日本選手権が終了しました。
正確には「2011年度競泳国際大会代表選手選考会(東日本大震災復興支援チャリティー大会)」が終了しました。
東日本大震災が発生し、多くのイベントが自粛または中止といった形を取った中での選考会。
開催して頂いたことに感謝です。
反対意見も多くあるでしょうし、不謹慎といった考えもあるでしょうが、やはり私個人としては開催すべきであると思っていました。
私がパン屋ならばパンを作って売ること
漁師ならば魚を捕ること
教師ならば授業をすること
それぞれの職業にはそれぞれの「幹」があるのです。
やれることが限られているのです。
我々水泳コーチは水泳を教えることが幹にあります。
その幹から沢山の生活指導、人間形成、などの枝葉が出ているのですが、それでもやはり水泳指導が幹なのです。
義援金を出さない人は被災者のことを心配していないと誰が言い切れるのでしょうか?
パン屋がパンを販売したら「こんな大変なときに自分のことだけを考えて金儲けをしている」とでもいうのでしょうか?
これらは不謹慎なことなのでしょうか?
今不謹慎なのは与えられた環境を、与えられた時間を無駄に過ごすと言うことだけです。
せっかくの泳げるチャンスを頂いたのだから「全力で立ち向かう」ことです。
全力で立ち向かえたのであれば胸を張ればよいと思います。
今回、冨田と長谷川が世界選手権の代表内定がTV放映されていたので間違いないと思います。
菜月はいよいよ頭の中を変えなければなりません。
世界選手権でメダルを獲ることにシフトしなければなりません。
でもこれは簡単な事ではありません。もっともっと世界を肌で感じなければいけないと思います。
トミーは草薙コーチがしっかりとサポートしますから安心ですね。
健太も50mでは優勝することが出来ましたが、多くの反省の残る試合となりました。
次回のチャレンジまで365日を切っています。
365日で0.5秒と2秒伸ばす取り組みをする。
迷っている間に時間は過ぎていきます。
渚は日本選手権での決勝は想いの強さが達成できたことですが、今回のレースは総合ではやはり反省の残るレース。
諒はベストと予選ベストだが0.1秒の重みを実感した試合。
久司は練習中の安定感が必要であると感じた試合。
未侑は出足を徹底して練習した成果が出て決勝に進出したが、ストロークの見直しが必要。
栞は出足で離されたままの差がついたレース。準備の大切さを学んだ試合。
沙羅も頑張っているのに思い通りにならない葛藤があると思います。それでも諦めないこと。
彩香はベストでも勝てない悔しさを学び、負けたときの在り方を学んだ試合。
夏菜はベストでもまだ力不足であると実感した試合。
翔太も決勝で泳げたが複数回泳ぐ力不足。
そして富山は今回は悔しさが残る試合でした。しかし夏にきらら山口で笑っていられることを信じて頑張ろう。
こうやって書き出すと同じ事ばかり言いますが
「成功」を「結果」で定義したらコーチは成功することのない因果な商売だなあと思います。
一人が優勝したらそれ以外は優勝できないし、ベストが出ても勝てなければ悔しさも残る。
今回の試合で0.03秒で派遣標準を突破できなかった選手とコーチのやりとりを目の当たりにした
悔しくて落ち込んでも良さそうな状況の中
「さあ次は100mバタフライ!」
と声をかけ、すぐに準備をしていた選手とコーチ
私はこれが正しい水泳教育だと思う。
ふてくされ、やけになり何を水泳から学ぶのか?
それをしてこの先何を後世に伝えていくのか?
「苦しくても、次こそは、と思うことができたから頑張れた」
という話を高橋監督から聞くことが出来た。
今の学生も語り継ぐことの出来る取り組みを一緒にしていきたいと思った。
今日、恵里奈が泳いでいる姿を見ることが出来た。
翔太がウエイトをしにプールに来ていた。
それぞれの想いを胸に動き出している。