「粘り強い交渉」

「う～・・・ん」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
猫というのは、飽きっぽいように見えて実はものすごく辛抱強い動物だと思うのです。個体差はあるかもしれないけれど、ジュリアは自分の希望を叶えるためなら、かなりの時間要求し続けます。こんな風に目で訴えて来たり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「（わかるよね。わかってるよね？）」
口を開けずに聞こえるか聞こえないかの小さい声で鳴いて来たりして。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「（わかんないの？　しんじらんないっ）」
あれ？　怒っちゃったかな？　この時のジュリアの要求は、お水をリビングで飲みたいから、ボウルを手に持ってジュリアの飲みやすいところまで持ち上げて飲ませてくれというものでして。なーんて横着というか虫がいいお願いでしょう。こっちこそ信じられないわ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ふぇ～んふぇ～ん「（もぉ、いいもん！）」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「ミズビタシにしてやるぅ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「ふんっ！」
飲むのそっちのけで、水遊びに興じるジュリアさんでした。