頑張ってるクン プロトタイプ
シャフトの重量バランス(バランスポイント)
-バランスの取れるポイント(箇所)
は ゴルフクラブのカタログ では まず、絶対、
場合によってはシャフトメーカーのカタログ であっても
表に出てくることはありません。
シャフトを選ぶ際のポイントとして
まずは 硬さ(絶対条件)
そして 重量 …とは思うのですが
やれ キックポイントとかトルクとか ありますが、
この表に出てこない バランスポイント というのが
シャフトの 良い意味でも、悪い意味でも
最大の差 ~違い になるのでは と思います。
表に出て来ないので とても厄介 です。
製造業者である 私 であっても
各メーカーの、各機種の バランスポイントは
実物を手に取り 各パーツの重量を調べたり、
測らないと分からないケースが少なくありません。
正確に測るには クラブとして組付けられていない
シャフト単体の状態 が必要です。
シャフトは ご存知の通り
先端が細く、手元(グリップ側)が太くなっています。
サイズ(代表的なモノ) で言うと
●ウッドの場合 先端が 8.5mm グリップエンドが15.0mm
●アイアンの場合
グラファイト素材 9.4mm グリップエンドが15.0mm
スチール素材 9.0mm グリップエンドが15.0mm
細い部分である先端の強度を補強する為、
グラファイト素材の場合は 先端に弾性の高い(強い)素材を補強し、
スチール素材の場合は 金属素材の厚みで補強、
少々オーバーではありますが、外径(見た目)と反対に
内側は逆テーパーになっているような状態です。
蛇足ではありますが、
スチールシャフトの方が補強し難いにもかかわらず
グラファイトの外径より 細いのは 形状の違い です。
その素材が固定化、される頃は接着剤の素材が良くなかったため、
接着され難いスチールシャフトは
先端部をテーパー化して、接着面積を稼いでいます。
(グラファイト素材のそれは ほとんど パラレル です)
接着材の質向上がなされている為、
現在ではほとんど意味を成しませんが…。
故に バランスポイントは スチールの方がグッと先端寄りで
グラファイトシャフトの平均的なBP 52~54 に対し
スチールシャフトのそれは 48位になっており、
同じ長さ/同じヘッド重量 のクラブを組んだ場合、
数値上 グラファイトシャフトの方が スイングウエイトは大きく出ます。
その差は10~15g分位 あります。
昔からよく言われる 「グラファイトの方が飛ぶ」 のは
シャフトの素材のせいではなく、
重いヘッドが装着されているから なのです。
ですので 市販のユーティリティなど、
市販状態でグラファイト素材のシャフトが付いているモノを
スチールシャフトに変更する場合、
同じ長さでは作れないことが殆どです。
ウッドなどをスチール化する場合
数値上、同じバランスポイントにすると仮定すると
グラファイト ⇒ 45インチのモノ
スチール化 ⇒ 43.5~43.75 まで 短くなります。
これも蛇足ですが、
数値上のスイングウエイト(C-8とかD-0)は
シャフトの重さではなく、シャフトのバランスポイントの方が
圧倒的に効く、作用します。
同じシャフトのBP、 同じヘッド重量、 同じ長さ であれば
シャフトの重さを 40g ⇒ 80g 倍、3倍にしても
スイングウエイトは 全く同じ です。
ですので スイングウエイト は その言葉の意味とは異なり、
人間の感じ方 を表しているモノ では無い というコトです。
従来は スチールシャフトとグラファイトシャフトでは
明確なバランスポイントの違い、暗黙の基準 が有ったので
良かったのですが、最近では
アイアンはスチールシャフトがデフォルト(基準)状態の為、
グラファイトのウッドシャフトも BPをスチールに合わせているモノ
も多数、出現し、ひっちゃかめっちゃか状態です。
いろいろとバリエーションが増えるのは良いと思いますが、
グリップの重量にもバリエーションがあり、
シャフトの硬さやキックポイントにも明確な基準がないのに
表に出てこないBPにも 種類 が多いのは大変困ります。
どんな風に困るか というと
❶バランスポイントが先端寄り ~軽いヘッド装着 のモノに
軽いグリップを付けたモノ
❷バランスポイントが手元寄り ~重いヘッド装着 のモノに
重いグリップが付いたモノ
この二つが 数値上、スイングウエイト 場合があるのです。
シャフトが同じ重量であれば 総重量で判別するコトが可能ですが、
重いヘッド/グリップ - 軽いヘッド/グリップ、
その差分、シャフトが重かった場合(総重量が同じ)では
まったく 異なる作りのクラブなのに 判別が不可能 になる訳です。
また このケースで シャフトの長さは同じ、
シャフトの硬さ ~振動数上数値が同じ であると
軽いヘッド装着のクラブの方が 実質、シャフトは柔らかい のですが、
それは 長さは分かるにしても、
おおよそのヘッド重量が分らないと判別不可能です。
同じバックに入る
●ドライバー
●フェアウェイウッド
●ユーティリティ
●アイアン
●ウエッジ
これらの中に 上記の ❶と❷が混載されている可能性があっても
その数値が読み取れなくなります。
スイングウエイトの数値は同じでも
実質、ヘッド重量が10g差があったら どうでしょう?
同じ感じに振れるでしょう?
10g は 数値としては小さいように感じますが、
長い棒の先端、一番移動量の多い先端部分の10gの違いは
かなり大きいです。
一般的に 売られている 後付けの 鉛-2枚分の違い です。
1回打って 鉛を10g貼り、次は剥がして
を交互にやったら どっちが良いのか、悪いのか
スイングが悪いのか、タイミングが悪いのか
どっちが合ってるのか 訳分からなくなると思いませんか?
キックポイントなど曖昧な違い
総じて しなりの少ない硬いシャフトを使っている人が
圧倒的に多い この状態では
その 10g分、ヘッド重量が異なってしまう
バランスポイントの方が ショットにもスイングにも大きく作用します。
しかも それが あまり話題、
クラブ選びの基準にもなっていないのです。
なんだかなぁ。。。 って思います。