北のパラダイス

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渡されたバトン~さよなら原発

2013年05月18日 | 原発問題
北広島市芸術文化ホールで上映された「渡されたバトン~さよなら原発」を家内と2人で見てきました。

この映画は、新潟県巻町(現在は新潟市西蒲区)で原発建設をめぐり四半世紀という長年にわたる闘いで、住民投票を実現し、原発建設を阻止した実話を映画化した作品です。

1971年5月に東北電力が「巻原発建設計画」を発表してから、何十億円もの協力金や補償金に群がる人々によって計画が推進され、1977年12月に巻町議会が原発建設の同意を決意しました。

しかし、アメリカのスリーマイル島や旧ソ連のチェルノブイリでの原発事故に危機感を持った住民が反対運動を起こし、1994年に「巻原発・住民投票を実行する会」が結成され、翌1995年に「実行する会」による自主管理の住民投票が実施されました。

投票率45.4%ながら原発反対票が95%以上を占め、これが契機となり原発推進派の町長が辞職し、新しい町長に反対派の「実行する会」の会長が当選しました。

1996年8月に、全国初となる原発住民投票が実施され、投票率88.3%、原発反対61.2%、原発賛成38.8%という結果となりましたが、1999年8月には、町長が住民投票の結果を守るために、原発建設予定地内の町有地の一部を「実行する会」のメンバー23名に売却しました。

2003年12月、原発推進派が訴えを起こした町有地売却訴訟は最高裁で棄却され、これを受けて東北電力は計画断念の声明を発表しました。

住民投票で「原発NO!」を選択した巻町の流れは、ざっとこのようなものですが、映画で映し出されたのは、重大なリスクを抱えることも覚悟の上で飽くまでも町の経済発展を推し進めたい賛成派と、子供や孫たちが安心して暮らして行けるような安全な未来を繋げたい反対派の、町を二分し、家族や友人を分断した闘いの日々でした。

「お金」より「安心・安全な未来」を選択した巻町民の姿を映し出したこの映画を、福島第一原発事故が起きながらも未だ原発を再稼働し、新たな原発を建設しようとしている、国、電力会社、原発開発企業、原発推進自治体の関係者に、是非、見て貰いたいと思います。
いや、絶対に見せなければならない!!と切に思います。

私達は、子孫に「確かな未来」というバトンを渡さなければなりません。
福島原発第一事故以来、子供たちのために住み慣れた故郷を離れて見知らぬ地域に移り住んでいる沢山のおとうさん、おかあさんのためにも...。


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