7月の読書メーター
読んだ本の数:34
読んだページ数:11397
ナイス数:4528
心にいつも猫をかかえての感想
猫・猫・猫のエッセイと4編の猫にまつわる物語。村山さんが今まで一緒に暮らした猫のエピソードや縁のあった猫のこと、可愛い写真と共に。素敵な1冊でした。猫好きさんにお薦めです♪
読了日:07月01日 著者:村山 早紀
侵略者(アグレッサー)の感想
訓練中のF15戦闘機が不明機に襲撃され、撃墜された。パイロット2名は機体から脱出し目覚めた時には謎の組織の潜水艦の中にいた。独立国家ラースランドを名乗る組織、彼らの真の目的。終盤のハラハラドキドキ、一気に読了。しかし、あのラストは…。
読了日:07月03日 著者:福田 和代
十年屋 4 ときどき謎解きいたしますの感想
相変わらず執事猫のカラシちゃんが可愛い!今作は記憶を無くした青年や、秘密を預ける女の子も。封印屋のボーさん、頑張れ!
読了日:07月03日 著者:廣嶋 玲子
さよなら願いごとの感想
可愛らしい表紙とは違って、かなりヘビーなミステリーでした。「願いごとツユクサ」の不穏なラスト、「おまじないコスモス」の中学生、「占いクレマチス」の新聞部員の女子高生。「花をつなぐ」で全部つながってスッキリ。面白かったです!
読了日:07月04日 著者:大崎 梢
地に滾るの感想
「天を妬く」から間が開いてしまったけど、読み始めると一気に藤士郎と左京の魅力に引き込まれました。真っ直ぐな藤士郎とクールな左京、天羽藩の下屋敷へ浸入。そして悲しくも犠牲になった石田。物語は再び天羽の地へと、早めに次作も読みたいですね。
読了日:07月06日 著者:あさの あつこ
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂13の感想
銭天堂に迫り来る六条研究所!狙われている事実を紅子さんがキャッチ、さて次巻はいよいよ全面対決か?ぴったりピーナッツとヒップホップコーンは食べてみたいです。次巻も楽しみです。
読了日:07月06日 著者:廣嶋玲子
しゃもぬまの島の感想
上畠菜緒さん、初読み。「しゃもぬま」とは人を天国へと導く幻獣。島を離れた祐の元に現れた「しゃもぬま」、夢なのか現なのかよく理解出来ないままでした。とにかく疲れる1冊。
読了日:07月07日 著者:上畠 菜緒
看守の流儀の感想
城山真一さん、初読み。加賀刑務所の敏腕刑務官・火石司、火石が担当する元人気歌手の三上。刑務所で起こる様々な事件や謎を解き、最終章で仕掛けが明かされる。なるほど、全く気付かなかった!火石が何故そのようになったのか、もうちょっと読みたかったかも。読みやすく面白かったです。
読了日:07月07日 著者:城山 真一
ブラッド・ロンダリングの感想
新人刑事・真弓倫太朗と先輩女性刑事・二階堂汐里。都会で起きた変死事件と奈良十津川村の限界集落で起きた自殺事件を追う。加害者家族の背負う過酷な運命と、倫太朗の過去、汐里が抱えるもの。ブラッド・ロンダリングの意味が切ない。
読了日:07月08日 著者:吉川英梨
ボニン浄土の感想
1840年、嵐で難破した五百石船が、ある島に漂着した。青い目の住人が「ボニン・アイランド」と告げたその島から物語は始まる。家族に縁が薄く妻子と別れて暮らす恒一郎、心に傷を負いチェロが弾けなくなった賢人。二つの家族に秘められた歴史と再生の物語。宇佐美さんの今までの作風と少し違っているが、とても読み応えがあり面白かったです。
読了日:07月09日 著者:宇佐美 まこと
首都圏パンデミック (幻冬舎文庫)の感想
新型インフルエンザL型により、人口300人ほどの五島列島の島が全滅…。東京で起きた製薬会社の男性の不審死、タイでは脳にコイルを埋め込まれた記憶喪失の男性。新型ウイルスに感染した乗客を乗せた旅客機が羽田に向かう。息をも継がせぬ面白さで一気読み。製薬会社の陰謀。。今のコロナ騒動も人為的な流行だとしたら恐ろしい。この作者さん、3冊読了しましたが全部面白い!
読了日:07月10日 著者:大原 省吾
魔女たちは眠りを守るの感想
とても素敵でちょっと物悲しい1冊。長い時を生きる魔女たちと短い命を懸命に生きる人とのふれあい。「天使の微笑み」「雨のおとぎ話」「ある人形の物語」が良かった。どこかの町の片隅でひっそりと暮らしている魔女、わたしも会ってみたい。
読了日:07月11日 著者:村山 早紀
夜の向こうの蛹たちの感想
ベテラン作家の織部妙と新人作家の槁本さなぎ、その秘書の初芝祐。3人の女の心理サスペンス、妙の煮え切らなさと咲子のしたたかさが印象に強く残りました。
読了日:07月11日 著者:近藤史恵
女神のサラダの感想
農業をテーマにした8つの短編集。様々な年代の農業に関わる女性たちの素敵なお話です。レタス・茄子・馬鈴薯・アスパラガス・レモン・チーズ・オリーブ・トマト。「月夜のチーズ」「オリーブの木の下で」が特に印象的でした。
読了日:07月12日 著者:瀧羽 麻子
公安狼 (文芸書)の感想
学生時代の恋人・久美子を自爆犯に仕立てて殺害したテロリストを追う公安刑事・唐沢。かつてテロ組織のグループ・アノニマスに関わった唐沢を忌み嫌う井川。井川の傍若無人ぶりは解りやすいけれど、公安ってこんな人がいるの?黒幕が判明しても逮捕出来ずにモヤモヤ、先が気になって読み進めたけど、まあまあでした。
読了日:07月14日 著者:笹本稜平
囚われの山 (単行本)の感想
歴史雑誌の記者である菅原が、明治35年1月の八甲田山雪中行軍遭難事件に隠された謎を追うストーリー。冬山の過酷さ、当時の軍部の非情さ、隠されていた兵士の存在等読み応えは素晴らしかった。ただ、菅原の離婚問題や桐野編集長とのあれこれは邪魔に感じた。山に人生に囚われることを作者は表したかったのかと思うのだけど。
読了日:07月16日 著者:伊東 潤
小路幸也 少年少女小説集 (ちくま文庫)の感想
少年少女が主人公の短編が11編。「林檎ジャム」・「Fishing with My Brother」・「コレッタの夏休み、冬休み」が特に好みでした。やはり長編の方が小路さんの良さが出るかな?
読了日:07月16日 著者:小路 幸也
調印の階段の感想
日本史の授業でさらっと習った記憶がある「重光葵」、葵を「まもる」と読むことすら知らなかった私。何と素晴らしい外交官だったのでしょう。上海で爆弾テロに遭い右足を失い、不自由になった身体をおして日本の国益のため、平和のために尽くしたその生涯。戦争終結の調印に臨むミズーリ号の長い階段、日本の国連加盟。読みごたえのある1冊でした。
読了日:07月18日 著者:植松 三十里
不信の鎖 警視庁犯罪被害者支援課6 (講談社文庫)の感想
シリーズ6作目。ブラック企業で有名なハウスメーカー社長の娘が殺害され、2年後に別な窃盗事件で逮捕された犯人が犯行を自供した。被害者の父はワンマンで扱いの難しい人物。怒りを爆発させる父親・大崎と再度向き合う村野。実行犯の裏にいる人物は簡単に予想出来てしまうが、執拗に絡む週刊紙記者とダメ部下がどうなるかが興味深く一気に読了y。長住くん、これからどうなるか?
読了日:07月19日 著者:堂場 瞬一
夢は捨てたと言わないで (単行本)の感想
舞台は吉祥寺の総合スーパー・エブリのイベントスペース❨アキチーナ❩。戦力外通告を受けエブリに就職した元プロ野球選手の樫村栄治とアルバイトの売れないお笑い芸人4組は「うつけ」と呼ばれる4代目社長の命で「お笑い実業団」を立ち上げる。スーパーの惣菜売り場で働く芸人たちの「笑い」への思いと経営の実験を握る専務とのバトル。笑えて泣けてラストはスッキリ、極上のエンタメ小説を堪能しました。お薦めします!
読了日:07月20日 著者:安藤 祐介
凍結捜査 (集英社文庫)の感想
大雪の北海道大沼で発見された射殺死体は、暴行事件で被害届を出されていた平田という男だった。被害を受けた水野珠希は失踪し、その後東京のホテルで射殺される。2つの事件を追う神谷と凛。警察組織が隠そうとする事実。このシリーズ、やはり面白い!
読了日:07月21日 著者:堂場 瞬一
生かさず、殺さずの感想
認知症専門病棟で、癌や糖尿病などの認知症患者をどのように治療するか。医長の三杉のもとに元同僚で売れない作家の坂崎が「取材」と称してやって来て。看護師の苦労と奮闘、過剰要求する家族、坂崎の不穏な行動と盛りだくさんだが、認知症のリアルは恐ろしい…。出来ればかかりたくないですね。
読了日:07月22日 著者:久坂部羊
羊の国のイリヤの感想
食品偽装の告発にからみ、子会社に左遷された平凡なサラリーマン・入矢悟。冤罪で逮捕され家庭は崩壊し、ドン底に。一人娘・優花は半グレが経営する悪徳プロダクションの手に陥ち、娘を救出するために入谷は闇の世界へ。深読みせずに純粋にストーリーを楽しめば良し!四科田とまた会えて、悪い奴をバッサリやって欲しいので続編希望。
読了日:07月23日 著者:福澤 徹三
ヒポクラテスの試練の感想
元都議会議員が急な腹痛で急死、肝臓がんが原因と見られたが光崎教授の解剖で寄生虫・エキノコックスが原因と判明した。2例目の死者が出て本格的な捜査に当たる古手川刑事とチーム光崎。ヘドが出そうな視察旅行の実態と原因となった食材、何より恐ろしい「人の毒」。後半はテンポ良くストーリーが展開して一気読み。面白かったです。
読了日:07月23日 著者:中山七里
チーム・オベリベリの感想
宣教師が開いた横浜の共立女学校で学んだ鈴木カネは兄の友人・渡辺勝に嫁ぎ北海道十勝の原野へ渡った。オベリベリとは帯広のこと。未開の原野での過酷な暮らし、「私たちの代が捨て石になるつもりでやっていかなければこの土地は私たちを容易に受け入れてはくれない」、北海道の今を造り出した先人たちの物語。七年間を描いた667ページは圧巻!
読了日:07月25日 著者:乃南 アサ
全部ゆるせたらいいのにの感想
子育て中の千映は夫の飲酒に悩む。その根底には父のアルコール依存症が…。高校の後輩だった夫の宇太郎の幼稚さに辟易しながら読み進めると千映の母、そして父の視点での章へと。アルコール依存症患者の家族の苦しみと、母親の無責任さとも共依存とも思える無力さ、辛く重い読書になった。宇太郎との未来に光が見えるラストで良かった。
読了日:07月26日 著者:一木 けい
あめつちのうたの感想
甲子園球場を裏で支える「阪神園芸」に入社した雨宮大地は、家族への鬱屈を抱えている。才能に恵まれた弟と、弟の成長と活躍だけを見つめる父親。不器用で自分に自信を持てない大地が「選べなかった運命」に悩む仲間達と関わりながら成長して行く物語。野球とそれを支える大勢の人々、夏の甲子園は見られないけれど、この本にすっかり魅了された。お薦めです。
読了日:07月26日 著者:朝倉 宏景
十字架のカルテの感想
重い罪を犯した人物の精神鑑定がテーマ。刑法39条で守られる加害者には釈然としないが、本当に病んでいるのか詐病なのかを真摯に鑑定する医師の存在は不可欠。冷静な影山医師と助手の弓削凛、この二人の活躍をもっと読みたいと思った。
読了日:07月26日 著者:知念 実希人
虜囚の犬の感想
心に大きな傷を負い引き込もって主夫業をしている元家裁調査官・白石洛の元に、同級生で刑事の和井田が訪れてかつて白石が担当した少年・薩摩治郎の殺害事件を告げる。治郎の自宅には監禁された若い女性と白骨化した複数の遺体…。監禁・虐待のシーンは痛々しくて読むのが辛い、しかし先が気になり一気読み。虐待の連鎖とマインドコントロールの恐ろしさ、真犯人はまさかの。。
読了日:07月28日 著者:櫛木 理宇
人を乞うの感想
政が変わる様を見届けるために天羽に帰ってきた伊吹藤士郎。母や姉との砂川村での穏やかな暮らしが始まるかと思いきや…。登城の命を受けた藤士郎と左京に告げられた非情な沙汰、友の命を救い天災と戦う。政の闇に押し潰されそうになっても負けなかった藤士郎。一途な若者の成長譚、姉・美鶴の明るさが良いアクセントになっていた。
読了日:07月28日 著者:あさのあつこ
なさけ <人情>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)の感想
実力派女流作家の時代小説アンソロジー。西條奈加さんの『善人長屋』は既読。田牧大和さんの『海の紺青、空の碧天』がとても良かった!
読了日:07月29日 著者:宮部 みゆき,西條 奈加,坂井 希久子,志川 節子,田牧 大和,村木 嵐
冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)の感想
シリーズ第5弾。今巻の依頼主は老中松平武元、邪魔立てする政敵や立ちはだかる虚・道中奉行、くらまし屋の活躍にハラハラドキドキ!新しい展開が見えて来たようです。そしてくらまし屋たちの過去や出自も明らかに。大名行列のすれ違いにニヤリ。次はくらまし屋とお庭番のタッグかな?
読了日:07月30日 著者:今村 翔吾
バケモンの涙の感想
歌川たいじさん、初読み。戦時中、飢えに苦しむ子供たちを救うため、幼い頃に食べたポン菓子の製造機を作ろうと単身北九州戸畑に乗り込んだ大阪のいとはん「トシ子」。迫り来る空襲、周囲の無理解、鉄の不足を乗り越えて第1号機が出来るまで。トシ子が作ったポン菓子製造機は、戦後の復興にも寄与することになる。実話を元にしたフィクションと言うことですがドラマ化しても感動を呼びそうです。
読了日:07月31日 著者:歌川 たいじ
銀翼の死角 警視庁文書捜査官 (角川文庫)の感想
文書捜査官シリーズ、もう第7弾になっていたのですね。今作はハイジャック犯と交渉するSITの手伝いに駆り出された文書解読班。犯人が持ちかけた推理ゲームに対応するため。内容は面白かったけど、文書捜査官が関わる必然性があったのかしら?
読了日:07月31日 著者:麻見 和史
読書メーター
読んだ本の数:34
読んだページ数:11397
ナイス数:4528
心にいつも猫をかかえての感想
猫・猫・猫のエッセイと4編の猫にまつわる物語。村山さんが今まで一緒に暮らした猫のエピソードや縁のあった猫のこと、可愛い写真と共に。素敵な1冊でした。猫好きさんにお薦めです♪
読了日:07月01日 著者:村山 早紀
侵略者(アグレッサー)の感想
訓練中のF15戦闘機が不明機に襲撃され、撃墜された。パイロット2名は機体から脱出し目覚めた時には謎の組織の潜水艦の中にいた。独立国家ラースランドを名乗る組織、彼らの真の目的。終盤のハラハラドキドキ、一気に読了。しかし、あのラストは…。
読了日:07月03日 著者:福田 和代
十年屋 4 ときどき謎解きいたしますの感想
相変わらず執事猫のカラシちゃんが可愛い!今作は記憶を無くした青年や、秘密を預ける女の子も。封印屋のボーさん、頑張れ!
読了日:07月03日 著者:廣嶋 玲子
さよなら願いごとの感想
可愛らしい表紙とは違って、かなりヘビーなミステリーでした。「願いごとツユクサ」の不穏なラスト、「おまじないコスモス」の中学生、「占いクレマチス」の新聞部員の女子高生。「花をつなぐ」で全部つながってスッキリ。面白かったです!
読了日:07月04日 著者:大崎 梢
地に滾るの感想
「天を妬く」から間が開いてしまったけど、読み始めると一気に藤士郎と左京の魅力に引き込まれました。真っ直ぐな藤士郎とクールな左京、天羽藩の下屋敷へ浸入。そして悲しくも犠牲になった石田。物語は再び天羽の地へと、早めに次作も読みたいですね。
読了日:07月06日 著者:あさの あつこ
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂13の感想
銭天堂に迫り来る六条研究所!狙われている事実を紅子さんがキャッチ、さて次巻はいよいよ全面対決か?ぴったりピーナッツとヒップホップコーンは食べてみたいです。次巻も楽しみです。
読了日:07月06日 著者:廣嶋玲子
しゃもぬまの島の感想
上畠菜緒さん、初読み。「しゃもぬま」とは人を天国へと導く幻獣。島を離れた祐の元に現れた「しゃもぬま」、夢なのか現なのかよく理解出来ないままでした。とにかく疲れる1冊。
読了日:07月07日 著者:上畠 菜緒
看守の流儀の感想
城山真一さん、初読み。加賀刑務所の敏腕刑務官・火石司、火石が担当する元人気歌手の三上。刑務所で起こる様々な事件や謎を解き、最終章で仕掛けが明かされる。なるほど、全く気付かなかった!火石が何故そのようになったのか、もうちょっと読みたかったかも。読みやすく面白かったです。
読了日:07月07日 著者:城山 真一
ブラッド・ロンダリングの感想
新人刑事・真弓倫太朗と先輩女性刑事・二階堂汐里。都会で起きた変死事件と奈良十津川村の限界集落で起きた自殺事件を追う。加害者家族の背負う過酷な運命と、倫太朗の過去、汐里が抱えるもの。ブラッド・ロンダリングの意味が切ない。
読了日:07月08日 著者:吉川英梨
ボニン浄土の感想
1840年、嵐で難破した五百石船が、ある島に漂着した。青い目の住人が「ボニン・アイランド」と告げたその島から物語は始まる。家族に縁が薄く妻子と別れて暮らす恒一郎、心に傷を負いチェロが弾けなくなった賢人。二つの家族に秘められた歴史と再生の物語。宇佐美さんの今までの作風と少し違っているが、とても読み応えがあり面白かったです。
読了日:07月09日 著者:宇佐美 まこと
首都圏パンデミック (幻冬舎文庫)の感想
新型インフルエンザL型により、人口300人ほどの五島列島の島が全滅…。東京で起きた製薬会社の男性の不審死、タイでは脳にコイルを埋め込まれた記憶喪失の男性。新型ウイルスに感染した乗客を乗せた旅客機が羽田に向かう。息をも継がせぬ面白さで一気読み。製薬会社の陰謀。。今のコロナ騒動も人為的な流行だとしたら恐ろしい。この作者さん、3冊読了しましたが全部面白い!
読了日:07月10日 著者:大原 省吾
魔女たちは眠りを守るの感想
とても素敵でちょっと物悲しい1冊。長い時を生きる魔女たちと短い命を懸命に生きる人とのふれあい。「天使の微笑み」「雨のおとぎ話」「ある人形の物語」が良かった。どこかの町の片隅でひっそりと暮らしている魔女、わたしも会ってみたい。
読了日:07月11日 著者:村山 早紀
夜の向こうの蛹たちの感想
ベテラン作家の織部妙と新人作家の槁本さなぎ、その秘書の初芝祐。3人の女の心理サスペンス、妙の煮え切らなさと咲子のしたたかさが印象に強く残りました。
読了日:07月11日 著者:近藤史恵
女神のサラダの感想
農業をテーマにした8つの短編集。様々な年代の農業に関わる女性たちの素敵なお話です。レタス・茄子・馬鈴薯・アスパラガス・レモン・チーズ・オリーブ・トマト。「月夜のチーズ」「オリーブの木の下で」が特に印象的でした。
読了日:07月12日 著者:瀧羽 麻子
公安狼 (文芸書)の感想
学生時代の恋人・久美子を自爆犯に仕立てて殺害したテロリストを追う公安刑事・唐沢。かつてテロ組織のグループ・アノニマスに関わった唐沢を忌み嫌う井川。井川の傍若無人ぶりは解りやすいけれど、公安ってこんな人がいるの?黒幕が判明しても逮捕出来ずにモヤモヤ、先が気になって読み進めたけど、まあまあでした。
読了日:07月14日 著者:笹本稜平
囚われの山 (単行本)の感想
歴史雑誌の記者である菅原が、明治35年1月の八甲田山雪中行軍遭難事件に隠された謎を追うストーリー。冬山の過酷さ、当時の軍部の非情さ、隠されていた兵士の存在等読み応えは素晴らしかった。ただ、菅原の離婚問題や桐野編集長とのあれこれは邪魔に感じた。山に人生に囚われることを作者は表したかったのかと思うのだけど。
読了日:07月16日 著者:伊東 潤
小路幸也 少年少女小説集 (ちくま文庫)の感想
少年少女が主人公の短編が11編。「林檎ジャム」・「Fishing with My Brother」・「コレッタの夏休み、冬休み」が特に好みでした。やはり長編の方が小路さんの良さが出るかな?
読了日:07月16日 著者:小路 幸也
調印の階段の感想
日本史の授業でさらっと習った記憶がある「重光葵」、葵を「まもる」と読むことすら知らなかった私。何と素晴らしい外交官だったのでしょう。上海で爆弾テロに遭い右足を失い、不自由になった身体をおして日本の国益のため、平和のために尽くしたその生涯。戦争終結の調印に臨むミズーリ号の長い階段、日本の国連加盟。読みごたえのある1冊でした。
読了日:07月18日 著者:植松 三十里
不信の鎖 警視庁犯罪被害者支援課6 (講談社文庫)の感想
シリーズ6作目。ブラック企業で有名なハウスメーカー社長の娘が殺害され、2年後に別な窃盗事件で逮捕された犯人が犯行を自供した。被害者の父はワンマンで扱いの難しい人物。怒りを爆発させる父親・大崎と再度向き合う村野。実行犯の裏にいる人物は簡単に予想出来てしまうが、執拗に絡む週刊紙記者とダメ部下がどうなるかが興味深く一気に読了y。長住くん、これからどうなるか?
読了日:07月19日 著者:堂場 瞬一
夢は捨てたと言わないで (単行本)の感想
舞台は吉祥寺の総合スーパー・エブリのイベントスペース❨アキチーナ❩。戦力外通告を受けエブリに就職した元プロ野球選手の樫村栄治とアルバイトの売れないお笑い芸人4組は「うつけ」と呼ばれる4代目社長の命で「お笑い実業団」を立ち上げる。スーパーの惣菜売り場で働く芸人たちの「笑い」への思いと経営の実験を握る専務とのバトル。笑えて泣けてラストはスッキリ、極上のエンタメ小説を堪能しました。お薦めします!
読了日:07月20日 著者:安藤 祐介
凍結捜査 (集英社文庫)の感想
大雪の北海道大沼で発見された射殺死体は、暴行事件で被害届を出されていた平田という男だった。被害を受けた水野珠希は失踪し、その後東京のホテルで射殺される。2つの事件を追う神谷と凛。警察組織が隠そうとする事実。このシリーズ、やはり面白い!
読了日:07月21日 著者:堂場 瞬一
生かさず、殺さずの感想
認知症専門病棟で、癌や糖尿病などの認知症患者をどのように治療するか。医長の三杉のもとに元同僚で売れない作家の坂崎が「取材」と称してやって来て。看護師の苦労と奮闘、過剰要求する家族、坂崎の不穏な行動と盛りだくさんだが、認知症のリアルは恐ろしい…。出来ればかかりたくないですね。
読了日:07月22日 著者:久坂部羊
羊の国のイリヤの感想
食品偽装の告発にからみ、子会社に左遷された平凡なサラリーマン・入矢悟。冤罪で逮捕され家庭は崩壊し、ドン底に。一人娘・優花は半グレが経営する悪徳プロダクションの手に陥ち、娘を救出するために入谷は闇の世界へ。深読みせずに純粋にストーリーを楽しめば良し!四科田とまた会えて、悪い奴をバッサリやって欲しいので続編希望。
読了日:07月23日 著者:福澤 徹三
ヒポクラテスの試練の感想
元都議会議員が急な腹痛で急死、肝臓がんが原因と見られたが光崎教授の解剖で寄生虫・エキノコックスが原因と判明した。2例目の死者が出て本格的な捜査に当たる古手川刑事とチーム光崎。ヘドが出そうな視察旅行の実態と原因となった食材、何より恐ろしい「人の毒」。後半はテンポ良くストーリーが展開して一気読み。面白かったです。
読了日:07月23日 著者:中山七里
チーム・オベリベリの感想
宣教師が開いた横浜の共立女学校で学んだ鈴木カネは兄の友人・渡辺勝に嫁ぎ北海道十勝の原野へ渡った。オベリベリとは帯広のこと。未開の原野での過酷な暮らし、「私たちの代が捨て石になるつもりでやっていかなければこの土地は私たちを容易に受け入れてはくれない」、北海道の今を造り出した先人たちの物語。七年間を描いた667ページは圧巻!
読了日:07月25日 著者:乃南 アサ
全部ゆるせたらいいのにの感想
子育て中の千映は夫の飲酒に悩む。その根底には父のアルコール依存症が…。高校の後輩だった夫の宇太郎の幼稚さに辟易しながら読み進めると千映の母、そして父の視点での章へと。アルコール依存症患者の家族の苦しみと、母親の無責任さとも共依存とも思える無力さ、辛く重い読書になった。宇太郎との未来に光が見えるラストで良かった。
読了日:07月26日 著者:一木 けい
あめつちのうたの感想
甲子園球場を裏で支える「阪神園芸」に入社した雨宮大地は、家族への鬱屈を抱えている。才能に恵まれた弟と、弟の成長と活躍だけを見つめる父親。不器用で自分に自信を持てない大地が「選べなかった運命」に悩む仲間達と関わりながら成長して行く物語。野球とそれを支える大勢の人々、夏の甲子園は見られないけれど、この本にすっかり魅了された。お薦めです。
読了日:07月26日 著者:朝倉 宏景
十字架のカルテの感想
重い罪を犯した人物の精神鑑定がテーマ。刑法39条で守られる加害者には釈然としないが、本当に病んでいるのか詐病なのかを真摯に鑑定する医師の存在は不可欠。冷静な影山医師と助手の弓削凛、この二人の活躍をもっと読みたいと思った。
読了日:07月26日 著者:知念 実希人
虜囚の犬の感想
心に大きな傷を負い引き込もって主夫業をしている元家裁調査官・白石洛の元に、同級生で刑事の和井田が訪れてかつて白石が担当した少年・薩摩治郎の殺害事件を告げる。治郎の自宅には監禁された若い女性と白骨化した複数の遺体…。監禁・虐待のシーンは痛々しくて読むのが辛い、しかし先が気になり一気読み。虐待の連鎖とマインドコントロールの恐ろしさ、真犯人はまさかの。。
読了日:07月28日 著者:櫛木 理宇
人を乞うの感想
政が変わる様を見届けるために天羽に帰ってきた伊吹藤士郎。母や姉との砂川村での穏やかな暮らしが始まるかと思いきや…。登城の命を受けた藤士郎と左京に告げられた非情な沙汰、友の命を救い天災と戦う。政の闇に押し潰されそうになっても負けなかった藤士郎。一途な若者の成長譚、姉・美鶴の明るさが良いアクセントになっていた。
読了日:07月28日 著者:あさのあつこ
なさけ <人情>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)の感想
実力派女流作家の時代小説アンソロジー。西條奈加さんの『善人長屋』は既読。田牧大和さんの『海の紺青、空の碧天』がとても良かった!
読了日:07月29日 著者:宮部 みゆき,西條 奈加,坂井 希久子,志川 節子,田牧 大和,村木 嵐
冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)の感想
シリーズ第5弾。今巻の依頼主は老中松平武元、邪魔立てする政敵や立ちはだかる虚・道中奉行、くらまし屋の活躍にハラハラドキドキ!新しい展開が見えて来たようです。そしてくらまし屋たちの過去や出自も明らかに。大名行列のすれ違いにニヤリ。次はくらまし屋とお庭番のタッグかな?
読了日:07月30日 著者:今村 翔吾
バケモンの涙の感想
歌川たいじさん、初読み。戦時中、飢えに苦しむ子供たちを救うため、幼い頃に食べたポン菓子の製造機を作ろうと単身北九州戸畑に乗り込んだ大阪のいとはん「トシ子」。迫り来る空襲、周囲の無理解、鉄の不足を乗り越えて第1号機が出来るまで。トシ子が作ったポン菓子製造機は、戦後の復興にも寄与することになる。実話を元にしたフィクションと言うことですがドラマ化しても感動を呼びそうです。
読了日:07月31日 著者:歌川 たいじ
銀翼の死角 警視庁文書捜査官 (角川文庫)の感想
文書捜査官シリーズ、もう第7弾になっていたのですね。今作はハイジャック犯と交渉するSITの手伝いに駆り出された文書解読班。犯人が持ちかけた推理ゲームに対応するため。内容は面白かったけど、文書捜査官が関わる必然性があったのかしら?
読了日:07月31日 著者:麻見 和史
読書メーター