の直子さん(仮名)とお話しをする機会がありました。
直子さんは優秀な方で、◯会の数学の問題を作っていた程の才媛です。
最近は、御家庭で数学の受験指導をしていました。
指導が丁寧で分かり易いので、人気の先生だったようです。
ところが去年、長年主催していた その塾を閉めてしまったとのこと。
その理由を尋ねてみましたら
「親御さん達に疲れたの。」とのこと。
あまりにも要求されることが多く、そのひとつひとつに対応していたら、
気持ちが萎えてしまったらしいのです。
例えば、振替授業の無理な要求~
成果が出なかった(点数が上がらなかった)時の苦情~
挙げ句の果てには、
「基礎はいいので、◯◯大学の受験対策だけお願いします。」と言われたり~
直子さんは、真面目で誠実な性格なので、その対応に疲れ果ててしまったようです。
ピアノ教師をしていても、親御さんの対応には、あれっ?と思うことがあります。
ピアノの先生や、絵の先生達と
「親御さん達はきっと、私達が入試に関係の無い習い事の教師だから、
言いたい放題になるのかしらね~」
「そうね、芸術系は、少し下に思われているのかもね。」
等と語り合うことがあるのですが、
受験の数学の先生に対してもそうだとは少し驚きでした。
時代の流れなのかもしれません。
1月28日の記事では、
M君(特別支援中1・自閉症児)に、ハ長調の曲をハ短調で弾かせた事を書きました。
https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/d/20190128
そして1週間後。。。
マサ君は、御家庭でもきちんと練習してきた様子で、私の前でも上手に弾けました。
「マサ君、きちんと練習して来てえらいですね。」
「はい、えらいです。」
「やっぱり、中学生は違いますね。素晴らしいです。」
「はい、素晴らしいです。」
マサ君は、嬉しそうにニッコリと笑いました。
私は合格のシールを貼って、その横に「とても上手に弾けました」と書きました。
そして私は、2ページ先のページを開いて、次回の宿題の説明をしようとしました。
するとマサ君が
「先生、違います。次は、この曲です。」と言うのです。
マサ君が指さしたのは、その日合格した曲の、次の曲です。
その曲は、ハ長調の曲をト長調に移調した曲でした。
私は3年前のことが印象深く残っていたので、
https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/e/69319b7809bd800132b6a8853ce78fc2
その曲は飛ばして、次の曲へ進めるつもりでいたのです。
ハ長調の曲をハ短調で弾くと、曲風が変わって別の曲みたいになるけど、
ハ長調の曲をト長調で弾くのは、まったく雰囲気が変わらないもの。。。
また、マサ君が混乱したら困るなぁ。。。
私はそう思いつつ、そのト長調に移調した曲を、ピアノで弾きました。
そして「マサ君、この曲を弾いてみたいですか?」と聞きました。
するとマサ君は「はい、弾きたいです。」と答えました。
なので、マサ君に右手だけを弾かせてみました。
「マサ君、この曲は前に弾いた曲に似ていますが、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。」
「同じ曲を、違う場所で弾くことになりますが、変な気分になりませんか?」
「大丈夫です。」
マサ君は、キッパリと言いました。
私は、私こそが、3年前の出来事に拘っていたことを非常に恥じました。
マサ君は成長し、3年前のマサ君ではないのです。
この3年間の間に、マサ君はピアノという楽器を弾くことに慣れ、
実際、本当に上手になりました。
その間に、以前の拘りが解けてしまったのでしょう。
私の方こそ、思い込みを解かしていかなければ。。。と思った出来事でした。