ゆみねこ日記

日常日記です。

11月の読書記録

2023-12-01 14:32:33 | ブックレビュー
11月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:8302
ナイス数:3062

残像 (角川文庫)残像 (角川文庫)感想
平凡でお人好しの浪人生・堀部一平とひこばえ荘の住人たちとの交流。代議士の息子・吉井恭一のパート。2つはどう絡むのか、後半一気に面白くなった。今、世間を騒がせている某芸能プロの問題が脳内で…。罪深い犯罪は、人の一生を台無しにする。
読了日:11月01日 著者:伊岡 瞬
百年の子百年の子感想
出版社で働く明日花の納得いかない異動。祖母・スエさんは戦時中に臨時職員としてこの出版社で働いていた。なぜ、スエさんは孫娘にその事実を明かさなかったのか?学年誌を作ってきた人たちの志と時代に翻弄された歴史。とても興味深く読ませて貰いました。祖母から孫娘への三代の物語としても素晴らしい。お薦め本!
読了日:11月03日 著者:古内 一絵
777 トリプルセブン777 トリプルセブン感想
面白かった!簡単な仕事を引き受けたはずの「天道虫」が巻き込まれた面倒ごと。超高級ホテルには驚異的な記憶力を持つ紙野結花を狙って物騒な奴らが集結する。本当の黒幕が怖かったのと、モウフとマクラのコンビが良かった!
読了日:11月05日 著者:伊坂 幸太郎
東家の四兄弟東家の四兄弟感想
占い師の父と保険会社で働く母、実家から離れ苔の研究をする長男・朔太郎、占い師を継いだ次男・真次郎。人付き合いが苦手な会社員の三男・優三郎、明るくみんなに可愛がられる四男の恭四郎。優三郎が引いた不穏なタロットカードが暗示したものは?優三郎の幼なじみの瑠奈に想いを寄せる恭四郎。特別大きな事件があるわけでもなく、淡々と進む物語。キライではないが特にインパクトがあるものでないので、印象が薄い。
読了日:11月06日 著者:瀧羽麻子
夫よ、死んでくれないか夫よ、死んでくれないか感想
麻矢・璃子・友里香、大学のサークル仲間の3人がいつものバーで夫の愚痴を言い合う。話が盛り上がり「死んでほしい」と…。ある日麻矢の携帯に着信、そこからの展開。サークル時代に3人で危機を乗り越えた強い絆、ピンチを切り抜けようと思わぬ行動に出ようとするが。。うーん、面白かったけど、3人の女性全員好きになれなくて。
読了日:11月07日 著者:丸山 正樹
100年のレシピ100年のレシピ感想
100歳で生涯を閉じた家庭料理研究家の大河弘子。その功績を卒論テーマに選んだ女子大生・理央。コロナ禍の令和、平成の食品偽装問題、バブル期、高度成長期の食卓から終戦後の食料事情。なぜ弘子は家庭料理を研究し、発信し続けたのか。食を通して語られる家族のこと。最後に明かされた絆の不思議さ。とても良い物語でした。
読了日:11月07日 著者:友井 羊
金曜日の本屋さん (ハルキ文庫)金曜日の本屋さん (ハルキ文庫)感想
「読みたい本が見つかる本屋」のネット上の噂をたよりに駅ナカの書店《金曜堂》を訪ねた大学生の倉井。明るく出迎えてくれた店長に一目惚れしバイトとして働くことに。大きな本屋の息子なのに本を読むことが苦手な倉井くん。個性的な金曜堂スタッフたちとともに本と人との出会いを通して成長してゆく。人気子役の渚くんと【モモ】の話が良かった。
読了日:11月08日 著者:名取佐和子
金曜日の本屋さん―夏とサイダー (ハルキ文庫)金曜日の本屋さん―夏とサイダー (ハルキ文庫)感想
シリーズ第2弾。バイトの倉井くんの成長が目覚ましい。金曜堂の3人と共に高校時代に「読書同好会」のメンバーだったジンの謎と、悲しみにくれる店長・南。本作で登場した本で既読は「六番目の小夜子」と「夜は短し歩けよ乙女」。パン屋の夫婦のお話が良かった。
読了日:11月09日 著者:名取 佐和子
金曜日の本屋さん 秋とポタージュ (ハルキ文庫)金曜日の本屋さん 秋とポタージュ (ハルキ文庫)感想
シリーズ第3弾。太宰治「誰も知らぬ」村上春樹「ノルウェイの森」茨木のり子「歳月」「自分の感受性くらい」藤野恵美「ハルさん」。倉井くんの大学の女子大生二人組、倉井くん父の話、二次元好きなオタクの太宰くんと母、離れて暮らす父と中三の娘。今作も良かった。次巻が完結編…。
読了日:11月10日 著者:名取佐和子
金曜日の本屋さん 冬のバニラアイス (ハルキ文庫)金曜日の本屋さん 冬のバニラアイス (ハルキ文庫)感想
シリーズ完結編。倉井くんが金曜堂でバイトを始めてから4つの季節が巡り就活の時期に。4歳で生き別れた母親との再会、父の書店経営への思い。オーナーヤスの恋と案ずる栖川。倉井くんの成長と新たな目標は金曜堂の未来を明るくするのかな。北村薫さんの「スキップ」「ターン」「リセット」は大好きな本。また読んで見たくなった。【金曜日の本屋さん】4巻一気に読了。面白かった。
読了日:11月11日 著者:名取佐和子
昭和怪談昭和怪談感想
昭和の真ん中辺り生まれの私には、怪談要素より懐かしさが勝った1冊。関東大震災から立ち直った昭和零年代から十年刻みで世相が語られる。雨の救急車はその後が気になるし、戦後復員した傷痍軍人たちの切なさも心に残る。TV台頭で時代の終焉を迎える紙芝居屋、高度成長期と公害。密やかに生きていた過疎の山村と祀り、金に踊らされたバブル期。世にも奇妙な物語風で面白かった。
読了日:11月12日 著者:嶺里 俊介
半暮刻半暮刻感想
養護施設で育ち高校中退の翔太と恵まれた家庭で名門大学生の海斗。コンビを組み、カタラというグループで多くの若い女性を甘い言葉で騙し借金を背負わせ風俗に落とす。そして翔太は逮捕され、海斗は国内最大の広告代理店・アドルーラーに就職。翔太は刑期を終えもがきながら地道に働き、海斗はアドルーラーで出世してゆくが…。真逆の道を行く2人、翔太が読書にハマり成長して行き、人を見下し罪の意識もない海斗。読み応えがあり面白かった!
読了日:11月14日 著者:月村 了衛
監禁依存症 (幻冬舎文庫 く 18-7)監禁依存症 (幻冬舎文庫 く 18-7)感想
性犯罪者たちの加害者側の弁護人として強引に示談に持ち込む悪名高い弁護士・小諸成太郎。被害者たちの強い恨みを受けるこの男の9歳のひとり息子が誘拐された。過去に小諸が担当し不起訴処分となった事件の被害者家族を訪ねる警察。この事件は怨恨か金目当てか?そして影の主役は浜真千代。卑劣な性犯罪の描写は読んでいて胸が痛くなるし、悪徳弁護士が受けた報いは当然だと思ってしまう。
読了日:11月15日 著者:櫛木 理宇
星に願いを星に願いを感想
花実ちゃん、中3に。「金の星」はお母ちゃんと大家さんの楽しい会話に何度も笑い、お母ちゃんの災難と貧しさゆえの切なさを。「星に願いを」はあのアクの強いタツヨおばあちゃんのこと。おばあちゃんの遺したノートに記された母と子のこと。泣けて泣けてそして感動で読了。早くも続編を読みたくてたまらない!大学生になったるりか先生、学業との両立は中々大変だとは思いますが、ますますの活躍を!
読了日:11月15日 著者:鈴木 るりか
息が詰まるようなこの場所で息が詰まるようなこの場所で感想
東京湾岸のタワーマンションが舞台。低層階に住む夫婦共稼ぎの平田家と最上階に住む代々開業医の資産家・高杉家。中学受験に臨む小6の子供たちとそれぞれの家庭の夫婦の思い。平田家の妻さやかの章は息が詰まりそうで読むのが苦しかったが、地権者家族の伊地知家や帰国子女の小坂家が絡んできて読みやすくなった。都会の真ん中で育つ子供たちと田舎で育つ子供たち、どちらが幸せだろうか…。外山薫さん、初読み。
読了日:11月16日 著者:外山 薫
能面検事の死闘能面検事の死闘感想
岸和田駅前で無差別殺人事件が。7名が命を落とし、犯人は何も失うものがない「無敵の人」と自らを称す。ネット上で犯人・笹清をロスジェネ世代の被害者だと養護する声が。そんな中、大阪地検で郵便物が爆発し、《ロスト・ルサンチマン》と名乗るものから犯行声明が…。不破検事も爆発に巻き込まれることに。不破検事の徹底した調査、能面の下に隠された本当の顔。《ロスト・ルサンチマン》の真の目的。今作も面白かった。
読了日:11月17日 著者:中山 七里
間の悪いスフレ (創元クライム・クラブ)間の悪いスフレ (創元クライム・クラブ)感想
久しぶりの「ビストロ・パ・マル」、大切に読もうと思ったのに面白くて一気読み。コロナ禍で飲食業界を襲った厳しさ、パ・マルもテイクアウトを始めたり料理教室をやってみたり。タイトルのギャルソン高築くんの従兄のプロポーズ大作戦を描いた作品が特に良かった。料理上手の母が突然料理下手になった理由の切なさ、息子よちゃんと気づいて…。毎回この本を読んで思うこと、我が家の近くに「ビストロ・パ・マル」があれば。
読了日:11月18日 著者:近藤 史恵
君が手にするはずだった黄金について君が手にするはずだった黄金について感想
これはエッセイなのか小説なのか、何とも不思議な本。でも意外と読みやすくて面白かった。表題作は高校の同級生だった片桐くんの話。何者かになろうとして結局何者にもなれず、周りからは痛い人と思われる、そんな彼の話。
読了日:11月18日 著者:小川 哲
彼女はそこにいる彼女はそこにいる感想
人が居つかない家。第1話は引っ越してきた中古の一軒家で起こる怪現象に怯える女子中学生。これが一番怖いかと思ったら第2話・第3話に来て結局生きている人間の方が恐ろしいと思ったり。実は人形の出てくる怪談が苦手なので1話のあの人形のくだりは怖かった…。
読了日:11月20日 著者:織守きょうや
あなたに心はありますか?あなたに心はありますか?感想
AI研究者の胡桃沢宙太特任教授。家族を交通事故で失い、車椅子生活になった。ロボットに心はあるのか?シンポジウムで壇上に上がった4人の教授を狙った殺害予告。誰が何の目的で研究者たちを狙うのか?後半明かされた真実、胡桃沢教授が最後に下した決断の切なさ。心って何だろう?とても考えさせられた。一本木さん、デビュー2作目。目が離せない作家のひとり。
読了日:11月22日 著者:一本木 透
僕の母がルーズソックスを僕の母がルーズソックスを感想
ある日39歳の母が突然17歳の女子高生に!身体はそのままで心だけが。自らの姿と令和の時代に困惑する母・芽衣子を救うため、ひとり息子の潤平が両親の青春時代を追い明らかになったこと。潤平が潤平である理由と、頼りなさそうな父・修一の真の強さ。年代は違えどあの頃の渋谷を良く知る私には懐かしさと苦々しさを同時に感じられる読書になった。
読了日:11月23日 著者:朝倉 宏景
ドゥルガーの島ドゥルガーの島感想
ダイビングのために訪れたインドネシアの小島で海中に聳え立つ仏塔を発見した加茂川一正。この遺跡の保護と発見者として名を残すため本格的な調査に乗り出すが、地元住民の反発や開発を優先する地主、他宗教からの弾圧とままならない。火山の島の歴史とそれを守ってきた逞しい女たち。カモヤンが軽すぎるのと歴史的な記述が多めなのもあり、少し読了まで時間がかかってしまった。
読了日:11月25日 著者:篠田 節子
本売る日々本売る日々感想
江戸時代の本の行商人の物語。いつかは自らの手で本を出したいと願う「松月堂」平助。在郷の庄屋や名主、医者を顧客に学術書を行商して歩き見聞きしたもの。《本売る日々》《鬼に喰われた女》《初めての開板》。人情話あり奇談もあり。やはり《初めての開板》の村医者・佐野湛一の「口訣集」を巡る物語が秀逸。良い本でした。
読了日:11月26日 著者:青山 文平
あなたが誰かを殺したあなたが誰かを殺した感想
別荘地の夏、4つの家族が恒例にしていたバーベキューパーティー。楽しい時を過ごした深夜に起こった惨劇。5人が命を落とし1人が怪我を負う。犯人は自首したが動機は不明、死刑になるためにたまたま襲っただけという。事件に巻き込まれた家族たちが真相を解き明かすため「検証会」を開く。長期休暇中の加賀も参加することになり、解き明かされた真相…。わぁ、何と恐ろしい。そして面白かった!
読了日:11月27日 著者:東野 圭吾
猿の手 (ホラー・クリッパー)猿の手 (ホラー・クリッパー)感想
「時代をこえた本物の恐怖と面白さ」とうたっている通り、名作です。タイトルの「猿の手」は3つの願いをかなえる「猿の手」を手に入れたホワイト一家を襲った悲劇。けっして触れてはならないと言われた鳥かごをのぞいた若夫婦。マジックの店に立ち寄った父と幼い息子。小学校中学年以上なら楽しめるかな?
読了日:11月28日 著者:富安 陽子
宙わたる教室宙わたる教室感想
都立高校の定時制課程、そこで学ぶ生徒たちには様々な事情がある。ディスレクシアの柳田岳人、フィリピン料理の店で調理をしている中年女性・アンジェラ。保健室登校をしている名取佳純と町工場を営んでいた70代の長嶺。そんな彼らを結びつけたのは元研究者の理科教師・藤竹。「科学部」の活動と晴れ舞台で堂々と発表した彼らの姿に胸が熱くなる。とても良い読書時間を持てたことに感謝!お薦め本です!
読了日:11月28日 著者:伊与原 新
プレデタープレデター感想
日本の近未来がこの本に描かれているような世界なら、やりきれない。格差社会、闇の子どもたち。ストリートチルドレンの取材を続ける明海和とカササギと名乗る謎の人物。あさのさんのイメージを覆す意欲作なのだろうけど、今ひとつ乗れないうちに読了。モヤッとした読後感。
読了日:11月30日 著者:あさの あつこ

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コメント (2)
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