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石炭ガス化複合発電(IGCC)

2015年02月14日 | 原発問題
原子力発電に替わる発電システムとして、「石炭ガス化複合発電」(以下、IGCC)が注目されている。

従来の石炭火力発電では、石炭を燃やした熱で蒸気を作りその蒸気でタービンを回して発電を行うが、IGCCは、細かい粉にした石炭を高温でガスに変えそのガスを燃やしてガスタービンを回し、次にガスタービンの排熱で蒸気を作り蒸気タービンを回す。

このように2段階で発電することで従来よりも高い発電効率になるとともに、石炭の消費量は約2割減らせることができる。

しかも、IGCCは石炭火力発電の熱効率を大幅に上昇させるので、二酸化炭素排出量を減少させることもできる。

福島第一原発事故後の日本では、エネルギー政策の根本的な見直しが進み、それを通じて「Sプラス3E」の重要性が強く認識されるようになった。

Sは安全性(Safety)であり、3Eは環境性(Environment)、経済性(Economy)、エネルギーセキュリティ(Energy Security)をさす。

IGCCはまさに「Sプラス3E」の申し子のようなもので、安全性、環境性、経済性、エネルギーセキュリテイのどれをとっても原子力発電より優っていることは言うまでもない。

たとえば経済性。

IGCCの利点の一つに、価格の安い低品位炭を利用できることが上げられる。

現在発電用に使われている石炭は主に輸入物の高品位炭だが、これが国内でも産出する低品位炭に置き換わることで電力料金を下げることにも一役買うだろう。

今、日本の全ての原子力発電が稼働を停止している中で、電力量の約9割は化石燃料が担っており、さらに3割を石炭が占めていると言われている。

一昔前には、大気汚染と二酸化炭素の排出源のトップに挙げられていた石炭だが、IGCCにおいて安全でクリーンなエネルギーが安価に得られるわけだから、低品位炭を有効に活用し原子力に替わるエネルギー源の一つとして、自然エネルギーや再生エネルギーなどとも有機的に組み合わせて行くべきだと思う。

幸い、北海道には8か所の炭鉱があり、これから低品位炭の採炭も可能という話も聞いているので、まず北海道が率先してIGCCに取り組むべきである。

たとえば苫小牧や砂川の石炭火力発電所施設を利用してIGCCに取り組むことは、決して不可能な話ではないと思う。

あとは北海道電力が積極的に取り組むかどうか...にかかっている。


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