「しあわせ」
「しあわせ」ってなんですか
人それぞれちがいます
どんな小さなことでも
自分が
これでいい
と思えるときが
しあわせです」
須永博士の詩にこんな詩があります。
12日に、小学校の授業参観があり、息子の4年生は、
「ちがい」という言葉が黒板の真ん中に書かれ、始まりました。
人権について考える授業ですが、正直言って「人権」といわれると難しいような感じがして、「人権とは」といわれても、「こうです。こうあるべきです。」なんて言えないけれど、わたしは授業を受けて、この「しあわせ」の詩が浮かびました。
授業の流れを思い出してみます。
まず、子供達に「ちがい」について考えてもらい、「からだのちがい」・・・顔、声、男と女
「心のちがい」・・・考え方・感じ方・夢
「国のちがい」・・・肌の色・言葉・くらし方
などなど、そのなかで子供達は、「ちがいがあっていい。」「ちがいがたのしい。」「ちがいがあっても同じ人間」などなど意見が出ていました。
そしてそこからが肝心!
ちがいはたくさんある人間だけど、「見つけていきたい あってはいけないちがい
なくしていきたい まちがったちがい」
このことについて、参観に来ていたわたし達保護者も、4つのグループに分かれた子供達の席に加わって話し合いをしました。
先生からの提案で、自分の子供ではないグループに入りました。
それぞれのグループで話し合いが進む中で、わたしのいたグループには、地域のおばあちゃんが座ってくれていました。
この日は航空写真の撮影があったので、地域のおじいちゃんおばあちゃんも学校に来ていて、撮影が終わったあとも、4年生の教室によってきてくれていたのでした。
お孫さんが4年生にいるわけではないのですが、
「この先生の授業が楽しい」
と、教室に来られていたので、一緒に座ってくださいました。
「今、ここに座っている6人の中で、とっても大きなちがいがあるね。」
と私がいうと、「年齢。」「生まれたところ。」「時代。」そんな意見が出ました。
おばあちゃんにも話を聞くと、とってもいい話を聞かせてくれて・・。
「今と昔の大きなちがいは、今は贅沢ができるけれど、昔はぜいたくなんてできなかった。
食べるものがない。
着る物がない。
勉強も充分にできない。
すべてお国のため。」
子供達は、たぶん、「昔はかわいそうだな・・・。」
そんな風に思ったかも。でも、おばあちゃんは、
「それでも幸せだった。食べるものはみんなで分ければいいし、働くのも、国のため、家族のため。みじめなんて思ったことは無い。」
おばあちゃんの言葉に、子供達は、ものすごく驚いた顔をしていました。
あと、私が聞いてみたかった、おばあちゃんの夢。
おばあちゃんが教えてくれました。
「わたしの夢は外国に行くこと。」
「えぇ~~!」
と子供達も驚いていました。
そんな時代のこんな夢が叶うはずない・・。
すると、
「18歳で、ひとりで中国へ行きました。」
とおばあちゃん。
夢が叶ったそうでした。
あっという間に時間は過ぎ、大切な「あってはいけないちがい」「まちがったちがい」は何なのかという議題の答えを出すまでに行かなかったのですが・・・。
発表の時間になり、「発表できる人。」と司会の子がいうと、
「はいっ!!!」
と、私たちのグループの男の子が真っ先に、そしてまっすぐ上に手を上げました。それには私もビックリでした。
「いろいろなちがいを話し合いました。年齢、生まれたところ、顔、家、食べ物・・・・今と昔。。
僕が思ったことは、今も昔も幸せは大きくても
小さくてもおんなじだということです。」
と。他のグループの皆さんも、いろいろな良い意見が出ていて、
あってはいけないちがいでは、
《ゲームをもっているか、もっていないか》
《障害があるか、ないか》
《見た目で決めつけること》
《足が速いか、遅いか》
などなど、たくさんの意見がでていました。
どのグループも、まだまだ話したりないほどの充実した、あったかい雰囲気の教室の空気がながれ、普段は自分の子供に話すようなことを、他の家庭の子達とじっくり話すことができた時間でした。
そして、先生が最後に、紙を広げました。
その紙に書いてあってのは、
「誰もが生まれながらにして持っている
人間として幸せに生きていくための権利」
そして先生が話す言葉ひとつひとつに感動しました。世の中で生きていくかぎり、自分以外の多くの人とかかわりを持って生きていく中で、一人ひとりが自分らしく生きていくこと、そして他の人とも共に幸せな生活を送るためにはお互いに傷つけあったり、迷惑を掛けたりせずにお互いのちがいを理解し、認め合い、思いやることが大切です。と。
わかっていそうで、つい、じぶんのものさしで決め付けてしまって、相手を傷つけてしまったり、助けてあげられなかったりすることがあるかもしれない。心の中の総点検をもう一度してください。
自分はどうかな?
そんな言葉を先生から聞いて、この日は美術館に帰ってからもいろいろと考えをめぐらせていました。
先生の思いが、たった1時間の授業だったけれど教室中に広がって、「これで5時間目の授業を終わります。」の挨拶の時には、拍手がおきました
人間が、だれもが持っている、人間として幸せに生きるための権利。
これが人権です!!
先生が子供達に伝えたいことが明確で、そしてわたし達大人にも、もう一度そんな簡単なようで忘れていそうな基本的なこと、
「心をこめて人に会う
優しさこめて人にあう
愛をこめて人に会う
出逢いをいつも大切に・・・
自分をいつも大切に・・・」
つい、須永博士の詩と結びつけてしまいますが・・・・
なんだかとっても心が温かくなり、そして、考えさせてもらった素敵な一日でした。
とってもとっても長くなり、すみません・・・。本当はまだまだ書きたいんですけどね。