ゆみねこ日記

日常日記です。

4月の読書記録

2022-05-01 09:17:46 | ブックレビュー
4月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7872
ナイス数:2976

立つ鳥の舞 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)立つ鳥の舞 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)感想
くらまし屋シリーズ第7弾。変装の名人・赤也編。彼がなぜくらまし屋に成ったのか?赤也の隠された人生に絡む陰謀とは?おのれの生きる道がキチント定まり、くらまし屋の絆もより強くなる。九鬼段蔵、強すぎて笑えるほど。前巻から間を空けてしまったけど、読み始めたら一気に没入出来たので満足!
読了日:04月01日 著者:今村翔吾
朱より赤く: 高岡智照尼の生涯朱より赤く: 高岡智照尼の生涯感想
12歳で実父に売られ舞妓見習いになとたおみつ。その美貌で人気舞妓となるが色と欲の渦巻く世界で男に翻弄され14歳で情夫に操を立てる為に小指を切り落とす。明治から大正、昭和初期の花柳界を生き、やがて38歳で得度をして尼僧に。本人が半生を語るという体で綴られているが、淡々と読めてあまり心に響かず。瀬戸内さんの「女徳」は大作だけど印象深かったことを思い出した。
読了日:04月02日 著者:窪 美澄
ヴァイタル・サインヴァイタル・サイン感想
ふぅ…!何と過酷な看護の現場。31歳、入職10年の堤素野子は療養病棟で働く中堅看護師。感謝されるより罵られることの多い現場、理不尽な要求やハードなシフトで身体も心もボロボロに。素野子が壊れなくて良かった。1年前の入院生活を思い出し、あらためて看護師さんをはじめとした医療従事者に感謝したい。
読了日:04月03日 著者:南 杏子
らんたんらんたん感想
恵泉女学園の創立者・河井道さんの物語。明治・大正・昭和、女子学校教育に生涯を捧げた人物。津田梅子・大山捨松・広岡浅子、平塚らいてう・市川房枝・村岡花子・柳原白蓮、列記出来ないほど時代を駆け抜けた女性たちが登場する。女性の地位は道さんの存命の頃よりは少し向上したのだろうか?まだまだ本当の男女平等は出来ていないと思う。こんな素晴らしい学校で学んで見たかった。とても読み応えある1冊、お薦め!
読了日:04月06日 著者:柚木 麻子
残月記残月記感想
圧倒的な世界観に打ちのめされた。表題作は、「月昂」と言う感染症に冒された若者・宇野冬芽の物語。独裁者の趣味で剣奴となり命を張った闘いを強いられ、過酷な運命に翻弄されながら最期まで愛を貫いた人生。コロナ禍・独裁者、近未来の日本を想像すると怖気が…。短編「そして月がふりかえる」、赤く大きな満月を見るたびに思い出してしまいそう。「月景石」は好みに合わなかった。小田雅久仁さん、初読み。
読了日:04月08日 著者:小田 雅久仁
青い雪青い雪感想
麻加朋さん、初読み。雪降る夜、若い女性が身を投げた。そこからどこへつながるのか?夏の数日を共に過ごす3組の家族。ある夏5歳の少女の失踪という悲劇で幸せな夏の日々は永遠に失われる。時を経て3組の家族に秘められた複雑な事情が明かされた時の驚き。愛に恵まれた少女と愛を求めて満たされない思いを抱えた少女。「青い雪」の謎でまた泣けた。第25回日本ミステリー大賞新人賞受賞作。
読了日:04月09日 著者:麻加 朋
コンクールシェフ!コンクールシェフ!感想
若手料理人のトップを決定するヤング・ブラッド・グランプリ(YBG)の決勝に残った6人。フレンチ・中華・和食・ポルトガル・イタリアン、腕に覚えのある個性的な料理人たち。決戦に臨む緊張感とそれぞれの背負うものや料理への思い。誰がトップの座を取るか、ワクワクしながら楽しんだ。映像化されたら見応えありそう!
読了日:04月10日 著者:五十嵐 貴久
古本食堂古本食堂感想
今まで読んだひ香さんの作品で最高!神田神保町の古書店を兄・慈郎の死で急遽引き継ぐことになった妹・珊瑚と大姪で国文学を学ぶ大学院生の美希喜。神保町のグルメ、亡き慈郎の秘密、古典文学のあれこれ。とても楽しい読書時間を堪能した。神保町を歩いて古本を探し、美味しいものを楽しみたくなる。
読了日:04月10日 著者:原田 ひ香
母子草の記憶母子草の記憶感想
ノンフィクション作家の草下彰は中学3年生の時両親を殺害され、未だに犯人は見つかっていない。自分の過去を題材に作品に取り組もうと決意したが、唯一の手がかりは両親の殺害前に家を訪ねて来た一人の男。男の足取りを辿り明らかにされた真実と母の思いの強さと苦しみ。読みやすい作品だった。
読了日:04月11日 著者:小杉 健治
刑事弁護人刑事弁護人感想
現職女性警察官・垂水涼香が起こしたホスト殺害事件。刑事事件の弁護に使命感を抱く持月凛子と癖の強い同僚弁護士の西。なぜ涼香はホストクラブに通い、男の部屋へ行き殺害に至ったのか?事件の真相は悲しいが読み応えのある作品で、長編だが一気に読了。凛子と西のコンビ、また読みたい。
読了日:04月12日 著者:薬丸岳
夏の体温夏の体温感想
表題作は内分泌系の病気で小児科病棟に入院している小3の瑛介と低身長の検査で短期入院の壮太の物語。「魅惑の極悪人ファイル」は女子大生作家の大原が腹黒(ストブラ)と呼ばれる倉橋に取材の為に近づき大きな気付きを。掌編「花曇りの向こう」は中1の少年の新学期、教科書に掲載された作品。表題作「夏の体温」、良かった!
読了日:04月13日 著者:瀬尾 まいこ
インドラネットインドラネット感想
高校時代に親しく付き合っていた野々宮空知を探しにカンボジアに赴いた八目晃。晃の自堕落な生き方やあまりにも無防備な旅、これでは騙されても仕方がないなと思いながら読み進め、最後の展開に驚愕。読み友さんたちが多数感想で言われている「桐野夏生」らしさ、読んで納得です。誰を信じたら良いのか、読後はモヤモヤしました。
読了日:04月15日 著者:桐野 夏生
灰色の評決灰色の評決感想
マンションの一室で姉妹が殺害され、妹と金銭トラブルのあった五十嵐一馬が逮捕された。裁判員になった二宮智樹は他の裁判員と共に有罪の判決を支持し五十嵐は死刑判決を受ける。本当に五十嵐は殺人を犯したのか?冤罪の可能性に言及した八木麻衣子が失踪し、智樹は麻衣子の行方を追う。姉妹殺人事件の真相は驚きの展開。麻衣子が失踪してからの後半は一気に畳み掛ける。冤罪は恐ろしい。
読了日:04月15日 著者:犬塚 理人
黙約のメス黙約のメス感想
日本の移植医療に鋭く切り込んだ1作。肝胆膵の手術の第一人者・鬼塚はこの物語の主役なのだが、彼を巡る後期研修医・手術室の器械出し看護師・医療ジャーナリスト・病院長や外科医長・厚労省医系技官・病院経営者・移植コーディネーターの話が。生体移植か脳死移植か、臓器売買疑惑、法案成立に拘る技官、友人の術中死で鬼塚に恨みを持つ男など読み応えは満点。しかし鬼塚自身の物語をもっと読みたかった。
読了日:04月17日 著者:本城雅人
ロング・アフタヌーン (単行本)ロング・アフタヌーン (単行本)感想
編集者の葛城梨帆の元に送られてきた小説「長い午後」。作者は志村多恵でかつて新人賞の最終選考に残った「犬を飼う」で梨帆に強い印象を与えていた。多恵の作品は私小説風、果たして彼女は現実でも犯罪を犯していたのか?梨帆の最後の言葉「私をあなたの共犯者にしてください」はインパクト大!賛否ある作品のようだけど、私は面白いと感じた。
読了日:04月19日 著者:葉真中 顕
アルツ村アルツ村感想
夫のDVから逃れて幼い娘と共に家を出た主婦の明日香は、迷い込んだ山奥の村で暮らすことに。老人たちが生活する村は通称「アルツ村」と呼ばれる世間から隔絶された場所だった。村が抱える秘密に気付いた明日香が取った行動、そしてラストの大どんでん返し。認知症の介護の切なさや問題点を突きつけられた。
読了日:04月20日 著者:南 杏子
ななみの海ななみの海感想
ななみは児童養護施設で暮らす高校生。進学校に通い成績優秀、ダンス部の活動にバイトに忙しい毎日を送る。施設の子供たちを取り巻く現実、自立を迫られる18歳を目前に、ななみの悩みは尽きない。周りに良い大人が居てくれ、ななみは幸せだ。すべての子供たちを幸せにするために大人がいる社会を切望する。子供に呪いの言葉を投げかける親、どれほど子供を縛り付けるるのか。重い内容だけど一読をお薦め!
読了日:04月22日 著者:朝比奈 あすか
砂嵐に星屑砂嵐に星屑感想
大阪のテレビ局で働く人たち、過去に不倫をして10年の出向を経て戻ってきた40代女子アナ、娘と冷戦状態の50代報道デスク、思い人はゲイで望みはないのに同居中の20代TK、向上心ゼロでマイナス思考の30代AD。一見華やかに見えるテレビ局を舞台に不器用な人々を描く連作短編。ダメダメADの晴一にイライラしたけど最後は涙で読了。おまけの「砂嵐に花びら」も良い!お薦め本。
読了日:04月23日 著者:一穂 ミチ
博士の長靴博士の長靴感想
藤巻家の4世代を紡いだ連作短編集。気象学の研究者からそのひ孫の世代へ、24節気を大切にした家族の物語は読み終えて深く余韻の残るものでした。そして、博士の長靴。ホロリと心に染み入る良作。
読了日:04月24日 著者:瀧羽 麻子
階段ランナー (文芸書)階段ランナー (文芸書)感想
母が起こしたトラブルで水泳をやめた広夢と、突然の体の不調で卓球のトップ選手への道を諦めた瑠衣が出会ったのは「階段」。元高校教師・高桑のブログと「京都駅大階段駆け上り大会」への挑戦。悩みを乗り越えてまっすぐに駆け上がる二人と、高桑先生と小見さんのチーム。山本くんが良いキャラクター。王子たちの未来はきっと幸せ!お薦め本です。
読了日:04月26日 著者:吉野万理子
繭の季節が始まる繭の季節が始まる感想
近未来の日本、新型ウイルスの感染が始まると【繭】と呼ばれるシステムが発動率され人々は定められた期間巣ごもりを強制される。外に出なければならない警察官はAI搭載の猫型ロボットと街をパトロールする。水瀬アキオと相棒の咲良は外出禁止の街なかで事件の解決に奔走する。コロナ禍が作家さんたちに与えた想像力はこういう作品を生み出したのか。こんなセカイになるのは嫌だけど、咲良とは会って話してみたいかも。
読了日:04月27日 著者:福田 和代
雨の日は、一回休み雨の日は、一回休み感想
おじさんたちが主人公の連作短編集。部下から身に覚えのないセクハラを訴えられたり、定年間近の自身の生き方に迷う男がいたり。今の時代に乗り遅れたおじさんの悲哀を感じた。どのおじさんにも共感できないけど、少しずつ変わってゆく姿で読み心地は良かった。
読了日:04月28日 著者:坂井 希久子
朱色の化身朱色の化身感想
序章の芦原温泉の大火で少女が目撃したものは?第一部ではライターの聞き取りで多くの人物が語る。ライター大路亨は元新聞記者の父からの依頼で「
辻珠緒」という女性の行方を探すため、彼女の過去に関わりのあった人々をたずね歩く。一世を風靡したゲーム開発者でもあり、貧しい出自ながら優秀であった珠緒は誰とも連絡を絶ち姿を消した。第二部で明かされる真実の過酷さ。お薦め本!
読了日:04月30日 著者:塩田 武士
いやし 〈医療〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)いやし 〈医療〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)感想
5人の女性作家による「医療」時代小説集。朝井まかてさん、あさのあつこさんは既読だけど何度読んでも面白い。宮部みゆきさんは回向院の茂七親分シリーズから。知野みさきさんは初読み、「仇持ち」面白かった!他の作品も読んでみたい。
読了日:04月30日 著者:宮部 みゆき,朝井 まかて,あさの あつこ,和田 はつ子,知野 みさき

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2 コメント

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Unknown (ra9gaki_do)
2022-05-01 17:56:54
ゆみねこさん、こんばんは(^-^)
いつも温かいリアクション
ありがとうございます😊😊😊
札幌はヒンヤリ冷たい雨が
降る夕暮れです。

五月が明けました。
今月もどうぞお元気でご活躍を(^-^)
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Unknown (ゆみねこ)
2022-05-01 21:53:36
楽描堂さん、こんばんは♪
肌寒い連休前半になりましたね。

早く暖かくなって5月の爽やかな気候を楽しみたいですよね😄
5月もよろしくお願いします。
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