ゆみねこ日記

日常日記です。

11月の読書記録

2024-12-01 13:27:44 | ブックレビュー
11月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:7208
ナイス数:2488

作家刑事毒島の暴言作家刑事毒島の暴言感想
作家刑事・毒島、シリーズ第4弾。うーん、何だろう。つまらなかったなあ…。
読了日:11月02日 著者:中山 七里
藍を継ぐ海藍を継ぐ海感想
5つのお話、すべてが良かった。地球の成り立ち、日本狼への畏怖、原爆の資料を収集した人物の思い、隕石と父への思い、ウミガメの誕生と遥かな旅。中でも一番好きなのは「狼犬ダイアリー」。作者の科学知識の豊かさが素晴らしい作品を生むのだと思う。短編で読むのはもったいない。
読了日:11月04日 著者:伊与原 新
青姫青姫感想
江戸時代、島原の乱も終わり戦とは遠ざかる時代に「青姫の郷」とよばれる誰の支配も受けず自由経済で成りたつ村があった。武士と悶着を起こし、青姫の郷に迷い込んだ若者・杜宇は、米作りを命じられ、田を拓くことになった。籤で選ばれたという頭領・満姫、村を武士として守る朔。秘密の井戸と薬師の分麻呂。杜宇を追って郷に現れた久四郎。郷を失い、その後の杜宇も良い。米作りファンタジーとしても楽しめた。
読了日:11月05日 著者:朝井まかて
灯 (単行本)灯 (単行本)感想
誰とも関わらずひとりでいることに心地よさを感じている高校生の相内蒼。起業家の母・めぐみは理解ある母親と世間には見られているらしい。しかし、この母親には全く共感出来ず、雪かきの大変さが理解出来るから特に母親には怒りを覚えた。母からの自立を目指し、歩き出す蒼。人に興味のない蒼に冬子と米田という存在がいて良かった!
読了日:11月06日 著者:乾 ルカ
いつかの花: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし (光文社文庫 な 43-2 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)いつかの花: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし (光文社文庫 な 43-2 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)感想
読み友さんの感想から手にした1冊。日本橋の菓子屋で働く小萩は、不器用ながらも一生懸命。中島久枝さんはアンソロジーで読んだ記憶はあるが、初めての作家さん。素敵なシリーズ、追いかけ決定!
読了日:11月07日 著者:中島久枝
なごりの月: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(二) (光文社文庫 な 43-3 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)なごりの月: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(二) (光文社文庫 な 43-3 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)感想
生まれ故郷に戻った小萩は、懸命に家族を説得し牡丹堂に戻ってくる。その牡丹堂に現れたのは、かつて見世にいた職人・鷹一。牡丹堂のほど近くに「天下無双」という菓子屋を開き、思わぬ騒動が…。シリーズ第2弾も美味しそうなお菓子が満載。面白かった!
読了日:11月08日 著者:中島久枝
罪名、一万年愛す罪名、一万年愛す感想
九州を中心にデパートで財を成した梅田家。創業者・梅田壮吾の米寿の祝いに長崎の九十九島のひとつ、野良島に招かれた探偵の遠刈田蘭平。豪華なディナーのあと、梅田翁が失踪してしまう。梅田家に隠された秘密と、悲しい愛の物語。とても良かった!
読了日:11月09日 著者:吉田 修一
母という呪縛 娘という牢獄母という呪縛 娘という牢獄感想
重く苦しい読書になった。ひとり娘のあかりに異常な期待をかけ、幼い頃から過剰に干渉し勉強を強いる母。医者になりたいというあかりの憧れに縛られ、地元の医大への合格にこだわり続けて9年…。ようやく看護の道を目指し進学したら、次は助産師になれと。殺さなければ母から逃れられないとまで追いつめられる娘。もっと周りに助けを求めていたらと。あかりさんが刑期を終え、父親の待つ場所で穏やかに暮らしてくれたらと思う。
読了日:11月10日 著者:齊藤 彩
サリエリはクラスメイトを二度殺すサリエリはクラスメイトを二度殺す感想
音大附属高校の卒業演奏会で出演者6人のうち、恵利原柊が首席のクラスメイト・雪川織彦を殺害。加賀美希子は右腕を傷つけられた。4年の時を経て、大学の卒業演奏会に、恵利原・雪川以外の4人が出演することになり、再び悲劇が起こる。第一の事件からずっと取材を続ける週刊誌の記者・石神。仲が良かったクラスメイトたちになぜ殺人事件が?最後まで一気に読んだけど、何だか切ない幕切れでモヤモヤした。
読了日:11月11日 著者:額賀 澪
死念山葬死念山葬感想
朝倉さんのホラー作品は初めて。やむを得ない理由で殺し屋の遺体運搬を手伝うことになった日置学。遺体の捨て場がいっぱいになり、新たな捨て場として学の祖母の故郷の山へ。そこは明治のはじめに廃仏毀釈で寺が壊され、山をご神体とする村。。うーん、怖いけど先が気になり一気に読了。でも、モヤモヤが残る。朝倉さんはいつものヒューマニズムあふれる作品の方が良い。
読了日:11月12日 著者:朝倉 宏景
おひとりさま日和 ささやかな転機 (双葉文庫 に 03-09)おひとりさま日和 ささやかな転機 (双葉文庫 に 03-09)感想
前作があったらしいが問題なく楽しめた。咲沢くれはさんは初読み。大崎梢「アンジェがくれたもの」岸本葉子「友だち追加」坂井希久子「リフォーム」咲沢くれは「この扉のむこう」新津きよみ「リセット」松村比呂美「セッション」。定年間近の女性教諭が保護猫と暮らし始める咲沢さんの作品と、坂井希久子さんの離婚式からの指輪をリフォームする物語が良かった。「セッション」面白いけど、やや上手く行き過ぎかな。
読了日:11月13日 著者:大崎 梢,岸本 葉子,坂井 希久子,咲沢 くれは,新津 きよみ,松村 比呂美
赫夜赫夜感想
平安時代初期・延暦19年の富士山噴火。駿河国司の家人・鷹取の目を通して描かれる当時の人々の混乱、焼灰・土石流・溶岩流と相次ぐ災害。当時は坂上田村麻呂の蝦夷討伐の時代。軍馬を養う官牧で働く牧子・安久利や冷静で知恵のある宿奈麻呂が魅力的に思えた。全体の感想としては大作であるけれど、読みにくさが勝ってしまっていた。
読了日:11月16日 著者:澤田瞳子
さかさ星さかさ星感想
戦国時代からの旧家・福森家で起きた陰惨な惨殺事件。4人が殺害され、犯人と目される人物は山中で自殺していた。福森家の親戚の中村亮太は祖母の依頼で霊能者の賀茂禮子とともに事件を調査する。次々に明かされる名品名宝にかけられた呪い。その因を作ったものの非道さ。福森家にかけられた呪いの凄まじさと最後の戦い。一気に読めたから面白かったことは確か。しかし、色々詰め込み過ぎてちょっとお腹いっぱい。
読了日:11月19日 著者:貴志 祐介
その時鐘は鳴り響くその時鐘は鳴り響く感想
愛媛県で30年前に起きた女子学生の事故死と、現代の東京で起きた資産家殺人事件。どこでこの二つがつながるのか?と一気に読む。純粋に音楽で結ばれた学生たちと、一途に殺人事件を追う女性刑事・黒光とワケアリはぐれ刑事の榎並。鍵は香り、面白かった!
読了日:11月21日 著者:宇佐美 まこと
私の最後の羊が死んだ私の最後の羊が死んだ感想
「颶風の王」で河﨑さんを知り、ずっと追いかけている私。なぜ、河﨑さんの作品に惹かれるのか?その答えが詰まっている本書。職業『羊飼い』とあったが、その羊飼いに憧れ、文系の大学を出てすぐにニュージーランドへ羊飼い修行に飛び出す行動力。生き物への畏敬と生命への思い。そして『羊飼い』をやめ専業作家になるまで。読みやすい文章で大好きなエッセイ。河﨑さんを知らない方にも、もちろん河﨑さんのファンの方にもお薦めの1冊。
読了日:11月22日 著者:河崎 秋子
珈琲屋の人々 遠まわりの純情 (双葉文庫 い 42-08)珈琲屋の人々 遠まわりの純情 (双葉文庫 い 42-08)感想
ワケアリのマスターが営む「珈琲屋」シリーズ第6弾。ある日店の前に置き去りにされた5歳の女の子・今日子。「珈琲屋のみなさんへ」という手紙に込められた意味。今日子の存在に思い当たる節のあるプレイボーイの島木と今日子の面倒を愛情たっぷりにする冬子。いきなり店を訪れてカウンターに座る行介の過去に興味がある人々。ちょっとマンネリ気味だと思ったが、今作は転換点になるのかな?次も読む予定のシリーズ。
読了日:11月22日 著者:池永 陽
シルバー保育園サンバ!シルバー保育園サンバ!感想
長年警備会社で勤務し、定年を迎えたときに妻から離婚された銀治。シルバー人材センターの仕事をしながら孤独で怠惰な日々を送っていたが、ひょんなことから保育園の嘱託職員に。強面で体の大きな銀治は女性や子どもが大の苦手だが、子どもたちや保育士たちと少しずつ打ち解けてゆく。障害児との関わりや今どきの保育園事情、中身はかなり重いのだが、疎遠になっていた一人娘・陽子の病のことも含め、銀治が変わってゆく姿が清々しかった。卒園式のシーンには泣かされた。
読了日:11月23日 著者:中澤 日菜子
ふたたびの虹: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(三) (光文社文庫 な 43-4 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)ふたたびの虹: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(三) (光文社文庫 な 43-4 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)感想
シリーズ第3弾。日本橋牡丹堂の人々の優しさあふれるお話。女房に先立たれ塞ぎ込んだ袋物屋の隠居を元気づけるためのお菓子。先輩職人・留助の恋、金沢から江戸の札差に嫁いだ若妻のための五色生菓子など温かい物語。小萩のお菓子修行はまだまだ。
読了日:11月23日 著者:中島久枝
鹿鳴館の花は散らず鹿鳴館の花は散らず感想
公家の娘として生まれた榮子(ながこ)は、岩倉具視の長男に嫁ぐも若くして死別。その後岩倉の勧めで侯爵で外交官の鍋島直大に嫁ぐ。外交官夫人としてイタリアに赴任、帰国してからは鹿鳴館で中心メンバーとして活躍するが、鹿鳴館外交は失敗に終わる。その後の磐梯山噴火から赤十字の活動、榮子の素晴らしい人格と行動力は読み応えがあった。男たちの無理解との戦いでもあり、まさに本物の貴婦人の生涯を描いた良書。
読了日:11月26日 著者:植松 三十里
禁忌の子禁忌の子感想
面白かった!第34回鮎川哲也賞受賞作、満場一致というのも納得。救急医・武田の元に搬送されてきた身元不明の遺体は、武田と瓜二つ。なぜ彼は死んだのか?自身との関係は?読み終えてタイトルの意味に納得!凄い作家が現れた。これからも追いかけたい。
読了日:11月27日 著者:山口 未桜
最高のウエディングケーキの作り方 (単行本)最高のウエディングケーキの作り方 (単行本)感想
老舗ホテルのラウンジ勤務から、元シェフの達也とともにパティスリーを開業することを決めた遠山涼音。いざ婚姻届を出そうという時に感じた違和感の正体?甘いケーキのお話かと思いきや、今の世の中の話題をしっかりととらえた力作。婚活に励む瑠璃の章が面白かった。達也と涼音のお店に行って美味しいケーキを食べてみたくなる。
読了日:11月28日 著者:古内 一絵
こぼれ落ちる欠片のためにこぼれ落ちる欠片のために感想
久しぶりの本多さん。県警捜査1課の和泉は駆け出しの平凡な顔立ちの刑事。とあるマンションでの殺人事件現場で出会った女性刑事・瀬良は目を見張るような美貌だが、コミュニケーションに難がある。しかしその観察力は優れていて、和泉と瀬良がコンビを組んで捜査や取り調べに当たる。3つの事件の結末は何とも言えないものばかりだったが、この2人のこれからをもっと読んでみたくなる。
読了日:11月29日 著者:本多 孝好
耳に棲むもの耳に棲むもの感想
補聴器のセールスマンだった父が亡くなり、かかりつけの耳鼻科医が取り出してくれた4つの耳の骨(カルテット)。父が集めていたコレクションが収まっていたクッキー缶。小川洋子ワールド全開の5つの物語。
読了日:11月30日 著者:小川 洋子

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