1月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:7234
ナイス数:2385
綱を引くの感想
2025年の読み始めは堂場さんから。休眠状態の東京蒲田の綱引きチーム「プルスターズ」の再生物語。綱引きというシンプルな競技の奥深さ、人間ドラマ。面白かった!
読了日:01月05日 著者:堂場 瞬一
太陽と月: サッカー・ドリームの感想
身体は大きいが気持ちの優しい大原月人。小柄で負けん気の強い小桧山太陽。プロサッカー選手を目指す2人の少年は、JFAアカデミーのセレクションで沢村歩夢という才能ある少年と出会う。アカデミーのセレクションには沢村歩夢のみが合格し、月人と太陽は様々な葛藤を経て次のステップへ。もうすぐ中学生になる彼らはこのあとどう成長してゆくのか?面白く一気に読了。続編も読みます!
読了日:01月05日 著者:はらだ みずき
太陽と月: ジュニアユース編の感想
月人と太陽は中学生に。ユース世代のサッカー事情を知ることが出来、とても興味深い。母ひとりで2人の息子を育てる太陽の家。月人をしっかりと支える祖父の晴夫。コツコツと努力を重ね、チームには恵まれないなか成長してゆく月人。自分の思うようにいかずヤケを起こすこともあった太陽。それでも目指すのはプロ選手。とてもさわやかで読後感も良かった。高校生になった2人を見てみたい。
読了日:01月06日 著者:はらだ みずき
暗黒戦鬼グランダイヴァーの感想
近未来の日本、不法滞在の外国人(作中では異人)がやりたい放題。ダイバースーツと呼ばれる装甲防護服に身を包んだ警視庁機動制圧隊の深町辰矛は異人グループから襲撃を受ける。そんな辰矛を救ったのは異人を圧倒的な暴力でなぎ倒す「漆黒のダイバー」。その正体と目的は?これは深読みせず、ストーリーを楽しめば良い本。続編も在りそう。
読了日:01月08日 著者:誉田 哲也
【第172回 直木賞候補作】秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚の感想
巨額の借財を抱える徳島藩。その藩政を改革したいと願う若き家臣たちと旧来の政に固執する五家老。そこに新たに藩主となった蜂須賀重喜。「政には興味なし」と言い放つこの藩主と、藩主による直仕置による藩政改革を目指す忠兵衛ら中堅家臣団。徳島の藍で藩を救うと言う目論見は上手くいくのか?これ、木下さんの作?と言うくらい読みやすいし、それなりに面白さはある。しかし、やはり重厚な木下作品を期待する私…。第172回直木賞候補作。
読了日:01月11日 著者:木下昌輝
気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三)の感想
きたきた捕物帖シリーズ第3弾。北一の成長が著しい。千吉親分の文庫屋の火事、そこにつけ込む卑劣な「気の毒ばたらき」。喜多次とのコンビに新たに加わった可愛い仲間たち。北一の人柄は周りの人たちの助けを呼ぶ。千吉親分がずっと気にかけていた27年前の恐ろしい事件は、スッキリ解決とはならなかったが謎は解けた。おでこちゃんが素敵な大人になっていて、今作では弓之助の力も。作中に登場は叶わなかったけど、次作では大人の弓之助も見てみたい。読みやすく一気に読了、やはり宮部さん好き!
読了日:01月12日 著者:宮部 みゆき
闇医者おゑん秘録帖-碧空の音 (単行本)の感想
闇医者おゑんシリーズ第4弾。おゑんのもとで子を産み、はかなく命を落としたお竹。その子どもを産むと言う執念は尋常ならざるものだった。吉原惣名主・川口屋平左衛門から頼まれた遊女・桐葉(お喜多)は大店の主人との間に子を授かり身請け話が進んでいるのに頑なに子を産むことを拒み、異常な言動をとる。お喜多はなぜ子を産むことを拒むのか?その来し方を探り、隠されていた悲しい真実。おゑんと吉原首代・甲三郎のこれからも気になるシリーズ。シリーズ中一番の読み応えだった。
読了日:01月13日 著者:あさの あつこ
戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー (文春文庫 こ 32-70)の感想
手練れの作家7人の警察小説アンソロジー。佐々木譲・乃南アサ・松嶋智佐・大山誠一郎・長岡弘樹・櫛木理宇・今野敏。佐々木さん、乃南さん、櫛木さんのが面白かった。
読了日:01月15日 著者:佐々木 譲,乃南 アサ,松嶋 智左,大山 誠一郎,長岡 弘樹,櫛木 理宇,今野 敏
ひまわりの感想
キャリア10年の総合商社勤務の朝宮ひまりは突然の交通事故で頸髄損傷、首から下の自由を奪われてしまう。厳しいリハビリを経て職場復帰を願うもヘルパーと共に仕事をすることに難色を示されて断念。幼なじみレオに勧められ司法試験を目指す。頭脳的には全く問題はないひまり、四肢が不自由と言う壁、それより前例主義と言う役所の壁。逞しくチャレンジするひまり、彼女のヘルパーとなったヒカル、良き仲間や家族。過酷な司法試験とその結果、思わず涙。この本にモデルとなった方がいたとは!「言葉の力は希望の光」、お薦め!良書です。
読了日:01月18日 著者:新川 帆立
猫を処方いたします。3 (PHP文芸文庫)の感想
シリーズ第3弾。ニケ先生が待っていた「予約の患者さん」。不思議な【中京こころのびょういん】の悲しい過去が明らかに…。猫の愛らしさは読んでいてもニヤニヤするほど。私も猫を処方されたくなる。
読了日:01月19日 著者:石田 祥
ダ・ヴィンチ 2025年1月号の感想
BOOK OF THE YEAR 2024は30冊中既読は13冊。未読のもので特に読みたいと言うものは見当たらず。2025年の隠し球は読みたい本がたくさん!参考にしたい。
読了日:01月19日 著者:
昨日への誓い 警視庁総合支援課3 (講談社文庫 と 55-26)の感想
被害者や加害者に寄りそい支援する「総合支援課」シリーズ第3弾。苦手意識のある柿谷晶、今作もグイグイと。しかし、今作の晶にはさほど嫌な感じがしない。支援課の仲間たちのフォローと本人の気づきなのか。ひき逃げ事故と迷惑ユーチューバー、突然失踪したOBの大岡。寄り添うことも中々大変な仕事、ガンさんや西川・沖田の登場も嬉しい。
読了日:01月21日 著者:堂場 瞬一
人魚が逃げたの感想
3月の週末、銀座の歩行者天国で「僕の人魚がいなくなってしまって…逃げたんだ、この場所に」と語る王子。人魚騒動の裏に5人の男女が迎える人生の節目。歳上の女性に恋する若者、娘の旅立ちに心揺らぐ母親、自らの身勝手さから離婚に至った男性、妻との関係に自信を持てない作家、そして歳下の男性に恋した女性。あの2人はきっと幸せになるでしょう。地下の画廊が素敵、そして表紙が素晴らしい。
読了日:01月21日 著者:青山 美智子
雪夢往来の感想
雪深い越後塩沢、そこで特産の縮織物の仲買商をしている鈴木儀三治(牧之)は江戸ではふるさと越後、とりわけ雪の季節を全く知られていないことに驚く。牧之が書き溜めた「雪話」は山東京伝の目にとまり、出版へと動き始めるが…。40年という長き年月を経てようやく世に出た名著「北越雪譜」。江戸出版界と人気戯作者、京伝・馬琴・京山たちの有り様。牧之の念願が叶って良かったと同時に馬琴の偏屈さが特に印象に残った。雪の季節にぴったりの名作。
読了日:01月24日 著者:木内 昇
幸せのカツサンド 食堂のおばちゃん(16) (ハルキ文庫 や 11-18)の感想
シリーズ第16弾。一子と二三のおばちゃんコンビの料理への挑戦は凄い。どんどんアイディアが湧き、しかも美味そう。人気女優の悩み相談を受けたり認知症のおばあちゃんを助けたり、隅田川花火大会の日は万里くんが寿司を握ったりと盛りだくさん。ラーメン屋店主はめでたく出産し、店を休む間に営業するサンドイッチ店へ揚げ物を提供することにも。内容はマンネリ化しているけど安心して読めるので、次も楽しみ。
読了日:01月24日 著者:山口 恵以子
コンビニ兄弟4:―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-4)の感想
シリーズ第4弾。大好きな夫と離婚し、束縛の強い両親から離れて一人暮らしを始めた百合の章。ヒーローに憧れて果たせず自分を見失っていた舞人の章。テンダネス門司港こがね村店には素敵な人々と小さな幸せで溢れている。ツギ・ミツ・ジュエルに続いて長男がチラリと…。次巻ではどういう展開になるのか?次も楽しみに待ちたい。
読了日:01月25日 著者:町田 そのこ
魔女の後悔の感想
魔女シリーズ、久々の最新作。壮絶な過去を持つ闇のコンサルタント・水原。韓国の巨額詐欺事件の遺産を継ぐ13歳の少女を巡り、水原の過去が交錯する。水原の強さと格好良さは相変わらず、助けてくれる仲間も。本編の誘拐の主犯は水原憎しでぶっ飛んだ人物。由乃を庇護することになった水原、今後はどんな魔女ぶりを見せてくれるのだろうか?続編、待ちたいです。
読了日:01月27日 著者:大沢 在昌
あの日の風を描くの感想
愛野史香さん、初読み。京都の美大の油画科を休学中の稲葉真は、バンドのパフォーマーとしてそこそこ名前が売れていたが、メジャーデビューと同時に切り離され、傷心のままほぼ引きこもる生活に。従兄の凜太郎の声かけで、参加することになった襖絵の復元模写制作。日本画科の修士の土師と蔡との三人で挑む復元模写。創作への苦悩と喜び、芸術の奥深さを感じさせてくれ、爽やかな感動で読了。第16回角川春樹小説賞受賞作。
読了日:01月28日 著者:愛野 史香
白紙を歩くの感想
怪我でリハビリ中の定本風香と本好きで小説家になりたい明戸類。走る理由を見つけたい風香は本が好きな類に憧れるが、読書をしたことのない風香は「走れメロス」を読み切るにも時間がかかってしまう。類の書く小説はいつもバッドエンドで面倒くさい性格。真逆な2人が出会ったことでみつけたものは?類の拗らせぶりにやや読みにくさを感じたが、校内マラソン大会のくだりでとても感動した。デビュー作以来の鯨井さん、とても良かった。
読了日:01月29日 著者:鯨井 あめ
ここでは言葉が死を招くの感想
医療刑務所シリーズ第3弾。今作で由衣が担当するのは外国人受刑者。ストーカー規制法で収監中のインド人女性、技能実習生だったベトナム人女性、宗教上のトラブルで逮捕されたアメリカ人男性。言語・宗教の違い、意思の疎通に悩みながら懸命に患者と向き合う由衣だが、その一途さで暴走気味。ベトナム人女性の受けた苦しみ、インド人女性に対する名誉殺人、輸血拒否、日本人同士でも互いを理解するのは難しいのに…。由衣はこれからどう成長してゆくのか?次、出たら読みたい。
読了日:01月29日 著者:嶋中 潤
死んだ木村を上演の感想
「死んだ」シリーズの第3弾。8年前、大学劇研の卒業講演を目前に、木村が死んだ。彼はなぜ死んだのか?共にその日を過ごした4人に送りつけられた手紙。8年前のあの日を再現して上演する。それそれが心の奥底に隠していた本音、クライマックスに向けての罵りあい。木村の妹の正体にはビックリ。これも面白かった!
読了日:01月30日 著者:金子 玲介
普通の子の感想
小5の一人息子が学校のベランダから飛び降りた。息子はイジメられていたのか?仕事に追われ学校での息子の様子を全く把握出来ていないので母親・美保。美保自身も小学生時代に苦い思いをし、その記憶が甦る。うわー!なんだろう、感想書けない。。ラストの展開に息を呑むほどの衝撃。イジメは駄目、絶対に。
読了日:01月31日 著者:朝比奈 あすか
読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:7234
ナイス数:2385
綱を引くの感想
2025年の読み始めは堂場さんから。休眠状態の東京蒲田の綱引きチーム「プルスターズ」の再生物語。綱引きというシンプルな競技の奥深さ、人間ドラマ。面白かった!
読了日:01月05日 著者:堂場 瞬一
太陽と月: サッカー・ドリームの感想
身体は大きいが気持ちの優しい大原月人。小柄で負けん気の強い小桧山太陽。プロサッカー選手を目指す2人の少年は、JFAアカデミーのセレクションで沢村歩夢という才能ある少年と出会う。アカデミーのセレクションには沢村歩夢のみが合格し、月人と太陽は様々な葛藤を経て次のステップへ。もうすぐ中学生になる彼らはこのあとどう成長してゆくのか?面白く一気に読了。続編も読みます!
読了日:01月05日 著者:はらだ みずき
太陽と月: ジュニアユース編の感想
月人と太陽は中学生に。ユース世代のサッカー事情を知ることが出来、とても興味深い。母ひとりで2人の息子を育てる太陽の家。月人をしっかりと支える祖父の晴夫。コツコツと努力を重ね、チームには恵まれないなか成長してゆく月人。自分の思うようにいかずヤケを起こすこともあった太陽。それでも目指すのはプロ選手。とてもさわやかで読後感も良かった。高校生になった2人を見てみたい。
読了日:01月06日 著者:はらだ みずき
暗黒戦鬼グランダイヴァーの感想
近未来の日本、不法滞在の外国人(作中では異人)がやりたい放題。ダイバースーツと呼ばれる装甲防護服に身を包んだ警視庁機動制圧隊の深町辰矛は異人グループから襲撃を受ける。そんな辰矛を救ったのは異人を圧倒的な暴力でなぎ倒す「漆黒のダイバー」。その正体と目的は?これは深読みせず、ストーリーを楽しめば良い本。続編も在りそう。
読了日:01月08日 著者:誉田 哲也
【第172回 直木賞候補作】秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚の感想
巨額の借財を抱える徳島藩。その藩政を改革したいと願う若き家臣たちと旧来の政に固執する五家老。そこに新たに藩主となった蜂須賀重喜。「政には興味なし」と言い放つこの藩主と、藩主による直仕置による藩政改革を目指す忠兵衛ら中堅家臣団。徳島の藍で藩を救うと言う目論見は上手くいくのか?これ、木下さんの作?と言うくらい読みやすいし、それなりに面白さはある。しかし、やはり重厚な木下作品を期待する私…。第172回直木賞候補作。
読了日:01月11日 著者:木下昌輝
気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三)の感想
きたきた捕物帖シリーズ第3弾。北一の成長が著しい。千吉親分の文庫屋の火事、そこにつけ込む卑劣な「気の毒ばたらき」。喜多次とのコンビに新たに加わった可愛い仲間たち。北一の人柄は周りの人たちの助けを呼ぶ。千吉親分がずっと気にかけていた27年前の恐ろしい事件は、スッキリ解決とはならなかったが謎は解けた。おでこちゃんが素敵な大人になっていて、今作では弓之助の力も。作中に登場は叶わなかったけど、次作では大人の弓之助も見てみたい。読みやすく一気に読了、やはり宮部さん好き!
読了日:01月12日 著者:宮部 みゆき
闇医者おゑん秘録帖-碧空の音 (単行本)の感想
闇医者おゑんシリーズ第4弾。おゑんのもとで子を産み、はかなく命を落としたお竹。その子どもを産むと言う執念は尋常ならざるものだった。吉原惣名主・川口屋平左衛門から頼まれた遊女・桐葉(お喜多)は大店の主人との間に子を授かり身請け話が進んでいるのに頑なに子を産むことを拒み、異常な言動をとる。お喜多はなぜ子を産むことを拒むのか?その来し方を探り、隠されていた悲しい真実。おゑんと吉原首代・甲三郎のこれからも気になるシリーズ。シリーズ中一番の読み応えだった。
読了日:01月13日 著者:あさの あつこ
戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー (文春文庫 こ 32-70)の感想
手練れの作家7人の警察小説アンソロジー。佐々木譲・乃南アサ・松嶋智佐・大山誠一郎・長岡弘樹・櫛木理宇・今野敏。佐々木さん、乃南さん、櫛木さんのが面白かった。
読了日:01月15日 著者:佐々木 譲,乃南 アサ,松嶋 智左,大山 誠一郎,長岡 弘樹,櫛木 理宇,今野 敏
ひまわりの感想
キャリア10年の総合商社勤務の朝宮ひまりは突然の交通事故で頸髄損傷、首から下の自由を奪われてしまう。厳しいリハビリを経て職場復帰を願うもヘルパーと共に仕事をすることに難色を示されて断念。幼なじみレオに勧められ司法試験を目指す。頭脳的には全く問題はないひまり、四肢が不自由と言う壁、それより前例主義と言う役所の壁。逞しくチャレンジするひまり、彼女のヘルパーとなったヒカル、良き仲間や家族。過酷な司法試験とその結果、思わず涙。この本にモデルとなった方がいたとは!「言葉の力は希望の光」、お薦め!良書です。
読了日:01月18日 著者:新川 帆立
猫を処方いたします。3 (PHP文芸文庫)の感想
シリーズ第3弾。ニケ先生が待っていた「予約の患者さん」。不思議な【中京こころのびょういん】の悲しい過去が明らかに…。猫の愛らしさは読んでいてもニヤニヤするほど。私も猫を処方されたくなる。
読了日:01月19日 著者:石田 祥
ダ・ヴィンチ 2025年1月号の感想
BOOK OF THE YEAR 2024は30冊中既読は13冊。未読のもので特に読みたいと言うものは見当たらず。2025年の隠し球は読みたい本がたくさん!参考にしたい。
読了日:01月19日 著者:
昨日への誓い 警視庁総合支援課3 (講談社文庫 と 55-26)の感想
被害者や加害者に寄りそい支援する「総合支援課」シリーズ第3弾。苦手意識のある柿谷晶、今作もグイグイと。しかし、今作の晶にはさほど嫌な感じがしない。支援課の仲間たちのフォローと本人の気づきなのか。ひき逃げ事故と迷惑ユーチューバー、突然失踪したOBの大岡。寄り添うことも中々大変な仕事、ガンさんや西川・沖田の登場も嬉しい。
読了日:01月21日 著者:堂場 瞬一
人魚が逃げたの感想
3月の週末、銀座の歩行者天国で「僕の人魚がいなくなってしまって…逃げたんだ、この場所に」と語る王子。人魚騒動の裏に5人の男女が迎える人生の節目。歳上の女性に恋する若者、娘の旅立ちに心揺らぐ母親、自らの身勝手さから離婚に至った男性、妻との関係に自信を持てない作家、そして歳下の男性に恋した女性。あの2人はきっと幸せになるでしょう。地下の画廊が素敵、そして表紙が素晴らしい。
読了日:01月21日 著者:青山 美智子
雪夢往来の感想
雪深い越後塩沢、そこで特産の縮織物の仲買商をしている鈴木儀三治(牧之)は江戸ではふるさと越後、とりわけ雪の季節を全く知られていないことに驚く。牧之が書き溜めた「雪話」は山東京伝の目にとまり、出版へと動き始めるが…。40年という長き年月を経てようやく世に出た名著「北越雪譜」。江戸出版界と人気戯作者、京伝・馬琴・京山たちの有り様。牧之の念願が叶って良かったと同時に馬琴の偏屈さが特に印象に残った。雪の季節にぴったりの名作。
読了日:01月24日 著者:木内 昇
幸せのカツサンド 食堂のおばちゃん(16) (ハルキ文庫 や 11-18)の感想
シリーズ第16弾。一子と二三のおばちゃんコンビの料理への挑戦は凄い。どんどんアイディアが湧き、しかも美味そう。人気女優の悩み相談を受けたり認知症のおばあちゃんを助けたり、隅田川花火大会の日は万里くんが寿司を握ったりと盛りだくさん。ラーメン屋店主はめでたく出産し、店を休む間に営業するサンドイッチ店へ揚げ物を提供することにも。内容はマンネリ化しているけど安心して読めるので、次も楽しみ。
読了日:01月24日 著者:山口 恵以子
コンビニ兄弟4:―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-4)の感想
シリーズ第4弾。大好きな夫と離婚し、束縛の強い両親から離れて一人暮らしを始めた百合の章。ヒーローに憧れて果たせず自分を見失っていた舞人の章。テンダネス門司港こがね村店には素敵な人々と小さな幸せで溢れている。ツギ・ミツ・ジュエルに続いて長男がチラリと…。次巻ではどういう展開になるのか?次も楽しみに待ちたい。
読了日:01月25日 著者:町田 そのこ
魔女の後悔の感想
魔女シリーズ、久々の最新作。壮絶な過去を持つ闇のコンサルタント・水原。韓国の巨額詐欺事件の遺産を継ぐ13歳の少女を巡り、水原の過去が交錯する。水原の強さと格好良さは相変わらず、助けてくれる仲間も。本編の誘拐の主犯は水原憎しでぶっ飛んだ人物。由乃を庇護することになった水原、今後はどんな魔女ぶりを見せてくれるのだろうか?続編、待ちたいです。
読了日:01月27日 著者:大沢 在昌
あの日の風を描くの感想
愛野史香さん、初読み。京都の美大の油画科を休学中の稲葉真は、バンドのパフォーマーとしてそこそこ名前が売れていたが、メジャーデビューと同時に切り離され、傷心のままほぼ引きこもる生活に。従兄の凜太郎の声かけで、参加することになった襖絵の復元模写制作。日本画科の修士の土師と蔡との三人で挑む復元模写。創作への苦悩と喜び、芸術の奥深さを感じさせてくれ、爽やかな感動で読了。第16回角川春樹小説賞受賞作。
読了日:01月28日 著者:愛野 史香
白紙を歩くの感想
怪我でリハビリ中の定本風香と本好きで小説家になりたい明戸類。走る理由を見つけたい風香は本が好きな類に憧れるが、読書をしたことのない風香は「走れメロス」を読み切るにも時間がかかってしまう。類の書く小説はいつもバッドエンドで面倒くさい性格。真逆な2人が出会ったことでみつけたものは?類の拗らせぶりにやや読みにくさを感じたが、校内マラソン大会のくだりでとても感動した。デビュー作以来の鯨井さん、とても良かった。
読了日:01月29日 著者:鯨井 あめ
ここでは言葉が死を招くの感想
医療刑務所シリーズ第3弾。今作で由衣が担当するのは外国人受刑者。ストーカー規制法で収監中のインド人女性、技能実習生だったベトナム人女性、宗教上のトラブルで逮捕されたアメリカ人男性。言語・宗教の違い、意思の疎通に悩みながら懸命に患者と向き合う由衣だが、その一途さで暴走気味。ベトナム人女性の受けた苦しみ、インド人女性に対する名誉殺人、輸血拒否、日本人同士でも互いを理解するのは難しいのに…。由衣はこれからどう成長してゆくのか?次、出たら読みたい。
読了日:01月29日 著者:嶋中 潤
死んだ木村を上演の感想
「死んだ」シリーズの第3弾。8年前、大学劇研の卒業講演を目前に、木村が死んだ。彼はなぜ死んだのか?共にその日を過ごした4人に送りつけられた手紙。8年前のあの日を再現して上演する。それそれが心の奥底に隠していた本音、クライマックスに向けての罵りあい。木村の妹の正体にはビックリ。これも面白かった!
読了日:01月30日 著者:金子 玲介
普通の子の感想
小5の一人息子が学校のベランダから飛び降りた。息子はイジメられていたのか?仕事に追われ学校での息子の様子を全く把握出来ていないので母親・美保。美保自身も小学生時代に苦い思いをし、その記憶が甦る。うわー!なんだろう、感想書けない。。ラストの展開に息を呑むほどの衝撃。イジメは駄目、絶対に。
読了日:01月31日 著者:朝比奈 あすか
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