天地創造について、質問がありました。
バチカンのシスティーナ礼拝堂の天井壁画は、ミケランジェロが描いた天地創造です。天地創造とは、旧約聖書の創世記のことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/c3/414550f405d736112863c96a08c5e384.jpg)
このシスティーナ礼拝堂は、正面の祭壇画が最後の審判です。描いたのは、ミケランジェロで、60歳から66歳までの6年間です。天井壁画の方は、33歳から37歳ですから、大変な天井画の方が期間が短いですね。それは、若いからですね。
両サイドの壁の絵は、ボッチチェリーの絵が3枚ありますが、ボッチチェリーを中心に14名の画家たちが集められて制作をしました。この話は、また後でお話しします。
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さて、天井画ですが、これはフレスコ画という技法で描かれています。ミケランジェロは、画家ではないと言って断ったようですが、ブラマンテという芸術家がユリウス2世に入れ知恵して、ミケランジェロにやらせたようです。きっと上手くいかないで、恥をかくだろうと想像したようです。
ミケランジェロが生意気なので、恥をかかせてやろうという狙いだったようです。
しかし、現実には、ものすごい絵を描いてしまいました。
実際ミケランジェロはフレスコについては素人だったので、フレスコの技術を学ぶために5人の画家を雇っています。そして、描いたのがノアの洪水の部分です。人間の数が多いので、みんなで描いたことがわかります。しかし、絵が下手過ぎると言って、すぐに首にしてしまいます。
だから、後は、全て一人で描きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/13/a180a2feef094fde362b958922f6b703.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/cd/d94d01e88d45ff23aceedcb7db71024d.jpg)
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父親に向けて、愚痴の手紙を描いています。一緒に描いている画家が下手過ぎて使えないから、一人でやらなければならない。とても一人ではやれそうもない。という内容でした。
実際、ミケランジェロは、体をおかしくしてしまいます。天井に描くため、体を弓のように反り返って、上を向いて描くのです。しかも絵具が垂れてきます。そのために目をやられました。
着のみ着のまま、長靴も履いたまま、あるとき長靴を脱いだら足が蒸れて、足の皮が剥けて長靴に張り付いて来たと何かの本に書いてありました。
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内容は、旧約聖書の創世記ですから、神がまず、光と闇を分けましたということから始まります。その後、天と地を分け、月と太陽を作り、---と進めて、どろんこ遊びをしながらアダムを作ります。アダムのあばら骨を一本取り出して、イブを作りました。
二人は、エデンの園で永遠の命を与えられて、楽しく過ごしていましたが、食べてはいけない木の実をイブが蛇にそそのかされて、食べてしまいます。そして、それをアダムにも食べさせました。善悪を知る実だったのです。
二人は裸であることに気が付いて、知恵も持つようになります。それを知った神は怒り、二人をエデンの園から追放しました。これを楽園追放と言います。
その後、その罪を原罪と言います。だからその後の子孫は全てその罪を背負っているというのです。人間は生まれながらにして罪人であるというのは、このことだそうです。
そして、アダムは額に汗して働け、イブは子どもを産まなければならないとなりました。そして、永遠の命は無くなり、死ななければならなくなりました。
ということが、旧約聖書の内容です。
しかし、天井画には、そんなに詳しく描くわけにはいきません。
これはもう天地創造ではないでしょうが、ノアの洪水の絵があります。
これは、人間が増えすぎて、神を信じない傲慢な存在になったので、神が怒った話です。神を信じるノアだけにお告げがあり、大陸の真ん中で水もないところに大きな船をつくるように言われました。そして、この世に存在する動物を一組みづつ入れるように指示されました。人々は、その行動をみんなで笑いました。海も川もないところに馬鹿でかい船を作ったからです。しかし、その後、大嵐が来て、大洪水になりました。その雨は40日40夜続きました。人々はみんな溺れて死んでしまいました。
そういう話です。
それがノアの洪水という絵になっています。
最後はノアの泥酔という絵で、ノアが酔っ払って横になっている絵です。その部分だけ、どういう意味なのか私は知りません。なぜその部分を描いたのかなと疑問に思っています。ノアは、950歳まで生きたと書いてあったように思います。その頃の人間は、みんな長生きですね。500歳で子どもを産んだというのもあったような気がします。もちろんノアは男ですから、奥さんが生んだのですが、そのように書いてありました。
ーーーーー
天井壁画の内容を解説すると以上のようになります。
聖書では、神は6日間でこの世を作られたとありました。そして、7日目に休まれたと。だから、一週間は7日間なのだそうです。
これを生徒に話したら、「へええええええーーーーー」と感心していました。
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結局4年かけて完成しました。最近どのように足場を組んだのかが、解明されました。足場にするために、鉄の柱を横壁に穴を空けて通し、それを使って足場を作ったようです。最近修復が行われましたが、その時にもその方法が使われたようです。
そのことは、以前お話ししましたね。
ブラマンテが、天井からブランコのように吊るして、作ったらどうだとミケランジェロに言ったそうですが、じゃあ、その吊るした時に空けた穴はどうするんだとミケランジェロが言ったという話がありました。ブラマンテは、そのときになったら考えればいいさと言ったとか。
ミケランジェロにユリウス2世が、進み具合を尋ねて、「後どのくらいで完成するか」と質問した時、「できた時が完成だ」と答えたとか。とにかく生意気でしたね。
食べ物は非常に質素で、パンとぶどう酒だけだったとか。父親が心配して「もう少し普通の生活をしなさい」と手紙に書いて送ったという話もあります。制作途中のミケランジェロを弟が見て、父に報告したようです。
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この話は、いろいろあって書き切れませんが、ひとまずこのくらいにしておきます。長くなってすみませんでした。
ご質問いただいたことの答えになっているでしょうか。
バチカンのシスティーナ礼拝堂の天井壁画は、ミケランジェロが描いた天地創造です。天地創造とは、旧約聖書の創世記のことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/c3/414550f405d736112863c96a08c5e384.jpg)
このシスティーナ礼拝堂は、正面の祭壇画が最後の審判です。描いたのは、ミケランジェロで、60歳から66歳までの6年間です。天井壁画の方は、33歳から37歳ですから、大変な天井画の方が期間が短いですね。それは、若いからですね。
両サイドの壁の絵は、ボッチチェリーの絵が3枚ありますが、ボッチチェリーを中心に14名の画家たちが集められて制作をしました。この話は、また後でお話しします。
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さて、天井画ですが、これはフレスコ画という技法で描かれています。ミケランジェロは、画家ではないと言って断ったようですが、ブラマンテという芸術家がユリウス2世に入れ知恵して、ミケランジェロにやらせたようです。きっと上手くいかないで、恥をかくだろうと想像したようです。
ミケランジェロが生意気なので、恥をかかせてやろうという狙いだったようです。
しかし、現実には、ものすごい絵を描いてしまいました。
実際ミケランジェロはフレスコについては素人だったので、フレスコの技術を学ぶために5人の画家を雇っています。そして、描いたのがノアの洪水の部分です。人間の数が多いので、みんなで描いたことがわかります。しかし、絵が下手過ぎると言って、すぐに首にしてしまいます。
だから、後は、全て一人で描きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/13/a180a2feef094fde362b958922f6b703.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/cd/d94d01e88d45ff23aceedcb7db71024d.jpg)
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父親に向けて、愚痴の手紙を描いています。一緒に描いている画家が下手過ぎて使えないから、一人でやらなければならない。とても一人ではやれそうもない。という内容でした。
実際、ミケランジェロは、体をおかしくしてしまいます。天井に描くため、体を弓のように反り返って、上を向いて描くのです。しかも絵具が垂れてきます。そのために目をやられました。
着のみ着のまま、長靴も履いたまま、あるとき長靴を脱いだら足が蒸れて、足の皮が剥けて長靴に張り付いて来たと何かの本に書いてありました。
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内容は、旧約聖書の創世記ですから、神がまず、光と闇を分けましたということから始まります。その後、天と地を分け、月と太陽を作り、---と進めて、どろんこ遊びをしながらアダムを作ります。アダムのあばら骨を一本取り出して、イブを作りました。
二人は、エデンの園で永遠の命を与えられて、楽しく過ごしていましたが、食べてはいけない木の実をイブが蛇にそそのかされて、食べてしまいます。そして、それをアダムにも食べさせました。善悪を知る実だったのです。
二人は裸であることに気が付いて、知恵も持つようになります。それを知った神は怒り、二人をエデンの園から追放しました。これを楽園追放と言います。
その後、その罪を原罪と言います。だからその後の子孫は全てその罪を背負っているというのです。人間は生まれながらにして罪人であるというのは、このことだそうです。
そして、アダムは額に汗して働け、イブは子どもを産まなければならないとなりました。そして、永遠の命は無くなり、死ななければならなくなりました。
ということが、旧約聖書の内容です。
しかし、天井画には、そんなに詳しく描くわけにはいきません。
これはもう天地創造ではないでしょうが、ノアの洪水の絵があります。
これは、人間が増えすぎて、神を信じない傲慢な存在になったので、神が怒った話です。神を信じるノアだけにお告げがあり、大陸の真ん中で水もないところに大きな船をつくるように言われました。そして、この世に存在する動物を一組みづつ入れるように指示されました。人々は、その行動をみんなで笑いました。海も川もないところに馬鹿でかい船を作ったからです。しかし、その後、大嵐が来て、大洪水になりました。その雨は40日40夜続きました。人々はみんな溺れて死んでしまいました。
そういう話です。
それがノアの洪水という絵になっています。
最後はノアの泥酔という絵で、ノアが酔っ払って横になっている絵です。その部分だけ、どういう意味なのか私は知りません。なぜその部分を描いたのかなと疑問に思っています。ノアは、950歳まで生きたと書いてあったように思います。その頃の人間は、みんな長生きですね。500歳で子どもを産んだというのもあったような気がします。もちろんノアは男ですから、奥さんが生んだのですが、そのように書いてありました。
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天井壁画の内容を解説すると以上のようになります。
聖書では、神は6日間でこの世を作られたとありました。そして、7日目に休まれたと。だから、一週間は7日間なのだそうです。
これを生徒に話したら、「へええええええーーーーー」と感心していました。
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結局4年かけて完成しました。最近どのように足場を組んだのかが、解明されました。足場にするために、鉄の柱を横壁に穴を空けて通し、それを使って足場を作ったようです。最近修復が行われましたが、その時にもその方法が使われたようです。
そのことは、以前お話ししましたね。
ブラマンテが、天井からブランコのように吊るして、作ったらどうだとミケランジェロに言ったそうですが、じゃあ、その吊るした時に空けた穴はどうするんだとミケランジェロが言ったという話がありました。ブラマンテは、そのときになったら考えればいいさと言ったとか。
ミケランジェロにユリウス2世が、進み具合を尋ねて、「後どのくらいで完成するか」と質問した時、「できた時が完成だ」と答えたとか。とにかく生意気でしたね。
食べ物は非常に質素で、パンとぶどう酒だけだったとか。父親が心配して「もう少し普通の生活をしなさい」と手紙に書いて送ったという話もあります。制作途中のミケランジェロを弟が見て、父に報告したようです。
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この話は、いろいろあって書き切れませんが、ひとまずこのくらいにしておきます。長くなってすみませんでした。
ご質問いただいたことの答えになっているでしょうか。