「~あれは小心者だ。ただ単に叱られるのが怖かったのだ。子供のように。臆病者なら使い道がある。うまく育てれば、臆病が転じて慎重な警官になるかもしれない。無謀なものよりよほどいい。どうにもならなくても、内勤にまわせばそつなくやっていくだろう。だが、川藤のようなしょうしんものはいけない。あれは仲間にしておくのが怖いタイプの男だ。誤魔化そうとしたのが鍵のかけ忘れ程度ならかわいいものだ。実害はない。しかし、次もそうだとは限らない。こういう部下を持つのは初めてではない。胃のあたりに不快な塊を感じる。」~夜警~