延岡から東九州道を経て都農(つの)町へ向かいました。
九州に入ってから、基本的に高速道路は使わないようにしていました。
めったに来ることのない九州を、高速道路で素通りしてしまうのは、あまりにも勿体なさすぎます。
どんな小さな村や町でも、東京から1000km以上もの距離を訪ね来たのですから、今まで出会ったことのない風景や生活を見逃すと旅の価値が半減すると思うのです。
しかし今回は、宮崎県中部の尾鈴山(1405m)を囲むように、訪問予定先が分散していますので、道路状況などを考慮すると、日向(ひゅうが)市と都農町の往復は高速道路を利用すれば訪問効率が良いと判断しました。
都農町は宮崎の北方約40kmに位置し、西は九州山地、東に日向灘を望む、人口1万人強の町です。
都農町ではブドウや梨などの果樹栽培が盛んですが、立野、轟地区では梅作りが盛んで、都農町は宮崎県で最大の梅の生産地だそうです。
立野地区には梅園を巡るウォーキングコースが整備されています。
高速道路を都農ICで下りましたが、目的地の都農町立野をナビが検索しないので、一旦国道10号線へ出て、コンビニで100円コーヒーを買って、店員さんに道を訪ねました。
教えてもらった道を進んで行くと、小高い丘の斜面に梅畑が広がっていました。
さすがは宮崎県。
北九州では雪の降る季節ですが、この場所は幾つかの畑で、梅の花が薄紅色に枝を染めていました。
この日は、風のない穏やかな陽射しの中、梅畑に霞がかかったような光景を見せていました。
梅園脇の作業道を、車でゆっくりと進んで行きます。
両側には、夥しい数の梅並ぶ畑が続いていました。
作業道の随所にウォーキングコースの案内板が設置されていました。
この案内板には「ここから見ても 向こう~まで 梅畑」
と書かれていました。
暖かな陽射しの日に、大麦パンにトマトサラダ、それに美味しく冷えた白ワインなどをザックに入れ、若草の上で、みんなでランチをすれば、素敵な休日が過ごせそうです。
コースの所々に溜池が現れます。
水温む季節となった池では、名も知らぬ水鳥が泳ぎ、木立の枝先も微かに赤味を帯びるように感じます。
都農で春の息吹を胸いっぱいに溜め、右手にのっとりと水を湛える日向灘を眺めながら、私は再び東九州道を日向へと戻って行きました。
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